まむれくし。
と、
きみが発話し、
鋏をいれたばかりの
あたらしい、
きみの
栗色をした髪と
まむれくし。
と、
震えた空 ....
宇宙が
じっとこちらを見つめる夜
惹かれあいたがっている
わたしよりもきっと
歯磨き粉のほうがさびしい
あきらめてみる
たとえばわたしでいることをあきらめてみる
すると亡くなった母のこととか
ひとりぼっちの寂しさとか
なんだかふぅっと身軽になれて
お線香のくゆりは相変わらず苦手 ....
ありふれた言葉が好きだ
使い慣れた工具のように
なんだって 作れるから
人を切り裂くような刃も、包み込むような温もりも、
言葉の鉱石を鍛え 糸を縫い合わせて
この手に 携えることが出来る ....
熱帯植物園の温室に
雪が降り積もる
さっきまで君と話をしていた
多分、話をしていた
メリーゴーランドの馬たちが
干し草を食む
クジラが次のバス停を目指して
暗い海を航行する
....
灰色の 空
圧力釜の 蓋
沸きかえる 想い
人々はみんな 煮崩れていった
首を垂らして歩けば
私の影で縁取られた道路が見える
雨上がり、ミミズが這い上がって
そこいら中でダイイング・メッセージ
無性に腹が立って
傘をぶん投げる
私のこと、好きになってくれよ
絶望があるのと同じように
希望も存在する
楽しみが永遠に続かないように
苦しみも永遠に続かない
人生を希望の方向へ
希望の方向へと
向けていきたい
太陽に向かうひまわりのように
....
現実を見ると怖くなるが
それでも羽をばたつかせ浮力を得るんだ
純然たる生き死にへの矛盾は
最後に答えの一部に成ると信じて
忙しそうな街を
60年代のジャズを聴きながら人波に乗る
風の無い街に人は似合わない
行き交いが生む風で人は活きる
その中で私達は生きている
風は吹いているか?
その中で ....
寒さの増す10月
在り来たりな姿勢でベンチに座り私を待つ
白い息を指の隙間から漏らしながら
在り来たりな姿勢でベンチに座り私を待つ
寒さの増す10月
111003
予定調和の気分のままに
あれがマンダラこれがキナコと
笑い出す
ひどいものだね
ツクツクホウシ
ボタンを押したら
お別れねと
9月末には居 ....
今だから言うけどさ
好きだったこと、あるんだぜ
君はいつものようにいたずらっぽい眼をしていうんだ
「へええ。それっていつのこと?」
そうだねそれは
あの日から、昨日まで
昨日までの ....
おい俺いま泣いているのか
薬物に少しおぼれたことのある俺が
今はまったくやっていないだけじゃないか
当たり前の生き方をしているだけじゃないか
だれも褒めてはくれない
....
詩はいつも
死んだように
思いを 無くした
見えない感覚なのだろう
私は 見た
いつも それを
川の 畔に 腰を 下ろして
一人で 見ていた
なぜ それを思う必要が ....
流れゆく季節の中に
打ち捨てられた想い
『 また、逢えるから…… 』
そう言って笑った
君の白い歯
お互いを忘れない
再会を誓い合って
僕らはそれぞれの街へ
帰っていった
距 ....
駅までの15分
キンモクセイの匂いが
日に日に濃くなってゆく
秋の日差しは暖かい
暖かくて気持ちがいい。
3ヵ月なんて嘘みたい
....
友達と遊んで別れてひとりきり
空はとっぷりと日が暮れて
すっかり遅くなった帰り道
お家に帰りたくないよう
きっとお{ルビ継母=かあ}さんに叱られる
きっとお{ルビ継母=かあ}さんは怒って ....
きょうは
新しい空に着がえた
とてもいい日になるだろう
金木犀の風が
雲の影を明るくしている
西も東も
行っても帰っても
道の向こうの山の空の
うすい記憶が
めくれている
....
最近はほとんどの時間を
記憶を食べて過ごす
口に含み
よく噛んで飲み込む
そして、
次の記憶を口に含む
生きているのかどうか
よくわからない
会話して
笑って
そこそこのニュース
それから
それから
罪を犯せば
誰かが泣けば
生きてるって
思えるのかな
愛しても
....
許すな、と鳴く虫がいる
頭の中の虫で
その声は私にしか聞こえず
いつかどこかで聞いた声
誰かの声
問い詰める理詰めの声
誰をどうやって
何をどうして
汚したと壊したと言うのだろ ....
ニンゲンは幸せだ
猛暑の代名詞になることもなく
熱い息をイライラ吐き
しばしば彼らを罵倒する
(やつらは実に暑苦しい
いっそ冬に産まれてくれればいいものを)
ニンゲンは幸せだ
数 ....
なんどもしたね
なりゆきに任せて
なんども死んで
生き返った
しあわせだった
そうと気づかないほどに
天使だった
かつて
世界中に
贈られた
バースデイ
甘いでしょう
アンドロメダ
死角を持っている
キスすること
必要条件はモロー
プラスチック
ミャンマー辺りの
満つ
板46まい
釘まあまあいっぱい
サランラップいっこ
ネジ4つぐらい
蝶番4こ
ドライバー、マイナス、プラス
ガムテープ
のこぎり1こ、みんなで5こ
幸せには
これくらいあれば ....
一角獣 螺子巻時計 自働機械
紙魚 文書 羅列 蛍光
暗幕室 司書 小瓶
放射性物質
収縮 引力 二乗 反比例
距離 放物線 時間 連続縞線
地上 ....
米櫃虫がわれありと叫ぶ
草いきれに身を潜めて
米櫃虫がわれありと叫ぶ
何処へも行けず時計の様な男に背中を刺されて転がる義眼
何処にでもある様な詩を高らかに歌い上げる
....
1限の講義は起きた時には終わっていた
2限の講義は遅刻してまで出たいと思わない
何となく携帯電話をいじっていたら
絶好のタイミングで彼女から着信
出るの早いねってそりゃそうだ
ちょう ....
指の腹で押し潰す頬の、
薄皮一枚先を流れ去る
君はすっかり青ざめてしまって
嘘のような住宅街に漂う金木犀の香りと
ぶら下がる総菜屋のコロッケは
いつだって口論を止めずにいるか ....
2787 2788 2789 2790 2791 2792 2793 2794 2795 2796 2797 2798 2799 2800 2801 2802 2803 2804 2805 2806 2807 2808 2809 2810 2811 2812 2813 2814 2815 2816 2817 2818 2819 2820 2821 2822 2823 2824 2825 2826 2827
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