木枯らしがわがままに通り過ぎる新月の夜
きみとぼくは人気の疎らな
寂れた駅のプラットフォームで出会う
互いにはにかみながら
それでも幼少期からそばにいる
竹馬の友を真似た笑顔で
触 ....
そっと窓を開ければ、冬の夜空を仰ぎみる
透んだ月夜はひとつ、またひとつと星が増えていた
無臭な氷の風が、すぐに鼻先を冷たく縮ませるから
(ふぅ〜と片手で覆い息を吹きかけるとき ....
久しぶりに母に電話した
聞くと 家で転倒したいう
もう1ヶ月だと
結局 インドメタシン入りの
塗り薬と痛み止めでしのいで
整形外科には行かなかったと
あぁ 医者嫌いの母らしいな
....
aikoの奏でるような 音楽を
どうにかしてマネできないものかって
つややかな髪を撫でながら たずねてみると
aikoは口を黙らせていた
今日のタクシーの中では
エロいことでもしてい ....
生きてもいないこの世界に
君は 何を思うのか
私は 何も思うことなどできない
ああ君であることのそのほかには
そこで 私は タクシーの窓を開け放ち
ニューヨーク全体の風を受けていた
....
こころがふるえず
それでも
息をしている
それは
一滴の涙も許さなくなり
やがてはそれさえも
見当たらないのは事象
ではなく
動かないのは現実
でもなく
閉じたりふ ....
金曜日の朝、
職場の、派遣の女性に、ご飯に行きませんか?
と誘われて、
ぼくは、どぎまぎして、メアドを教えた。
しかし、
あとから後悔した。
派遣の女性スタッフは、十何人もいるので、
あ ....
秋は深まり沈殿しつつ
冬はしのんで近寄り来つつ
風が吹けば
この季節を経るための
灼けて焦げるようなにおいがする
きっと生き物たちの
魂とはいわずも
肉でも果てるときには
こん ....
月明かりに照らされた
波の音だけが生きている
サラサラとした
夜風を浴びながら 僕は
ここにいない貴方に
何かを語ろうとしている
貴方は 今 ここにいないけれども
僕は ....
涙が溢れ出てしまいそうになる
そんな一人ぼっちの帰り道には
「上を向いて歩こう」と
みんな口をそろえて謳うけれど
見上げればちぎれそうな眼差しの星たち
あっという間に滲んで何も見 ....
誰もが知ってる地球のおもてに
人を殺すほどの理由がいつまでも消えない
かがやくみずべにふたりで着いたら
なんじかんも抱きあおう
傷ついたこころや
疲れた精神
汚れち ....
私の座っている椅子ごと
空間に旅する
もう姿をとどめない
いとも簡単にあなたが
私の肩に触れ
浴室を指させば
正確にいつもの時間
肉体のあることを思い出し
きしんでくる背中を感 ....
祭囃子を抜けると
そこに空白があった
二抱えはありそうな大きさで
私の祭りは勢いよく吸い込まれていった
振り返ると
ソースの焦げる匂いと
屋台の灯りがあった
外灯に虫が集まり
....
なにも空を飛ばない
なにも地に潜らない
なにも海を泳がない
なにも地上を歩かない
誰も舞台で歌わない
誰も舞台で踊らない
誰も舞台で奏でない
誰も舞台で演じ ....
一本の
JR線路記号のような白黒の紐で
するすると地膚におりたつ
口を開けた 函
一列の
七十億の
新聞紙(パルプ)が敷かれ
中をかさこさ歩きまわる
ひよこ一匹をさがす
....
馬鹿にされた悔しさ
加速する暴走
先祖伝来の不動産
有価証券
貴金属の類
すべて換金した
その金を持ち
北アフリカの
マラケシへ飛び
文字通りマラを消した
いや正確には
付 ....
ふたりぼっちのさくらんぼ
みんなのはなしをきいている
そばであなたにみまもられ
やわらかこころをまもってる
きいろやあかやみどりの、ね
まあるいかわいいこころで、ね
....
日々の戦という
共同の幻想に{ルビ塗=まみ}れ
周囲の人の口から放つ
言葉の槍に思わず むっ としてしまう
そんな意地悪さんや、身勝手さん達さえも
原子爆弾の投下された、あの ....
優しくない
人を妬む気持ちが
ドロドロと溶けだす夜
私はまた罪をおかしそう
もっているものをあわてて確かめる
人並みに揃っていればいい
多少足りないぐらいなら
コンビニにいって買おう ....
のび太君はいつも
スネ夫にからかわれては
頭が煙の昇るエントツになるものの
テストや体育の時間になると
何故だか決まって、負けるのです。
そんなスネ夫にも
時折気まぐれの風 ....
歩道に溜まった雨粒が静かに夜を抱いている、口笛はマイナーセブンスを僅かにフラットしてる、君の左の袖口は少し濡れている、僕の右の袖口と同じようなセンチで
コンバースの爪先に空き瓶がぶつか ....
三日月様は
今日も微笑む…
お日様のように
辺り一面を
明るくは出来ない
けど…
三日月様は
今日もニッコリ
君に微笑みかける…
ほら!笑って♪
いつもの君の
笑顔を ....
白い箱が届いた
梱包された神秘
なぜ箱を開ける時
こうもワクワクするのか
温もりを感じる新聞紙
オレンジ色が視覚を通して
喜びに変わった
一面のオレンジ色は
....
小さな頃に
時計を忘れて
ベランダ越しに
ゆっくり空と雨を眺めてた。
殺伐としたアスファルトの上は
不思議なほど 臆病で 落ち着きなく
速く 淋しく 意味は薄く 汚れ 喜びまでもは は ....
押入れに隠れていた
暗い密室の中で
埃っぽい空気の中で
春の芽吹きを待っていた
喉の渇きに苦しみ
時折、浸みてくる温もりに身体を寄せ
ずっと夢を見ているような
おぼろげな意識で
昼 ....
僕にヒゲが生えていた頃
あなたは優しくヒゲを撫でてくれた。
今ではすっかりヒゲは枯れ
ビルなどの建築物が建ち
唇の近くまで人も歩くようになったけれど。
あなたの手のことはあまり思 ....
アイデンティティーは甘めがいいもの
角砂糖をふたつ
未来を見るような目で
スプーンの先端を見つめて崩す
一滴もこぼさずに
何かを確かめるような動作のひとつひとつが
あなたがいくじなしだって ....
秋の草原
枯れ草色
ついこの間は
若草色だったなんて
まるで騙されているよう
春芽生えて誕生し
今は老人なのだね
あっという間の一生
何を思い土に還るのか
きっと『死 ....
一つ、二つ、と灯りのともっている木の枝
波が君の白い服
星はボタン
細い腕にからまるひんやりしたツタ
暗い緑ですべすべ
沖に流された小瓶の中に丸い光
降り積もるのは君の言葉 ....
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言語学者の間で、パソコンの「マウス」の語源が「魔臼」なのか「舞う酢」なのかについて議論がなされた。マウスの動き方が、臼が回る動きなのか、舞う動きなのか、が主な論点となった。僕は「マウス」は ....
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