庭に咲く向日葵の陰で
雑種の犬が寝ている
鼻先に吹いた風は部屋に入り
指先や広げた時刻表の表面を涼しくして
再び外へと出ていく
真昼の駅、三等車に乗って
てんとうむしは出征 ....
雨があがり
低くたれこめる雨雲のあいだの
ぽっかりと開いた空に 高い雲がみえた
高い雲は季節をさきどりし
未来を映すように 夕映えに染まる
雨雲はいまをあらわし どこまでも地平の果てにひろが ....
ただ話をきいてほしいという
おそろしいことを
いわざるをえないのなら
かおをかえりみたならば
はだが
としとともに
うつくしさを
うしなう
すくいようのないものを
なんでも持っているひとっていいよね。
と、友人が言うので、
たしかにそうかもしれないけど、なんでも持っているひとを見たことがない。
と、返した。そうしたら、
あなたは、なんでも持っているじゃな ....
カタカタと鳴る
眠れない夜の四脚の貧乏ゆすり
床に喧嘩売って
チクチクと唸る
眠れない夜の二針の歯痛
壁にドリル打ちこんで
ザワザワと嘆く
眠れない夜のこんにゃく ....
今朝がた夏を刻み終えた男の全身を漂白してベランダに干したところだと云う
熟すことも腐ることもなく ただ 秋がくればカサカサと鳴るだろう
できることなら、血の匂いのしない図鑑をくれ 魚鱗 ....
ひとりじめする贅沢と
分け合える幸福
ナナ、ぼくたちは、
ひとりでは幸福になりにくいみたいだから
壁の白さに飽きたら
青空のしたに降りといで
ナナ、
世界は用意されて ....
身構えないで
かなしみは空のように
僕たちとともにある
あるときは透明に
あるときは責めるように
手放さないで
よろこびは風船のように
....
港町の浜辺に面した食堂
浜辺の見える出窓に置かれた
古ボケた大きなラジオから
流れる昔のエレジィは
淋しく悲しい旋律で
波止場につながる道沿いを
黒いショールに包まれた
港のおカマの頭上 ....
夜が来るほんの少し前
西向きの部屋には
橙がふんだんに降り注ぐ
紅く
熟れた
それから
耳に
届くは
貴方の声
今宵
貴方の
その腕に
強く
抱かれ
夢を見る
熱く
触れた
それらは
共に
激しく
溶け合い
....
余生を愉しむ老人を
嗤う蠅がぐるぐると
周りを旋回し始める
し!しっ!死ィ!
彼らはセイメイ意地装置なんかを使って
きっとしぶとく生き続けるのでしょう
代わりにワカモノを差しだした ....
空気に衝突して割れる声の破片が
あの同じ恐怖の温度をもって
心臓に突き刺さる
長い階段の一段一段を
少女の裸足が
危なっかしく下りてくる
何から逃れ来るのか、
わたしは知らない
....
最近あの娘が構ってくれないものだから
部屋には安いウイスキーの空瓶ばかりが転がってるよ
おかげでここ何日か体が重たくてしかたないんだ
電気ブランを飲む気にもなれないし
誰かジャックダニエルでも ....
あまり覚えていない友達のことなど、私はいつも忘れた。私は自由でいたかったし、時の流れをいつも感じていたかった。単純肉体労働など、嫌気が差してやる気などおこらなかった。それだけは私が私であることの選 ....
みじめな虚しさがおりてきて
散財で埋まらず/止められず
しょぼくれ/のんだくれ
霞んだ幻をつかもうと宙を掻く/爪を欠く
潮騒を遠くに/風を遠くに
人波を遠くに/ ....
小さな単位ではかる
それは大きなねがい
みんなねがってる
みんなのしあわせ
方法がちがうと
肌触りがかわって
認めたくないよな気がするね
それでも
同じ方向をむいていたいね
....
心休まらぬことばかりだろう。そんなことは分かっていただろう。「悩みも悲しみも無い人生を送れると思っていた」なんて何処かで聞いた事は覚えていただろう。僕は苦しいなんて言っても誰も知った事か。誰だって苦し ....
合体の掛け声で
私の身長分高くなった君は
初めて見るとばかりに
星がキラキラする部分だけ
繰り返し繰り返し歌って
顔を夜空に向けてるのが判る。
真っ直ぐか地面を見る私に声をかけて
星掴み ....
誰からも好かれないということが
ひとつの畏怖がわたしから
離れては風のようにまた寄り添う
ひとつの過去がまた終わると
また新しい過去が
....
おとなが
こどもをもとめて
在りし日をおもう間が
すぎていく
ねんれいを知るには
かさなった時を精算するより
ひふとかほねとか
みのまわりのせいりをして
自称せいぶつがくしゃのつもりで ....
いつかあなたにただいまと
いえ
いつかあなたにごめんなさいと
いや
いつかあなたに土下座して懇願を・・・
....
ほんとは書くことなんてないんです
ってところから書き始めるのが定石でしょう
なんてナルシシズムなんて言外に心外で論外だから
僕のことなんて金輪際いっさい知らずにいて欲しいけど
宇宙の始 ....
わたしの帰る家は
スピルバーグのいない街角
宇宙人も出なけりゃ
悪いドイツ人も出ないのよ
わたしの帰る家は
コッポラの声のする街角
とりあえずマーロン・ブランドが
ちょっと怖いメイク ....
悩んでいる時
成長している時
飛躍的な成長を遂げる
使わないと脳味噌が腐る
TVを見るのを
禁止すべきだ
何も考えない
人間ばかりだ
世の中が堕落し
人々が不幸になる。
上 ....
『女は、
頭なんかどうでもいい。
おっぱいと声だぜ。』
という、C級洋画の脇役の台詞に、
ふむ、なるほど、とは思ってはみても、
それは、
若い子に限るだろ、という気もする。
彼女と、 ....
良質の音楽の
流れるラジオ
ありがちな詩集片手に
窓際座る
シュンタロウ氏は
宇宙人のようだ
リュウイチ氏は
格好いい酒呑み
マーシー氏は
詩をよむに違いない
ヒロト氏 ....
夕暮れのとあるひとときに
猥雑な風ふと浄化され
街ゆけば影は晴朗に澄みわたり
君の頬に紅の西陽染まりゆく
かつて君は語った
玲瓏な風佇む宵のこと
清澄な空薄く張りつめて
....
プロ意識は 大切
物事に 明るい人が
近くに 居てこそ
安心 出来る
キッカケが 有って
通常が 通じなくて
有ったモノが
無くなった
今
遠くで
難しいことを
議論 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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