この男
牛車の番人にして
我詩人と名乗る
牛は立ち止まり
男は押し引きするが
びくともせず
飼い葉を与えれば
食い尽くし動かず
流行りの歌を唄えば
聴き入り眠 ....
素直によが明けて 本当の朝を新しい風が連れてくる
外へ出て 足下には影がうしろへと伸びる
いつも旨いことしてこようとしてきたと思う
ふとした時々に 忘れものが ある
それが思い出せないこと ....
タクシーの車窓から…
慣れ親しんだこの街を出る
バックパックには
使い古したメモ帳
何の気無しに横たわる筆記具達
暗さを彩る子供染みたお菓子達
……
大した物は無い
何だか馴染 ....
今日も太陽は僕らを照らす
それは第一声から始まり
僕らは走り出す
流れる街を横目に
意気揚々と飛び出したのも束の間
嫌気がさして早々に棄権する仲間がいる
悪く言う奴もいるけど
ア ....
そうだ
禁煙なんだ
脳が気持ちよかっただけなんだから
魂ではなかったんだから
禁煙なんだから
生きているあいだ
ずっと
禁煙できてるひとなんか
いっぱい ....
手紙の花
咲いては咲き
見えなくなる
花の花のなか
山すその音
読めない文字の
背を伝う音
すぐに 冬が来る
蒼に臥したまま
朝が来ていた
盲目の昼 ....
薔薇色が
咲くべき場所は
薔薇のなかだから
薔薇色に
飽きたければ
薔薇として咲き誇りなさい
深紅の香も
深紅の刺も
深紅の愛も
深紅の涙も
嬉々として示しなさい
....
きらきらひかる
ほしをさがした
ありがとう
わすれてないよ
こうして
あたたかいてを
うばわなかった
おほしさまは
ふりそそぐ
なかないで、
暦は秋に変わっても 空気は蒸し暑さを残していた
遠くで蝉が
近くでコオロギが啼く
時計の針が かしゃり かしゃり
普段は気にならない音が 勘に障る
暑くて 煩くて 眠れない
....
菜の花畑
咲きさかり
やまぶき色とみどり色
そよ風と土のかおり
織りあわされる
やわらかな茎の
なかほどで
てんとう虫は
僅かのあいだ
同朋の仔を
確かに見守る
てんとう ....
それはいつもとおなじ散歩道
いつもとおなじ日曜日の
気だるい午後に
わたしは、
歩いているわたしの背中を
見つけてしまった
(あれはもうひとりのわたし?
それともいつもの白昼夢?
....
かくのうようきのなかで
おばけをぞうしょくさせた
おばけは
ふのエネルギーで
わたしたちのくらしを
うるおした
しかし
おばけたちはにげだした
かくのうようきを
....
どうか
俺が殺したネズミが
来世でミッキーマウスになれますように
ナムアミダブツ ナムアミダブツ
傷つくのなんか
こわくなかった
でもあなたにさわれば
あなたが損なわれそうで
傷つくのなんて
こわくなかった
でもきみにさわれば
きみが損なわれそうで
うそをつ ....
大道芸人が見た風景
自分の名も忘れた浮浪者か それとも今の暮らしに落ち着くか
恐らく成れの果ては せいぜいそんなところだろう
いつか絶対に 目を覚まさないといけない時が来る
期間限定の夢を ....
追加の勘定を弾ませて帰る還り道。
黒ずんだ木の隙間から
偽者のような、嘘のような小動物。
伺い知れないでいるのは
どことどこの
どちら様だろうか。
挨拶を証明するような時期は
と ....
月のきれいな公園で
偽物の手品師が
偽物の練習をする
隣のブランコでは
飼い猫が眠っている
昔から偽物だから
何も出せないし
何も消せない
しかも猫すら
なついてくれな ....
花満ちる丘 風見守る下で
永遠の誓い あなたに囁く
明日が見えなくて
押し潰されそうな日々
自分さえ信じられない
凍てつく心を
そっと抱き締めてくれたね
信じれば 織り成せる ....
愛の可視化?
そんなもののために君を抱いたんじゃない
同じ海 同じ空
同じ愛 違う人
流れに逆らう様には待てはしない
完璧な空間 完璧な時間
流れに逆らう様には待てはしない
同じ距離 同じ質量
同じ愛 違う人
....
{画像=110911183602.jpg}
心を写す鏡のようだ
朝のsoraを見てそう思った
自分の心持ちが分かるような気した
元気がある時
後ろ向きな時
強い時
弱い時
so ....
お前の頭の中はスポンジ穴だらけ
瞳孔がひらいて
よだれたらして
ヘラヘラ笑いっぱなしで
隔離隔離隔離隔離隔離病棟
人類みな人類みな不平等
....
{引用= 銀色のスーツを身に纏った男が浜辺でギターの
死体を検分している。場違いなセンチメントが、
五十六種類ほど波間に明滅しているが、男は勿論
意に介さない。鉄の壁。ク ....
私は必要ですか
私はだれかにとって
そうです
というこたえがほしい
意味を知りたい
いつかのために生きるのではなく
だれもが知りたいこの言葉を
声にならない声で叫ぶ
いつものエスカレーター
朝の陽の中、目の前で
細い髪が揺れる
思わず手を伸ばして
触れてしまいそうになる
記憶が輪廻する
九月最初の日
通勤客の人の波
蓮の花のように ....
君の眼はいつも遠くをさまよっている
夢の中を旋回するように生きる君の日常
その頃僕は断頭台の上で道化を演じるんだ
そんなの誰も見ていなくてね
すると君に手をひかれていくみたいに
遠く 遠くな ....
過ぎ去る匂い
置く光
地と地の無音
指ひたす空
はじまりの水
灰と青の花
影の無い道
陽の無い朝
どの曲がり角にも
人は居ない
曇と足音
曇と足音 ....
あの日
世界が一様に
劣等感を持った
でなければ911以降
あれほどの性急な
清濁の認め合いは
なかったんじゃないか
あの日
世界が一様に
....
空港のインフォメーションを知らせる音がする
人生はひとつの感傷旅行のようなものだ
ぼくは何処へも行きたくなかった
みんな普通に歩いている
それが羨ましくて淋しかった
ぼく ....
私は無力です。
私は無意味です。
私は透明で空っぽです。
まるで生きていないみたいに。
― みんな、似たようなもんさ。
『ホイミ』
・
休日の ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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