到達出来ない極みがある
それは遥かなる山上の氷のなかに咲く花のように
近づこうとして
近づいてはいけない
わたしは、
ビニール袋を口にあてがう過呼吸症候群患者のように
こと ....
雨が降ってきた。"hamburger lady"がやってきた。雑草に露の湛えられた音が、道路工事のピストン音と重なりながら、ビルとビルの間の路地から聞こえる。雨が降ったのだ、と机の ....
テレビ放送を後にして
二階の部屋から そっと屋根に上がる
両手を組み合わせて
ベントラー ベントラー と祈る
星空の彼方から
ユーホーが くるはずだった
それは極秘情報であり きたとし ....
じいちゃん戦争に行った
ただの農民だったのに
軍服を着せられた
私には
じいちゃんに何があったかわからない
わかっている事と言えば
セレベス海にて戦死
享年27歳
カート・コバーン ....
河に飛び込み死にきれず
首を縊って縄切れて
手首は切る部位無くなって、
やはりその日も死にきれず
昨日も一日長く生き
今日も一日長くイキ
明日も一日生きるのだ
死んで花実が咲 ....
女であらむとすること
男に対し、
性的対象としてこちらを見得ない少年を除外した
男という男の全て
青年、成年、中年、老人にさえ
醜い青年、醜い成人、醜い中年男、醜い老いぼれに対してさえ
女 ....
どこまでも広がる色彩こたえなき色彩
闇さえも色彩のなかにある
彼の描く世界は、
本当はどこにあるのか
見る者はその答えを探しに
際限ない色彩の旅に出る
彼が描くすべての色彩の背中に ....
いつもそこにいる
あたしのこころとおんなじだ
あたしのこころはいつも
あたしのそばにいてくれている
東郷公園よこの坂道
そこをすっとくだってしまうのは
いつも惜 ....
道路を丸めて食べる
どうしたら草の音みたいに
生きることができるのだろう
曲った色鉛筆
間違えないように覚えた言葉
値札の無い指の軌跡
並べることばかり
いつの間にか上 ....
あの絵画
王と王妃になる
複雑な視線の交差が生み出す
捕らえきれない空間に身を置く
ひとつの快楽
あの絵画
カメラを覗いたように思える
何気ない日常のはずが
静謐な空気を帯び ....
ほめられることが少ない子どもでした
目立たない子どもでした
選べない子どもでした
得られないとあきらめていました
うらやむこともたくさんありました
少し
たくさん
泣いたこともありました ....
{取消=
目を開けたら何かがそこに立っている気がして
強く目を瞑る
突然シンクが音を鳴らす
暗い部屋に低い音が反響して足元から冷たくなっていく
そろり、と薄目を開けると
....
同級生に出会えません
同じ教科書を広げ
同じ食パンを食べ
同じ制服を着ましたが
違う仕事に就きました
そういう決まりなんですね
知らずに席を立ちました
子供しかいなかったんですから
....
前略
うちのお犬様は気が向かないとご飯をたべないでござる
だがうちのお犬様はとてもご愛嬌があり、我々が飯を食べてるとねだりにくるのでござる
とても愛嬌があり、とても可愛く思うのでござ ....
自転車は遠くには運んでくれない、近くにしか行けないものだ
自分の脚力と精神力が限界になればそこで終わる
好きな女にもそうだ、自分の限界を超えた女は自分の手に落ちない
自分が持ちたい物 ....
虐待は白血球のようにアザやかにみちていた
青白いわたしの細すぎる指にきろくする
愛とか欲とか血管とか
月をみつめすぎて焦げた両目のおくは、宇宙が夢中に現実をみている
――アザやかな、青 ....
農業をする蟻ハキリアリをみていた
福山雅治が
素っ頓狂な声をあげた
列をなして葉っぱを運んでいる
きりとった葉っぱをミドリの帆にして巣穴に運んでいる
蟻の道が ....
すがりつく わずかな鎖に
おちたくないおちたくない
がんばってるでしょって
きいたら うんっていうしかないよね
人の優しさを利用して立ち上がりたくなる
みんなだれでもずるいよね?
....
「なんでくやしかろ」
早朝の庭で蛙が聞く
「お前はのんきだ」
私が答える
ひとのもんじゃ
もともとじゃ
愛しただけでいいじゃあないか
蛙が言う
夢をみたのだ
ひさしぶりに
その ....
何度も悩んだ
何度も諦めようとした
あなたをこの世に誕生させること
私はあなたを生むべき体ではないと
薬を治療のためとはいえ
飲み続けなければいけない体で
....
お肉は脂多めの
ロースがいい
揚げ油は
ラードがいい
玉ねぎは
やわらかめのほうがいい
タマゴはとろ〜り
半熟がいい
(そうそう、三つ葉も忘れずにね!)
女房には無口でいて欲しい
....
ああああああああ!俺は変態なんだ!
知らなかったちーとも知らなかった!
空想の中で俺はずっとしゃべってた!
そしたら声が現実世界に出てたんだ!
俺ってば即日変態の烙印をおされた!
裁判をおこ ....
ダム好きが高じて
ダムとセックスした
ダム山ダム十郎さん
ダム十郎さんて名前
突発的に考えたわりに
結構うまいねなんて
思ってる僕は
これから痔の薬を
肛門に塗布するんだぜ
鏡にアヌ ....
饅頭を焼いて俺は売る
巨大市場でビジネスだ
億万長者に俺がなったら
お前らに2万円を進呈する
お前らは2万円握りしめて
俺の饅頭を買いまくる
これが永久機関である
たまに自分の一生を考えてみたりする
もう人生の何割を終えたんだろうか
この先になにか良いことはあるのかってね
でも未来なんて考えても仕方ない
今何をするかで変わっていくからね
それなりに楽し ....
そう、俺の首筋に鉛の様に染みついた痛み、叫び声を半分殺すような鈍重な…俺は真夜中の暗闇に隠匿された性質を探し出そうとしている、いまひととき心を納得させるような理由が多分その中にある…水溜り ....
女すらいない盛り場で
意味もなく 黙りこくる
君は 誰だろう
何をしているのだろう
こんな 枯れ果てたような 街で
誰かに 何かを 言うわけでもなく
時だけが 流れていくようだった
....
眠り続ける カタチあるものへ
昨日の喧騒も 明日の安らぎも
今は分からない
心がなくなって 魂を感じて
純化された気体が 目の前にあって
流れゆく生命の川が 薄れた景色となり
消え ....
ふっと
名前を消失してしまっていた
空の真ん中に視線を
漂わせていると
風が舞い上がる一瞬の間に
重力に括り繋がれていると
名前さえ肩に重い日がある
真っさらな空への
ひとひら ....
北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈
山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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