本格始動した蝉しぐれが
午睡の怠惰を誘う
あちらの世界の あのひとが
つきまとうのも 忘れさせて
「時」にこだましている
リグレットの呪文
「空」に映っている
....
夕やみ歩く猫
のし
のし
人ごみと並んで歩いては
立ち止まり
都会が鼻歌まじりに風を歌うのを じっ と聞いている
夏はまだ長い
今日もずいぶんと蒸していて
建物からこぼれる冷気とごちゃ ....
「きっぱり」
という名前を
つけたい朝
痛いほどの勇気が
背中を押す
老人施設とは
終着駅のようなものとおもっていたが
通過駅にすぎなかった
口をあけたままの老女も
うつろにみえる老人も
どこかへゆく途中だ
雄々しく背中をふるわせて
幼児にむける
....
道に転がる石
気づかれずけられる石
水中の石
それぞれみんなちがうけど
みんな自然
カキ氷
食うべし食うべし
頭にくるべし(いたっ)
この繰り返し
くべられた思い出の
立ち昇らす影
天を焼く記憶
遥か古代からの
捧げられる供物は
二つとなく二度とない―
胸を焦がす影を
作り出す光
背 ....
仮面の奥に秘めた
笑い声は
人を嘲るように
胸をえぐる
楽になりたいか?
苦しむのだ!
桃源郷は
地上のどこにもない
はく製の目玉のように
ギラギラ光り
隙を見つけている。 ....
意識の断片が浴槽に張り付いていて書き終わったら全てが水の中にあるといいなと思う。
どうすれば良いのか
分らない。
何が悪いのか
見当がつかない。
鈍感になったのか
悪い道に入ったのか
誰も教えてくれない
孤独である。
生きている意味ないじゃん
もう我慢でき ....
苦しみを乗り越えて
成長をする。
苦しくて苦しくて
全てを放棄したい。
ノドが痛い
ムネが痛い
全てが水の泡
全てが忘却の彼方へ
信じる事を止めないで
夢を見るのを止めないで ....
捕まえていて欲しいと
そう、言えたならどんなにか楽だろう
私は口を噤んで、顎を引き
目を閉じ、息を詰めるだけだった
そして、空想の中の熱い抱擁を受け
粟立つ腕を擦って
....
スーパーで
すいかをたたいてる
おくさんがいた
ぽんぽんぽん
ぼっちゃんはいる?
ゆびさきでやさしそうに
ぼっちゃんは
こたえなかった
かわりにとてもよい
おとを ....
私の手をあなたは
きれいにしてくれた
そうしてきえる
螺旋のなか
たくさんの粒子と
唯一の記憶
夢うつつ膜になって
さよなら
振り返ってはいけない
紫陽花の咲く道
すいか
ひまわり
ふうりん
かとりせんこう
おばあちゃんち
はなび
ゆうだち
うみ
かきごおり
にゅうどうぐも
むぎわらぼうし
麦わら帽子は
ホントはあんまり見たことな ....
飾り部に出入りされている木の
皮をはがせば しらじらと
預けられていた夜中が
てっぺんから ひるがえり
白い髪を吐き まるまり落ちる
梳いていた指達
歩いていた足達
口づたいに行く ....
雑草の背比べ。
(躍起になって草むしりの人)
切が無いのですけど
むしらないとあっという間ですからね。
それに、慣れてくると
楽しいもんですよ。
(時には寄り添って)
寄り処が、 ....
彼は初めて会った時、私をじっと見ていた。そして、
「ずっと(キミが)気になっていたんだ」と言った。
ビックリしたけれど、どこかで嬉しいとも思っていた。
それは、私を見つけた時、私のところまで迷わ ....
僕が死んだときには
僕のペニスを切り取っちゃってくれ
抽斗に
ナイフを入れておくから
残りの部分は燃やしちゃってくれ
僕が死んだときには
僕 ....
お母さん お母さん
あなたは半眼の仏陀のように横たわり
黄金の仏陀のように何も見てはいない
何も聞いてはいない
{ルビΜητέρ=メーテール} {ルビμητέρ=メーテ ....
セミが鳴いている
それだけのことなのに
ぼくは宇宙にたったひとりだ
あなたの望む解放を
どうやってあなたに手渡そう
形のない贈り物を 届けるのに
言葉は必要ですか?
言葉ですら 音ですらないものを
ふたりが共有できたら
何にも頼れず生きてゆける?
....
僕の恋人は人とは違う瞳を持っている
昼間に輝く星の間を、夜のカーテンを付けた鳥が自由に飛んでいる
じわりじわりと侵食しては、誰かがナイフでその暗い布を切り裂く、らしい
僕には見えない空を、僕 ....
さようならは
言うのもするのも簡単で
儀式の魔力にとりつかれた
きみがどこにいて
わたしがどこにいて
そういう二人の居場所の
重なりあいで
やっと
世界の輪郭がぼんやりできあがる
....
緑色が波打って
濃くなって
育まれている
数えきれない夢たちを
数えてみる試み
1から10まで
10からまた1にもどる
5、くらいでたいてい数を忘れるから
また1にもどる
本当の ....
きみのことを
よく考えているけど
きみは男と同棲してるから
考えれば考えるほど
自分の首を絞めることになる
と
言った場合
笑顔でこたえてくれて
手の甲に口づけとか
させてくれる ....
骨のビーズを貯えた八の字ガラス管をくぐり
放鳥された鳥が遠景に入門してゆく
道なき道の道標が乱立しているが
信号機信仰 おおまかに車に分類される運動体だけが
迷走していないかのような速さで運動 ....
夜はおもいだされる
はがれおちる瓦を
煌々としていた青の炎でてらして
泣きさけぶこどもたちが
いっそう悲しみをました
手を
つかんで、はなさないで、でもあたたかさはつたわらないで
五 ....
今から出発したら
どちらが早いだろう/着くのは
今朝と明日の朝
できれば戻りたいさ
あなたはきっとそう言うね
月をみながら歩いたら
きっと明日へたどりつける
真っ黒な木々がこ ....
雨が上がり
虹が出れば
人々は家から飛び出して
泥を捏ねて塑像を造ります
雲間から漏れる光で 塑像を乾かし
虹の絵の具で 自在に彩ります
そうして出来上がったものを
人々は ....
2865 2866 2867 2868 2869 2870 2871 2872 2873 2874 2875 2876 2877 2878 2879 2880 2881 2882 2883 2884 2885 2886 2887 2888 2889 2890 2891 2892 2893 2894 2895 2896 2897 2898 2899 2900 2901 2902 2903 2904 2905
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