眠っている祖母の頬に
桜の花びらが一枚落ちる
そんな季節ではないはずなのに
掌に握らせて
悪戯でしょ?と笑ってしまう
見送るつもりが
見送られているのは私たちですね
....
ブラックニッカをコカコーラで割ったウイスキーコークの
もう氷も解け切った最後の一杯は
まるで泥水でも飲んでいるかのように
ねっとりとしていて生温くて重苦しい
ふらふらした体をなんとか真っ直 ....
ことばは叫んでくれなくて
わたしはいまこんなに叫んでことばを選んでとってえらんでいるのに
言 え
よ
....
110709
牛10頭分のすじ肉求む
血を抜かれ吊り下げられた解体中の牛の姿に
無罪判決を聞く検察官の寂しさを重ねてはなりません
頼りのお父様も定年 ....
緑のキャブが
ネオンサインの林を発進
道のりに
メーターと胃がせり上がる
よろよろとヨッパ雷蔵よろけ出て
盛大にベッドタウンに嘔吐する
運ちゃんは
イライラしながら前方注視
未払いの料 ....
ずっと昔に飽きてやめたことを子供たちは世界で初めて
気付いたのは自分だ/というように夢中になってあそぶ
昔見たことのあるおなじ光景/おなじ顔/おなじ台詞を
そこに描き出す/僕も君も他のオトナ達と ....
ビデオ編集が
重すぎて
あつくて
電源が
切れる
5回
買って
1年半なのに
あと
あたまのわるい
にんげんが
きらい
鋭利なもので
ぼんやりとしたかたまりに
切りこみを入れていく
あとは
一かけの勇気のようなもの
角度/向き/時間/場所/そして可能性の萌芽/
解体できる/新しい意味が生まれ ....
1、ソイ
あやとりしよう
もりのなか
りぼんをまいて
ゆびをしばるの
おれんじのふうせん
とどかないそら
わるいうたをうたって
みずがかけてく
2、ルニ
くちのなか ....
夜の鏡が
教えてくれる
私の「在り方」なんて
誰も教えてはくれないのです
エネルギーをください
エネルギーをください
エネルギーをください
無表情に求めています
鏡の前で ....
覚えていないだろう。その昔君が空からおとされた時、以前君が流れ星だった時、凍えるほどの闇の中で二人固く手を握ったこと、恐ろしい程の夜の中で支えあったことを。チカチカ瞬く光が近付いてそして二人が別れたこ ....
園芸部でも
ないわたくしが
やつれたビニルホース
でぶっぱなした冷水を
ひと月おくれて
のみ干し
てゆく
あの向日葵
に今日、白さの
灰が積もる
すべて
の氷花が
いっせい ....
冷めたコーヒーの色は暗く
この冬はあまりに邪気のない唇だった
木製の扉もすっかり
擦り減って きみの
背丈よりも長かった その
腕はいまも息づいている
「それはおれたちが
気 ....
やる気のある奴がいない。
皆無気力無関心
仕事も勉強も
恋愛もスポーツも
する気がない。
テレビに精気を吸い取られ
何もやる気がない
夢も希望もない
篤い魂がない。
弱者は淘 ....
ウナギイヌ
ウナギイヌ
あたしウナギでもイヌでもないもの
ウナギイヌ
ウナギとイヌのハーフなんだもの
笑ってるのはあたしひとり
あんたになんか分からせはしない
ネタに詰まった男ぐらい ....
とても深いところから
汲みあげられた夜
わたしの、ちいさな泡立ちが
その上皮をながれていく
ここにいれば、凍りのような
つきのひかりも遮ぎられるから
ただ、穏やかな ....
ダイヤモンドより確かな一瞬に
石版みたいな青い空をみつける
だれの名前も刻まれることはないし
法律だって記されていない
ましてや
墓碑銘なんて思いもよらないのだ
だれかが今も死にいくなんて ....
シェルブウル風のゆがんだ建築に
ひっそりとかれはいる
あたしは
すこし疲れていて
思うやうにコトが運ばない
それでも
かれのときめくなまえをはつおんしてみると
....
女は
口汚く
男を罵っている
酒のいきおいか
それは
女の本心か
しなやかな体つきとは
反して
雨が降った後の
コンクリートのように
舐め上げたら
舌から血が流れ ....
ミライ
めまぐるしい
花吹雪に
目がかすんでゆくよ
何度かえても
ほんとうのことなんかひとつも
みんな
ほうりだす
あきらめたみたいに
だって
さわれないじ ....
やってらんないな
なんだかんだ言っても
簡単じゃないし
いいこともない
頭がいたい
足は引きずるし
お腹も出てきた
やってらんないな
あれもしな ....
えい と割る割り箸は
ささくれだってはむかってくる
お前なんかに
の 小骨ささって
あいた
た
どうしてこんなに
太陽までも
小さな刺を残して私をすぎる
青い波間に漂う
コバルト・ブルーのきらめき
画用紙に彩られた海は今でも
烈日を待ち焦がれている
*
雨の日は部屋の中でひとりきり
孤独を思う存分楽しもう
外国の歌手が歌う
レコ ....
雑草が覆いかぶさる細い道をゆく。
小川のそばに、水引草が咲いていた。
山の麓のさびしい村。24歳で夭折した詩人の夢が、いつも帰っていった。
その夢のほとりを歩いた。
小さなあかい花。見過ご ....
夜/地球の裏側の太陽の動きを意識するように
気にかけたり抱えてたりする/日々のなだらかな稜線のつらなり
そのいくつかは自意識の成分でできていて
ムヨウの苦しみだったと気付くとき
素敵な夜だね ....
くちなしの花が咲く
つやつやとした葉の上に
やわらかい真っ白な花をつける
甘いにおいを漂わせながら
白は枯れていく気配をみせる
くちなしの私はもう
何も語ることができない
唇は血色を ....
レストランがあった
メニューのないレストランだった
テーブルクロスがなかった
テーブルも椅子もなかった
シェフがおらず
給仕もいなかった
屋根はなく、壁はなく
建物すらなかった ....
ドーナツの 真ん中の食べかたを
かれは知っていたよ
そんなところが
たまらなく 好きだった
あなたを手に入れようとおもったら
あなたの妻や
あなたの妻の膨れたおなかも手に入れようとしなきゃならない
それも、
手に入れられるかどうかはわからないままに
あなたが慈しむあなた ....
今宵、群青色の空を見上げれば
ひときわ煌めく光がふたつ
愛を星の河にして、夜空を彩る
明日はそんな愛を心に想う君に。
2880 2881 2882 2883 2884 2885 2886 2887 2888 2889 2890 2891 2892 2893 2894 2895 2896 2897 2898 2899 2900 2901 2902 2903 2904 2905 2906 2907 2908 2909 2910 2911 2912 2913 2914 2915 2916 2917 2918 2919 2920
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