かなしみ島の住人は
毎朝、かなしみの海で顔を洗う。
その顔はまた涙でいっぱいになる。
朝は顔を洗わないと始まらないから、やはり洗う。
人生なんて終わればいいと叫びながら、朝がくれば顔を ....
マトリックスで裏切ったハゲが食ってた ....
お盆
虫取り
夏祭り
生に近いし
死に近い
いつから
八月になったのか
私には記憶がない
そう言えば
今日
「意味」を全うした蝉が
地べたに落ちていた
とたんに
歪んだ蜃 ....
そらをみあげると
ちちがいた
やぎのむれのなかに
ひとりいた
ことしのなつは
すずしいぞ
みちばたに
てがみがおちていた
つたえたいことは
すべて
そこ ....
通わない道
通いたい道
そして
事実通う道
去年の道は
とても、うまい具合に埋まりました。
今年も
そうであるといいのですが。
(途方もない粗捜し)
道に砂利は付き物です。
....
幸福ってあるんかな
傷ってあるんかな
幸福ってあったら
それオレの傷やねん
メキシカンの店行って
タコスとブリトーを頼んだら
アボガドソースもサルサも
出てこないから
頭にきて
直前にさいか屋で買った
味噌のパックを取り出して
キュウリにするみたいに
人差し指 ....
ねえ、あたしを呼んだ?
あたしが呼んだのかしら
サキソホンが泣いてるわ
舌たらずなため息のせい
あたしが呼んだのかしら
ねえ、あたしを呼んだ?
あなたに
抱かれたことが
何にかの糧になるだろうと
思っていた
でも
ちがったね
何にもならないから
いいのね
役に立つ恋愛なんて
信じられないものね
{引用= ――はるな「桃のこと」に寄せて}
桃を剥く
なるたけ薄く
しゅるしゅると
あなたを剥く
透明な肉
最初に
いだかれた痛み
それ ....
夜の森は怖い
手入れされた花壇の植物は怖くない
花瓶の花は才能のない画家がデッサンの練習に使っている
アスファルトを突き破って出てくる双葉に村人は勇気をもらう
地球にやさし ....
僕に証明書を
早くくれ
市役所でもらえる
あれじゃなくて
頭のなかで笑っている奴の正体を
あばいて欲しいんだ
風が吹くとやって来る影が怖いんだ
僕のとなりで寝ているものが人間だと ....
手鏡に映るわたしは、
媚びた笑顔を貼り付けて、
片想いの彼に振り向いてもらうための練習をしていた
プリクラに写るわたしは
美白と睫を盛る効果で
タレントみたいに可愛くなって、笑っていた
....
110803
ベークライトボディーと避暑にいったよ
荒唐無稽な真空管が
二人三脚で躓きそうに駆けだした
蒸し暑い夜になっても
蚊取り線香の煙が棚引 ....
鋭い痛みが走る
きつく押さえた指の間から
血が流れていく
ポタポタと落ちて
流しに広がる
息をのんで立ちすくむ
いったいどれほど切ったのか
怖くて見られない
ニンジンを見つめた ....
さわってもいいけれど
そこにはないよ
僕の手にも
やせた胸にも
ズボンの下にも
さわってもいいけれど
つたえられない
書いたっていいけ ....
子どもをなくしても
家庭をとびだしても
母をおしまいにはできないように
わたしはわたしで
きみはきみだ
喧騒の代わりに塩害があって
行き交う誰もが挨拶をする
雄大でちいさい生活に
わた ....
夏の風が呼んでいる
遙かなる草原の向こうで
草原の緑のさざめきは
どこへ導こうとしているのか
誘われるままに
草原をずんずん進んで行くと
やがて目も覚めるような黄金郷
神殿に祈りを捧 ....
雨が降って
図書館は水びたし
人々は閲覧室で
「メディアは戦争に」
「どうかかわってきたか」
議論する
花風がカーテンを揺らしていく。小刻みに空の青さが変化していく。庭にはまき水をした形は残っていない。木々と花々の境界線の弱弱しさ、視覚から萎れかかるものが消えていく。雲は夕立の前触れだ ....
セミ
かと思ったらエビ
枝にたくさんの甲殻類が
困っている
あさおきて、かおをあらって、ごはんをたべて、それからがっこうへいきました……
そこでもう、ただ鉛筆を舐めている。その先へは進めない。
楽しかったことや、辛かったことも書いたらいい、と先生。
やす ....
葬式のことをかんがえてる
僕の死んだ後を考えてる
死んだ後は
どうなるんだろう
魂は他人がもっていくんだ
自分はどうなるんだ
自分の続き
自分が終わるって
結局どういう ....
かあちゃんが
もうこれいじょうは
酒を飲んじゃならねえと言って泣く
とおちゃんが
いてえいてえと言って
時々真顔で俺を見て泣く
外は雪が降りしきる
ここ何年か
止んでるのを ....
色々な花を咲かせたいのだ
何もない この 土地に
瞳の向こうに広がっていた
時の中で きっと 僕の 忘れた 日々が
だけど それは 何故だろう
時の中で
僕は 夢を 思っていた ....
木立ちを仰げば見える
無数の青空の断片
見捨てられたと思っていた
ずっとずっとそう思っていた
視界いっぱいの青空に
迷うことなく走り寄る
青空に抱擁される
感覚は取り戻されるだろ ....
僕の中に言葉がある
僕の中に叫びたい言葉がある
僕の中にあなたに叫びたい言葉がある
僕の中に愛するあなたに叫びたい言葉がある
僕の中で言葉が渦書く
僕の中で伝えたい言葉が渦巻く
僕の中 ....
ゆめがあるかないかで
ゆめのかちを
はかることができました
おかねがあるかないかで
ゆめのかちは
はかることはできませんでした
ゆめはいったい
どこにあるのでしょう
....
電車がトンネルに入ると
車窓が黒い鏡になってしまった
深海の底をたどるように
てのひらをあたためる
ぼくは世界を見つめている
こころの闇なんか信じていない
ぼく ....
何もないと言っておく
何も持たないふりをする
なにももたずにえんやこら
何も持てなくなっていく
嘘を本当に変えていく
だめなあんたの手口だね
いいのよ あたしは信じ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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