季節外れの
予想外な大嵐が通り過ぎた朝
家の周りを取り囲む
防護壁の剥げてしまった隙間を
シンナーくさいペンキを片手に修繕する
今度の嵐はなかなかに強かったようで
思いの外あちらこ ....
貴女が何処にいるかなんて直ぐに解る
だってあたしと周波数が合うんですもの。
貴女と繋がる事にどれだけの価値を見出だせるのだろう
でも、刻の流れは残酷すぎて気持ちばかりが置いてゆかれる。
音が ....
1、
時計が居た。
車椅子の少女の部屋、机の上に小さな
目覚ましアラーム機能付きの。シンプルな。
セロハンテープは寝ていた。
事務員の引き出しの中で、無雑作に横になり
不必要な書類 ....
海の味を覚えている
アサリよ アサリよ
お前が居た海の味をこの舌は知っている
私は明日 おまえを食べるだろう
そのために舌で味を見ながら
砂を吐かせるための塩水を作る
おまえはそん ....
目の風景に
虹色を見た
夢の中を 生きた
私は誰だろう
暗闇の世界に
世界を 失った
生きている人が
輝いている暗闇を
*
誰しもが寝静まる夜中にひとり風呂に浸かるわたし
それは
ぼんやりと黄色い灯りにきらきら輝く夢の粒をみるわたし
薄汚れた鏡に張りついた滴のわたしが不幸に見えるのは、もう一人の ....
だれひとりとしてしることのない果実の
種子のほほえみは約束 され
底も無い墓標により
うきぼりにされ た
(風の透明度は(曲線の乳房(声も
(ふるえ(、を(空きすぎる、
(かかしの大空 ....
疲れ果て眠りから覚めた瞬間
流星群を思い出した
せっかくならと 急いで
山へ向かい 車を走らせた
そこにあったのは
いつも見上げていたのに知らなかった
....
あたくしの声は透明すぎて 家族にも 誰にも 届か無い
届くのは貴女の耳だけ……。
あたくしの心は透明すぎて 直ぐ 感情に染まってしまうんですの
今は 貴女への 真紅の愛情のみ……。
あ ....
そのうちさ
ひらがなにした方がいいのか
かたかなにした方がいいのか
考えなくても
わかる日は
もうすぐやってくる
笑っていたらいい
笑いたい時に笑うんだから
なんとなく息を吸うのが苦しくて
ぐるぐる鉛筆で紙に円を描く
からっぽ
子供のように特に意味もなく書いたそれ
円は次第に大きくなって井戸みたいになってしまった
まっさかさま
....
K
親不孝な倅の
誰も知らない部屋の机のひき出しには
それでも両親に宛てたAIR MAILのクリスマスカードが
残されていた
研磨剤じみた陽光が降り注ぐだけの
カリフォルニアの生誕祭 ....
いつまでも泣いていたら
大人になれないよ
そう言われて
余計 泣きじゃくった子供の日
だったらずっと
泣いている
子供のまんまでいいから
泣いている
大人になったら泣けないなんて
....
そのとき僕は飛んでいたんだ
とおく に いけた
もはや翼は食いちぎられ
澱んだ泥水の中でもがいている
あのとき
とおく に いっていたなら
穏やかな ....
凍える板の間に
手だけがかじかんでいた
こごえるような 冬の 時でも
じゃがいもを食べ
ほくほくしていたい
暗い風呂に沈む
目を閉じながら
流れる時間に 身を 浸して
そんな気 ....
日本人は
源氏物語を禽獣の所業とは言わない
日本人は
赤穂浪士をテロリストとは言わない
日本人にも思想というのは
一応 存在はするのだけども
思想が規範となることは
原 ....
私は膝に子猫を抱いている
二日前に死んだ子猫
それはすでに腐敗している
私の腕からその猫の肉体が垂れ下がっている
私は歌を口ずさんでいる
題名が思い出せない歌を ....
レース飾りの白いおんなの子が散って
発生成育は繰り広ぐ
くちびるを誰で染め上げた
誰がこの子を赤く汚した
(見初めたのが間違いでした)
....
オリーブオイルの入ったビニール袋が
ちりちりと音をたてドアノブにかけられた
時間がなかった
呼び鈴も鳴らさなかった
ビニール袋だけが<存在>だった
胸のいたみは弾痕になっ ....
ブルース・スプリングスティーンの、
1978年のアルバム「闇に吠える街」セッション時の、
未発表音源ばかりを集めた3枚組のレコードを、
買ってから、
ずっと聞いている。
お茶の水のデ ....
夜は静かだからいいのです
夜は星がなくてもいいのです
夜は月がみえなくとも
夜は月があるのです
空のはしっこ探す旅は
空の切れ端見つけて終わる
空の切れ端ってつまり朝のこと
空のはじ ....
隙間から押し寄せる波が
文庫本の栞を
何に使うのだろう
一枚さらって
もとの海に戻っていく
生き物の柔らかな陰影
そのようなものがあると
いつまでも
触れていたくなる
....
やけくそになるいがい
じぶんをつなぎとめることはできなかった
だからそれをみてやるために
いちばんみじめなことをしようとしている
たとえばおまえのドアノブに
オリーブオイ ....
瞳を閉じて
耳を塞いで
夜の海に漕ぎ出した
月光を浴びる両の手
持ち合わせの錆びたナイフ
ためらいをなぞる海面の揺らぎ
切っ先の甘いきらめき
冷気で象られた静 ....
去年も今年もあなたは弱くって
あっという間に終わっていました
あなたのためにお友達も
良い先生を教えてくれました
「二人で一緒に最後まで・・・」
私の願いは叶うことなく
線香花火のよう ....
脳の裏側まで入り込む文字と言葉 読めない
現実が空想の言葉に追い付かない
医者にダメにされた 右目 見えない右目
左目だけで現実を詠む
あたしの左脳は大丈夫なの?
あぁ 早く ....
雑用のような行事に
押し流されて
一年が終わる
季節
人生設計リセットの
ループから
抜け出せぬまま
辺りに
第九が流れ始める
その押し付けがましさに
気が重くなる
最終楽章が終 ....
森のざわめき
深緑の風の音
ざわざわと穿われた痕
真紅の血の跡、ずきずきと
深き黒き森
光は射さず
昼も夜もなく
血を喪い
茫漠と歩き続ける打ちのめされた魂
倒れこむようにし ....
会社の同期で
ずば抜けた存在の俺
ガンダムで言えば
シャア大佐だ
仕事の質、量、スピード
何をとっても超一流
しかしこの俺を
俺たらしめるものは
そんな手羽先の
テクニックにあら ....
{引用=
あめ玉は降るものであり
あめ玉があるからには
あめ玉は降らないだろう
}
地上に哀しみがあった。たぶん橋の上に橋が架けられたからだった。
たとえ虹の上に虹を架けても空は流 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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