せんにゅう そうさ かいし しね
女の子の地図
間延びする学校のチャイムとともに無愛想なその表情は変色し、細い腰はイスに自由落下、草臥れた制服のスカートが息 ....
ぜんぶたべきれない
なんでも
半分くらい
黄色い壁伝い 石畳の路地
幅一メートルほどの狭い路地を歩き続ける。
どこまで行っても路地
何時になったら この路地抜けられるのか
少し、焦りながら歩いて行く
突然視界が開け
突然光が戻 ....
この感情は
なにで出来てるんだろう
シンとした夜の真ん中は
何かと考えることが多くて
でも
気づいたら
思考は動かなくなって
感情がゆらりとぶら下がる
何にもない日 ....
おいてけぼりにされたみたい
誰も好きじゃないので
誰も嫌いじゃないのだ
細かいタイルの敷き詰められた風呂釜から
いつ落ちるか落ちるかと恐れて
ろくに暖まりもしないまま風呂場を出てしまう
....
蹴り上げて時間が回っても
世界が始まるリズムしか
いつも聞こえやしないから
戦争が始まる前日は
どんな色をしていたかなんて
誰も気にも留めずに
今思うことを明日も思った ....
ずっと抱え込んでいた
薔薇の香りの生ごみを
思い切って 捨てましょうや
上空の毛細血管が
寒いよって 痺れてて
まだまだ痛々しいけれど
見えない未来に 泣いたっていい ....
おひさまの光
たくさん 浴びて
今年もまた
たんぽぽの花が咲くよ
あげるものが何もなくて
慌てて摘んだ たんぽぽの花
最後にあたしがあげたもの
ねぇ
今年もたんぽぽが咲 ....
――誰といたの?
誰といるの?
薄い愛を囁く
熱い舌
哀れに自惚れる鼓動を
愚かだと嗤ってくださいませ
眼差し、温かく
増していく、黒
貴方のペースに引き込まれ ....
たしか死んだはずの父が
逆上がりをしている
たしかに死んだはずなのに
まるで昨日のことのように見える
うまくできないのだろう
年老いたからだでは
それでも負けず嫌いの父に
も ....
雷
晴れのそらから にわかに 降る 雨
グラデーションの雲 もくもく GRAY GRAY 風にとぶ
風に乗り 散って 湧きおこり 消えて あらわれる 雲
めまい。
....
タコわさに出会うたび
タコつぼを思い出す
そんなとき
タコに来て
タコを抱いて欲しいと
タコ飯も
タコスもいらないさ
(タコスはタコ関係ねえだろうがあ!メキシコだろうがあ!)
....
交替する息
濡れた髪
血の涙
ある石が
ある石に
打ち付けられ
破損した
打ち付けられた石も
破損した
粉々に砕けた石片が
散らばり
何の営利も生まぬまま
それはただ垂れ流 ....
こっから先ニューヨークだから金を払え
こっから先は有料だから木戸銭を投げろ
こっから先宇宙だ ....
正直に生きるなんて
そんな恐ろしいことできないよ
正直になんてずっと
幼いころからできなかったよ
右といえば左であったし
上といえば下であったし
どちらでもいいといえば
はっきりしな ....
だれかぼくに
長い手紙をくれまいか
すっぽり暗いすり鉢の空の底
吹雪のあけた だだっぴろい広場に
まんべんなく雪は敷き詰められて
だれかが夕暮れの紅いろうそくを吹き消す
すると
取り ....
両腕を失ってうしなうもの
ギターをかき鳴らすこと
新しい服にそでを通すこと
愛撫
両脚を失ってうしなうもの
休日の足の指の爪切り
じだんだを踏むこと
スキップ
手足を奪われ ....
あめはふる
行く手をさえぎる
空想とあらそい
足どりはおぼつかない
あめから目をそらす勇気はない
今はその一粒一粒を
しらみつぶしにはたくので精一杯だ
唇を重ねたように
息がつまりそうな真夜中
声を荒げて
逃げだしそうになる都会の真ん中で
小さな羽虫たちは
か細い灯りに寄り添い
汗臭い涎を垂れ流している
相槌のない会話が延々と続 ....
音はさほど
たまらないのは
背中の不快
ほらチラッと
あなたから目そらし
カレンダー見れば
仏滅
目に飛び込んだ
はきそう
重苦しい
背中
手が届かない
だれか
助け ....
神の御身からは
一切が清らかに流出する
私が幾度か欲のために
欲の道へと混迷したとき
悔悟と清祓を
繰り返し行うことによって私は
最初の崇高な清澄な道へと還った
そして神へと還っ ....
彼の名は確か太郎といった
そうではないかもしれない
宏だったかもしれない
武だったかもしれない
なんにせよ
平凡でいい名前だった
そんな気がする
彼は足が速かった
かけっこをすれば ....
春、のたまう
我が名を呼べば
花は舞い
土影見れば
虫どもも起き
十の日も待ちゃ
かの子も通る
我は始まり
太古の光
その痩せた枝に忍び寄る風は音もなく
尖端に震えている明日 けれど確かな鼓動のように
その鼻筋に流れる涙はかなしみではなく
指をのばし拭い去ればただ あたたかな頬のぬくみ
僕は地に立って ....
山を登る
足を一歩踏み出すたび
落ち葉の鳴く音や枯れ枝の折れる衝撃が
全身を流れるのを感じる
それが大地だ
風を感じる
見上げれば少しずつ形を変えてゆく雲が
途切れ途切れでも ....
コーヒーカップの底のコーヒーが
透明な水をうらやんで
不意に自分を分解しようとする
夜空に浮かぶあの月が
蛍光灯をうらやんで
宇宙に電気を通そうとする
わたしは
友達をうらやむけ ....
何だかしくしくと
両手がさみしくてしかたない
ずっと手に馴染んだ鞄を
どこかに置き忘れてしまった時から
どこに置き忘れたのかも思いだせない
ゆらゆらと漂う霧のように
ぼんやりと ....
冷たく大きな手を離すと
冷たい雪は溶け始め
温かい雨が降り出した
雪が溶けるとはしゃぐ君は
クルクルと回って
「もうすぐ春だね」と
残酷な言葉を吐き
「早く来るといいね」と
嘘の言 ....
{引用=
「不倫関係を謳歌してる連中はドラッグを使ってキマってる奴らと大差無いわ。ねぇ、ジャック。そうは思わないかしら?」
「ジェニファー、それは面白い見解だね。でも、どうして不倫とドラッグな ....
不在のあなたに手紙を書こう。季節はすっかり夏になったと。
あの苦し紛れの日々は終わったと。
なだらかな背に流れる
夏の日差しは
存在の側から送る今生の別れなのだよ。
不在のあなたは私を苦しめ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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