胎児
鰓で呼吸していました
母が引越しのための交渉している
子宮の中が狭苦しくなったので
ぼくはからだを硬くしました
誕生
はじめて空気が
喉をとおったとき
胸が裂ける痛み ....
「何か要るものある?」と訊かれて「薔薇を一輪」と答えるのは
私くらいだろう
冬の夜に花火をやろうなんて提案するのは
私くらいだろう
初めてのデートでストリップ劇場に連れて行くのは
私 ....
今日も何も手にしていない そして遠のいていく目の前の夕暮れに
ぼんやりと自分のことを思っている 誰かのことを
そして 思い浮かべる また遠のいては 私の中の人たちのことを
止むことのないこの ....
あんまりあなたを
おばさんと言うものだから
傷つけてしまったのかと思って
あんまりあなたが
おじさんと言うものだから
嫌われたのかと思って
あんまりわたしたちが
わた ....
朝靄ののぞく
窓の水滴に触れたら
一滴が硝子を撫でた
一筋の道筋を作って
いくつかの水滴を巻き込んで
流れていって下のほう
ぺちゃんと爪先が濡れた
じわりと広がる水滴が
ひんや ....
闇に明かりを灯すには
わたしは酷く弱いけれど
今日と明日をわたる頃
わたしは静かに燃え上がり
そして朝日が昇る頃
わたしの明日は確かになってゆく
弱いいのちはけれども強く
意志あ ....
寒いから
マフラーを巻いて
手袋を着けて
ホカロンを貼って
それで、
何しよう?
外は雪が降っているよ
散歩はきっと大変。
うん、
コーヒーでも飲もう。
世界中には
愛が ....
よそよそしい木の
うえに獣がいる
ななつまで数え
るあいだにふりつづく雪
は遠くへゆこうと
したはず
たとえ刃が
刺さったとしてもそのまま
にしておけば血などでない
巣にかけられ ....
波の音など 聞こえない
寄せる波は
砂浜に
シュワシュワと 吸い込まれてゆく
シュワシュワ シュワシュワ・・・
とても静かに癒されてゆく
冬なのに 青く碧の凪た内海
マカ ....
うし
そして僕ら
真剣に宇宙の話なんかする
行き着く答えは いかに僕らがちっぽけかってこと
そして僕ら
真剣に夢の話なんかする
身振り手振り 話すことに関してはうまくなった
もう ....
むかしむかし
あなたと私の
鳥の骨のような関係が
ありました
肉はもうとっくに
誰かに与えてしまって
白い骨格だけが
残っているのです
飛翔の予感を秘めて
飛翔の過去を秘めて ....
両手を
おそるおそる地におろせば
あたたかな温度に触れて
背中を走る風は柔らかな匂い
背の高い木は
いつも見上げた木
目印にしながらゆこう
白うさぎになって
さまざまな自然に
....
ハーモニカの小さなキーホルダー
これ 読んでみない?
と
「クリームレ ....
ロリじーは
赤ちゃん言葉を話す
ロリじーは
いい年をして赤ちゃんに
....
しあわせは
ふしあわせのはじっこに
そっと隠れている
血をはくくらしのなかで
蛍となって
水色にそっとひかるかもしれない
あしたへの夢が
きょうも
よんでいる
川のほとりの水溜りが凍ってた
綺麗なガラスみたいに凍ってる
氷に映る白い水鳥
川のほとりを歩いてる
一羽、二羽、三羽
肩寄せあって歩いてる
川の流れに向って
....
水仙は冬の空を貫く
凛と、静かに、美しく
瞳に白い花弁を溶かし
鼻孔を黄色く染めた
それは幾分の幸せを香らせる
桃色のスニーカーには
柔軟な葉と真っ直ぐな茎が映る
それは気分を優 ....
ここ数日来の寒波で凍てついた地下鉄の連絡通路に
場違いとも言えそうな親子連れの姿
乳母車を押し歩くお母さんの脇には小さなおんなの子
お母さんの手助けと押すのを手伝っているようにみえるけど
....
毎日毎日僕らは
激辛の料理ばかりでいやになっちゃうよ
ある夜僕は店のおねえちゃんに
強引に迫ってボーイに連れ出されたのさ
はじめて食らったタイキック
こんなに痛いとは思わなかった
おケツの ....
人は永遠から切り離されている
果て無き空虚
いかにして虚しさに抗うというのか
空の花びらは散り
痛みにも似た深淵の間隙だけが穿たれる
無限に沈みゆく中心核は
黒い底で何を感 ....
君が眠っている頃に、僕は泣いてる。声を殺して。
ここはあたたかだから、心配はいらないよ。
ひとりだからわかるよ。ありがとう。だから夜は好きだ。
明日になったら平気だよ。もう大丈夫。きっと笑え ....
群青にどっぷり、ひたひたになるまで
冷やされて、ゼリー状になるまで
僕ら懲りずに傷つける
あきらめる 和解 そしてまた、
みえなくなって、また、ちか、っと、みえそうで、まばたき、みえない、ぱち、ちか、ぱち、ぱち、しずか、うるさい、しずか、しずか、だまる、とめる、しずか、しーん、せいじゃく、ちんもく、あれだれもいない、 ....
私は春の空を見上げた。
私は春の匂いが鼻に当たるのを感じた。
私は舞い散る花びらへ飛び込んだ。
私は夏の空を見上げた。
私は夏の日差しが瞳に当たるのを感じた。
私は木陰を歩き水を求め歩い ....
陶器の、背の高いコップに入った冷たい水道水と、銀色の大きなフォーク。
きりりと冷えた冬の水道水。すましたフォークはあやういバランスでコップにたたずむ。触れただけで指が切れてしまいそう。
丁寧に ....
知らないということしか知らない
習っていないわけではない
私のうわべを過ぎただけ
知らないということは罪なのかな
知っていればよかったのかな
知ったことで背負う
苦しみはいやだよ
....
寒い寒い凍った 夜
月も凍っている
こたつにもぐり
ここちよく酔った
あたしは
貴方の肩に
頭をもたれる
互いのキモチを確かめるように
手と手を絡め合い
貴方の手を
胸に押 ....
彼女から発せられる
ことば、旋律は
街中を彷徨う
歌声は力強く魂を揺さぶる
六〇年代ニューヨーク
カフェで行われた
ビート世代の詩の朗読会
擦り減った石畳の路地裏にあるガスライトカフ ....
窓の向こうに見える海
風に揺れる長い髪
陽だまりでまどろむ猫
白い壁は時を忘れさせ
青い空の果ては誰も知らない
閉じ込められたい あなたと二人
綺麗事はいい
この場合のいいは もういいのいいでなくて
よいの いいなのだ そういっているそばから
よくないことが起きる
私の恨みは凍らせる
君の隣があいているね 座っていいかな
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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