膝をついて
頭(こうべ)を垂れて
祈る姿勢で打ち拉がれて
水なんて飲んではだめ
小さなキスを送りましょう
乾いた土のような皮膚が、崩れない程度にそっと
お母さんが死んだからって ....
沈みゆく夕陽の
叫びにも似た紅緋色
世界を燃やし尽くすように染めていく
心の渇望は際限なく
乾いた土が水を欲しがるように
あなたの言葉に耳を傾ける
わたしの葛藤は……
ざわめく言 ....
わたしの生まれた国には
四季があります
春 桜舞う
人優しく笑い
肩にかかった 花びらはらりと払う
門出の時 別れの時
感極まって 涙する人よ
夏 蝉時雨
突然の夕立に ....
ぴったり身を寄せ合った 納豆の一群れ
豆たちが落ち着くまで 箸でかき混ぜかき混ぜ
必ず偶数になるよう 持ち上げて口へ運ぶ
母子 母子
一組も 引き離されてはならないと
妙なことを思って 偶数 ....
君が望む通りの答えを全て用意してあげることがやさしさとは言わない
いくつもの選択肢を用意して答えを見つけてもらうことそれこそがやさしさ
例えば君は生まれてから一度もやさしさと出会ったこ ....
先入りの名付け親達。
造られ半分、何かが欠けていく気がしていた。
絆創膏が、絆創膏ではなくなった日から
どことなく世界が
意気地なしになったような気がしている。
育児を失くした名付け ....
人生なんて
偶然と気まぐれでできている
人間は愛と欲望
運命は 神の悪戯とため息
複雑にしているのは人間なんだ
眼を凝らしてみれば
単純な線描写の世界が
広 ....
我々は朝まで押し黙る。壁の朽ちた食品工場に蔓延る黴の群れとして。投げ込まれた石が薄暗く音を立てる霧の湖として。黒ずくめの(発光して燃えているようなもの)に、孤児のずぶ濡れた(双眼鏡)に、深く沈んだ調子 ....
窓のそば夢見る少女一人立つ
精神を病んだ少女の見る夢は
幸せな普通の家庭手に入れる
そんな子を心配そうに母は見る
社会から隔絶してでも守り抜く
歳月が立っても少女は少女のまま
苛立と焦 ....
ピュイ、ピュイと鳥が鳴く
大潮の時の潮の薫り
夏に空から降る笹の音
雨降る前の土の薫り
田んぼからする謎の音
思い出すとすべてが美しかったのだと思う
猫の通り道
トカゲの消えた石 ....
冬の浜辺の
一本の髪の毛を
さびしさ
と、読んだあなたの
ほんとうの名や
構成物などを
とんと知らぬぼくを、
つぎの光が
....
何時も通りの喧騒と猥雑の中で
デスメタルを聴きながら自分なりのラブストーリーを綴る
小さな手帳を覗き込む君には聞こえない音量を保ちつつ
何時も通りの喧騒と猥雑の中で
デスメタル ....
肩上から指先にむかってながれる一本(くだ)を
ふき こすり たたけば
装置はあやしく
黄昏もする
段々畑にくみあがる椅子に 沈み
ホールそのもの
の
しずくのような響体構造が 浮く
....
きみの横顔が
僕に似てきたって
ママがいうから
そうかなと思って
眺めていると
僕の視線に気づいたきみは
無言で
遠くの方を指さして
窓から見える
小さな湾を指さして
いつ ....
君と暮らす。
寝起き髪を梳き。
まどろむ10分。
君と暮らす。
欠伸の数を数えて。
駅まで歩く20分。
君と暮らす。
曇るナイフを引いた。
食事する間の30分。
君と暮ら ....
道端に 血溜りがある
猫の仔でも轢かれたのか
血溜りがある
街灯が ぽつぽつと灯る
さびしい通りに 風が吹く
ふと 生臭く感じて
しばらく息を止めていると
虚しいよう ....
捨てた 思い
無数の 数の 疲れ
私は 疲れた
自分を 捨てた
人など 疲れた
沸き上がる 雲
釣り人の シルエット
言葉もなく 私は 立とう
愛も 夢も 持たずに
生きていくの ....
悩んで
迷って
ぐるぐる ぐるぐる
でも結局なんにも捨てられない
なら
楽しんじゃえばいいじゃん
ぜんぶまぜちゃうジュースみたいに
そのうちきっと
お腹ん中で消化されるでしょ
....
前に出る
その一歩に躊躇している
エスカレータは音もなく上ってくる
そして何事もなかったように下りていく
一瞬だけ誰にも気づかれず
時間の中に取り残されていくものがある
思いの難し ....
涙がにじんであなたの姿がよく見えないよ
そんな悲しさに
うらびれた街角で日を過ごした
涙の向こうに飛び立て
自分の心を確認したなら
僕の送る愛のメッセージ
ほんとの悲しみを知ったなら
い ....
秋の風がやってきて
酸素をたっぷり運んできたので
僕はなんとか息をもちなおしたのだった
空は高くなったので
僕の周りの空間も広がった
圧迫と窒息からまぬがれて
今またわずかに力を回 ....
夜のひと
街角で下を向き、
誰だかわからないひとを待っている。
夜のひと
あなたはネオンを浴びてピンク色に輝く。
夜のひと
せめて今夜だけ
せめて今夜だけでもと
毎日のように。 ....
夕御飯は味噌汁にメザシ三匹ぐらいがちょうどいい
これは誰かが言ったこと
人生も此れくらいがちょうどいい 。
朝飯はパンにミルクコーヒーで仕事に向かう
物足りなさがちょうどいい ....
貝殻がそっと窓を開けた
午前四時の瑠璃
西の空見上げれば
遥か遠くから駆けてくる乙女たち
闇に燃えつきて
追いかければ風に消えた金の髪
凍りつくような蹄の音
(輝いた)視線に薄 ....
{引用=秋空に寄りかかる鱗雲が
開け放たれた海の際までずり落ちて
きみが咳込みながらズボンを降ろすのを見ていた
秘め事はスライドガラスに貼り付けて
食べきったトマトの缶に詰めてある
きみと
....
あかるい夜の
かなしい部分が
ループする
いのりは届かず
夜はいよいよ
のびきって
かわいた言葉が
なげ出されるころ
しらじらしい
いたみが
部屋の明暗を
分けていく
....
その声でいくら呼んでも
けして届くことはない
ここは夢の中だ
有限な大きさの球体に追われても
濃くなる暗闇に突き落とされても
肥大した意識の中に閉じ込められても
けして声を上げてはいけ ....
根本原因 原初形 相似形 相違形
ありとあらゆる可能の萌芽
ありとあらゆる不能の萌芽
回路 神経 系統樹 個体性
回路 神経 系統樹 総体性
双性生殖 細胞分裂
....
心が行き場をなくしたアリみたい
気持ちは飛び跳ねるノミみたい
言葉は風に翻るチョウみたい
僕の目は降水確率120%の空みたい
失くしたものを水平線まで追いかけて
海の上を走って 空の ....
秋夜長
あばばばば
厳めしき隣家の親父の孫あやす
馬鹿くさき猫撫で声の懐かしさ
そは日暮れ
秋刀魚焼く家を過ぎし時
我が胸をも焦がしし寂寥よ
そは薄暮
子らの絶えたるグランドに
天の ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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