食の安全
以前に
ものを食う
ということ自体に
すでにリスクあるんだよ
殺しているわけだから
食肉業者に肉を切り分けてもらい
これは安全ですと
一生を保証されるほど
人間 ....
虹が美しいのは
雨のあとだから
虹が美しいのは
光の さしこみ
すると
虹に向かう力は
その盾は
どちらさまの
しわざなの?
広島はいつも晴れ
八月六日 ....
題名が長いと
目につきやすいでしょ
それだけよ、それだけ
現にホラッ
あなた、読んでるじゃない
そう、そう
あなたの言う通り
何の意味もないわ
題名ともまったく関係ないし
無駄よ、時 ....
子宮ではなかったという。
母でないものから生まれたということだった。
私たちはかつて男の一部を削られて
この世に生を享けたと
せんせい、ではこの器官は誰の名残りなのですか。
....
?
土砂降りの雨の中
子猫に出会った
フワフワの子猫が
見る影もない姿になって
水たまりに横たわっている
四肢を投げ出して
濡れた毛のかたまりとなって
「ネコちゃん?」
....
古い人体解剖図
の中の男に
愛をささやかれる
姉の腹が膨らんでいく
膨らみはじめて
もう二十年になる
触ると暖かく
耳をあてると
なにかが聞こえる
まるで気球のよう
というわけで
針を用意してある
まず一人が吟味し
一人が定義し
それから一人が名を付け
最後に一人が宣言した
そのようにして
すべてが台無しになってしまった場所で
扇風機が回っていた
....
ないものは見えない
あたしがもっていないものは
はじめから見えないんだ
空は見える
あなたの姿も見える
あなたがそばにいるのも見えるよ
あたし自身は見えないけど
両の腕で
触れ ....
海の想いを平面図にすると水平線は出来上がる。音もなく日が昇り日が沈む。超小な姿は大きな船だ。角度は180度。波頭がときおり白い笑顔を見せる。二つの目だけでは平面図の全てを包み込めない ....
時間(とき)のせせらぎにきらめく切なさ
伝えきれない想いを乗せ 彼岸のあなたへ流れてゆく
闇を散らしたのは一輪の紅の花
空が明ける様に あなたのひとひらが心に触れ
わたしを救ったの
....
大きな木には、神様が住んでいる。と、
子どもの耳が憶えている。
木肌に、耳をつけて、
神様の声をきく。
そうやって一度だけ、
神様の声を、聞いたことがある。
言葉はわからない。ただ、
水 ....
守りたいのはただ一つ
君の笑顔、だよ
悲しみも喜びも分け合って
一緒に歩いていこう
明けない夜はないから
安心してね
君が闇に紛れてしまっても
絶対僕が見つるよ
強くなくていい ....
違ったばかりの現実の
まだ塞がらないきず
やたらとぶっつけたくなる
せめてのムシャクシャが
どっか頭の中通り抜けて痛みを残す
どっかの誰かが通り抜ける
昼前の繁華街に
ナイフだけで武 ....
風林火山のごとく
誰にも知られず家を飛び出したわたしたちは
しばらくおびえながら暮らし
酷暑の陽炎 むしばまれつつ
いまに至っている
洗濯もの 干してたら綿毛の種がとまる ふわり ....
猫のいる角曲がる
冷たいバス一台
靴履いて踊る
カード屋の店主
寝転んだまま
樹林は日曜日
歯ぎしりを忘れて
ずっと待っていた
壁の入ったビン
3つだけもらった
赤い流体
....
半分だけ寝ぼけて
ぶらぶら生きてるうちに
何もかも嘘だらけに見えてきちまったのさ
時々いい気分で信じてた嘘が
だんだん姿を見せなくなったんだ
でもよー
誰かは信じてなきゃ
くたび ....
蛍光色の空を
眺める
鳥の目も
蛍光色で
そこからしみだした色が
鳥の身体を伝い
なんだかいろんなものを
蛍光色に染め上げる
鳥はあわてて
蛍光色をついばむけれど
色とともに崩 ....
きみは、
自分勝手なきみは、
いつもわたしのかばんに荷物をつめこむ
わたしは、
わたしを形成するものたちは、
いつも肩身狭そうにちぢこまっている
よるは、
くろい色したよるは ....
お金を無くした
名も知らない街で
私は 一人で
何をするべきなのかと思っていた
緑の花壇を見た
花を 覚えていない
自分だけは確かだった
何もない 心で
荒野にときどき吹く風がある
代わりを求めても仕方がないのに
荒野にありもしない花を探している
荒野にときどき吹く風がある
お花屋さんの冷蔵庫の匂いがする
さわやかな湿った ....
あつくこく
たかぶりゆく盛夏
うごめき
上昇気分
厚く濃いこの空気の中ひそやかに
偏在しているエアポケット
ひとり
静寂の中にとりこまれて
ぽたりと汗のひとしずく
....
此の肌
白く
夜にだけ
光る
その黒さと
対をなす
蜜のオセロ
純粋な目をして
花の匂いを
纏いましょう
焼けた風を
掴んで
呑んだ
何からも
自由になれるように
中 ....
デイサービスに初出勤の日
助手で乗った送迎車の窓外に
前の職場の老人ホームを去る時
手を握りあったお婆さんが散歩道で
杖をつき、せっせと坂を上っていた
( 僕も、新たな日々の坂 ....
「人生は、まさかという名の坂がある」
ある日、同僚は言った。
愛する{ルビ女=ひと}と結ばれた僕は
30年住んだ実家を出て
12年詩を朗読していた店が閉まり
10年働いた職場か ....
「どこにいる?」
誰のしわざだろう
(どこにいる?)
有限のたましい
絶対音感の人の指先が
たくさんのたましいの呻りで
にごってゆく
そのとわの中で
その
と ....
八年まえのおとといに行くと
そこはパラレルワールドで
八年まえのおとといそのものではなかった
すこしちがうおまえが車を降りて
ぼくのマンションに入っていった
ごくあたりま ....
独りになりたくて
そんな夜があって
そんな夜には
鏡越しに見える現はいらなくて
吐き出す術をも知らずにいて
まるで深い井戸の闇から
遠く彼の空の幻を見ているようで
人 ....
オナニー、それは甘く
シコシコッ
オナニー、それは強く
シコシコッ
オナニー、それは激しく
シコシコッ
オナニー、それはすばやく(ばれな ....
○電車――走る匣体。棺。中には死人が詰まっていてぼくたちはホームと電車の隙間の21mmを各々の足で越えることで死と生を繰り返す。
○ポニーテールの幼女――黒のギンガムチェックのワンピースに黒 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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