いつも、いつも思いつくんだあの記憶
遠い日の夕べのかまど
煙の匂い
炎の色
ただの記憶じゃない
デラックスな
ゴージャスな
哀愁の
限り
通り一遍でない
複雑に絡み合った
例えば ....
星が鳴いている
ちいさないのちが鳴いている
何億光年かけて
星は
秋の虫になるの
ちいさないのちが鳴いている
星が鳴いている
おや
朝の電車に 赤いランドセルふたり
姉妹かな,
ホームに残った母親に 手を振っている
柔らかな両手が動く
声にならない 唇の動きと一緒に
よどんだ空気を切りながら
僕 ....
プリオンに冒された脳
新たな脳に書き換えて移植する
一世一代の大手術
私は私でいられるのだろうか
COPYは私 私はCOPY
私は私でいられるのだろうか
生きていれば、時折
苦い薬を飲むような一日がある
目の前を覆う{ルビ靄=もや}のような
掴みどころの無い敵が
心の鏡に映っている
靄の向こうのまっさらな
日々の舞台は、 ....
コンビニの銀行にカードを入れたら
先月よりも数日早く、今月の給料が入っていた
新たな職場に移っても
相変わらずの安月給ではあるが
ATMの画面に増えた金額を見た時
今迄とは違う ....
心に棘の刺さった時は
真綿のように包んで
黙って何処かへ流れゆく
雲の旅人になろう
あの空から地上を見れば
大きな荷物を背負った人も
小さい蟻に見えるだろう
あの空 ....
さくほ のざらし せに まいわき
みおり みずお くらり めにおつ
んゆらま こひ えあぶり しずき
むつて たかれ おりもひ すずろ
ぬかるむ つのり けしのむ さち
ゆむひ もる ....
どこかの飼い猫みたいな男が
知らんぷりして
去っていく。
「あの子が欲しい。」
いびつな骨がコートを着て、
耳に残る、首輪の鈴の音だけを追ってしまう。 ....
わからなくていいことが
多すぎる気がする
わかったふりするだけで
一日が終わる
ふる首よりも
うなずくほうが楽でしょ
異論唱えて空気変われば
どっちへぶつかるか
予想できない
....
番になれなかった蝶々結びがひとつ。
咽の頭が
ひとつふたつ飛び出して
あてのない渇きを訴えている。
共に立ちえない辺の先が
行方知れずになりたいと訴えかけてきた。
叶わない全体 ....
糸を巻く手を止めてはいけない
私ができる唯一のこと
糸を巻く手を止めてはいけない
金のために食うために
糸を巻く手を止めてはいけない
自分に呼吸を許すため
糸を ....
今日も、仕事帰りに、
鈴本へ行った。
もう中入りで、締め切りの看板が出ていたけれど、
おばちゃんに、立ち見でもいいと言ったら、
まだ席が4つあるけど、割引はなしね、と入れてくれた。
小三 ....
廃園なんてない
庭はいつもそこにある
木の国
虫の国
蟻の国
幾つにも幾重にもひとつに
空のもと
風の中
ひとがいなくても
いなくなっても
おかえりという言葉が
時々 ....
夜を吸わないでいると 朝を吐きだせないので
重いまぶたをつりあげて 寂漠のけむりを一本 くわえています
やぶれた羽根 まだ鳴き止まない
みえないおもりを突き刺して
透明な視界のうらが ....
役割を終えた蝉は
ジリジリと焼け付くアスファルトの上で
天仰ぎ、横たわる
蟻はその命を繋ぐため
ワラワラと死骸に上りくる
それが自然の摂理よ
今も昔も変わらず繰り返される
生 ....
低いベッド
壊れた水平線を
修復する
年老いた水夫
子どもたちは
遊びまわる
紐状のもので
いたるところで
フェンスの中に
迷い込んだ
夏の蟻が
....
俎板に
茄子があるのを
きみはじっと見ている
ぼくの
右の掌のうえで
きみの
ながい髪が
穏やかにきらめく
素晴らしい午後
....
はじまりの舟 今漕ぎ出す
それぞれの意思 繋ぎ合わせて
荒ぶる魂たちが集う 決意の空よ
澄み渡る青色は 純粋(すなお)さの証
描く未来は同じなれど
ぶつかり合う想い 譲り合えぬ野分の ....
血まみれたチェーンソーを手に
キラリと笑うきみ
カワイイね
絵になるね
総理大臣の指を断ち
大統領の首をとばした
血まみれたチェーンソー
....
乾き始めた体が
今 欲するのは
貴女と云う名の海
ただ 名も無い
いまの“わたし”では
ただ 同じと
海鳥が鳴いた
ボクとキミとの共通因子だからと言って
皮かむりで括られてしまうのは心外だ
同じ括弧の中にいても
キミとは上手くやっていけそうもないもの
ましてやボクとキミとを足したって
2ポコチンになりはし ....
そうやって大切な「もの」を失ってゆく
失ってゆくのはいつも「もの」だ
ぼくが「もの」にしてしまった「もの」なのだ
年甲斐もなくSMに溺れたのは
二十も離れた女と
ふた ....
ひるまの電車はがらがらで
まるでちがう人生みたいな顔をする
はれていて
あかるくて
がらがらで
まるで
ちがう人生に乗り込んだみたいな
わたしが
わたしだって
だれも ....
ボックス席のような芝生に
投げ出された四本の裸足
滑って行く
青い単線
わたしたちを吸い込む
白い山々
爆破寸前の
たっぷりとした夏
見上げた
網棚の
麦わら帽子のなかは宇 ....
村に晩年は無かった。
母の喪服
「科学だ。」
「つまりは科学なんだよ。」
喪服は飛ばない。
飛行機はいない。
「プランク定数」
「量子力学?」
だから飛ばない、そういう科学だった、 ....
さて あのすすり泣き
深夜不気味な静寂の中
心の中を踏みにじる
遠吠えのような鳴き声と
嗚咽を漏らしたすすり泣き
寝静まった街の中
街路樹に風 だけがざわざわと
聞こえぬふり ....
とうめい/だった
―.
透明だった、でも紛れなかった
やわらかさを感じて、温度がある事を知った
それぞれが違う形をしていて
それでも丸みを保っていた
誰か、が
誰か ....
いつもの景色を傾けて
いつも置き去りの気持ちは 時々 やはり うずく
さよなら を 何度 経験しても
痛みに強くはなれなさそうだ
言葉があって よかったと思う
感じ ....
白い 世界を 見ていた
疲れた 思いの中で
君は 走った
いつも 誰かと 一緒にいた
君はあそこまで 行くのだろう
白い 煙が 立ち上っていた
私には 何もわからない
見てい ....
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