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『もう、今日は沈んでいけ。』
同じ日々を僕がぬけた時
君がみせたのは笑顔だけだったね。
あの夜をこえないで
今も君はずっとそこにいる。
(君の、背中に、ひそむインソムニ ....
女の子が産まれたら
愛子という名前はつけない
愛という字を
書き慣れてほしくないから
女の子が産まれたら
しのぶという名前はつけない
耐えしのぶなら
逃げてしまいなさいと教えたいから ....
満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ
だいだい色の満月
あたたかさ ....
春も夏も秋も冬も
いつからか色をうしなって
ただ繰り返していた日々
遠すぎる空のむこうで
ぼくの声もぼくの体も
いまはもう誰のものでもなくて
誰のものでもないぼくを
まぁるい月が照ら ....
そこここあそこなたでここ
かむかむしかくいなたでここ
ちずをひろげてそこなたでここ
ころころさかをなたでここ
さてはてどこだなたでここ
ことことささやくなたでここ
....
こよい 空は銀の帯をすべらせ
欠け月を髪に飾る
{ルビ鞣=なめ}された夜の下で
仄かに光りながら伸びる翡翠の茎
その先端に やがて冠のように開く
月光を凝らした白い花
ひとしずくの涙を ....
街を包む 夜の翼よ
夢のない眠りへ 連れて行け
街を照らす 月の明かりよ
行き場のない者にも 安らぎを
街を駆ける 夜明けの風よ
生まれたての歌を 届けにゆけ
風に揺れる 木々 ....
1997年東京都港区
写真の題名はただそれだけだった
あの頃東京に住んでいた
写真に切り取られた街
あの頃の自分の
横顔や肩を幻視していた
清純だったけれど
....
今日も中空に月がある。
明日も少し形を変え
きっと家路の上にある。
月があったこと
気付かず
帰った昨日。
君の笑顔追いかけて。
十五夜は陳腐な満月だった
十三夜のいびつさのほうが
なん倍も美しいフォルムだった
ひとはひとに
求め過ぎる生き物だ
それもたぶん
何かの物まねだろう
....
25時30分
ねむれないんだ
僕のこころが
うるさくて
君に会いたいって
いつまでも
泣いてるんだ
よのはて よのはて よるのはて
倒壊したてのビルディング
折り重なった瓦礫の都市は
ジャングルジムを失って
広くて高くなった空
朝は来ないが夜は過ぎ
....
まず起きたら
顔を洗い
歯をみがき
ひげをそる
コーヒー飲んで
新聞読んで
パン食べて
テレビ見る
皿を洗い
庭掃除
ドライヤーかけて
鍵かけて
行って参ります!
....
もう失うものなんてない
ただ貴方だけ
沈黙の毎日
死んだようだ。
メリーゴーランドは
回る回る。
世の中は回る。
立ち止まったままの僕
詩人になった僕
目標を失った僕
只息 ....
老いぼれたオイラには
女はよりつかない。
三谷幸喜みたいに濃いキャラ
ダニのようにしつこい。
人間サンドバックと言われ
人に粗末に扱われ
3Kを喜んで行い。
約束をすっぽかされる。
....
ピアノの弦は無数の弓となって
オオカミの唸り声を駆逐する
ひらりくるり
かれはおちてきて
ふみつける意志もなく
ふみつける
じゃかり
ひとりで生きているようで
ほんとうはひとりで生きていない
しかしそれは
じぶんの意志とはまったくむかんけいの ....
品川のホテルに泊まった
行き詰まると、ときどき、
安いビジネスホテルに泊まる
もてなされている感じが、癒される
「癒される」なんて言葉、
いま初めて使ってみました。
ホテルの一階のレス ....
我ら、片腕を失った戦士
我ら、片腕を失った詩人
我ら、両腕を捧げた創作人
激痛を伴う言葉の雨が止まない
無くした腕が軋む、書け、叫べと我らに訴えかける
血だらけの掌で抱きついて持たれ ....
封筒を買いに行く
各駅で二駅
なにもない街に
とうめいな街に
封筒を買いに
最近の僕らは
いたずらに言葉をついやし
いたずらに歩きまわ ....
群れからはぐれたのだろうか
一頭のキリンが
丸の内のオフィス街を歩いていた
時々街路樹の葉を食べながら
それでもなるべく目立たないように
歩道の端の方を歩いていた
郵便ポストを見つ ....
逆らいたいのに
敗訴、
愛想、
で
棚から大賞
ポチっと
ボタンを押したのち、
もちもち
ねばって
独りぼっちに
なれない
ぼっち
あやまち気味に
....
アスファルトの
無音の
道路をいく
熱風が
絡まって
空の色が
濃くなっていく
青いワンピースの
少女が
かけていくのが見える
くたばりやがれ!
ゴミ野郎!
振り向 ....
おやすみ、あなたの黒髪にまだ青い葉をからませ
おやすみ、蔦は赤く、赤く血の色のよう
あなたの血のように赤く 私の血のように赤い
蔦を体に這わせ 木の葉の雨の降りしきるなか
そっと夢みる ....
一寸先も見えない
闇の中に立っている
目の前が崖かも知れぬ
そんな状況で足がすくむ
手探りで前に進もうと
思えど手に触れる
壁すらもない
気付くと自問自答が
始まっていた
....
来ない
夢の中のお話
*
大工の父親と過保護な母親のもとで
昭和のもやしっことして育ち
筋骨隆々な親父とくらべ
まるでビッケのような様子で
いや ビッケから勇気と ....
騙されるな
こいつはただ喋りたいだけだ
こいつに内容なんかない
こいつに、無い夜は無いように、
暗黒と暗黒の重なり、その間で挟んで
吸い込んで殺すの、ワールド機械でしかない
静かにコーヒー ....
あいたい
ゆきあいの空に
あさひのまえに 家を出た
やけに 赤い 朝日だった
ゆきあいの空は
季節が ゆきあう空だという
北に向けて クルマをはしらせれば そのうち ....
生きることを忘れた
時の中で
夢を見ていたのかもしれない
それとも見ようとしていたのか
わからないけれど
この世界は 急ぎすぎた
先の 見えない 人生の中で
どこに 焦って
私は ....
5秒
1時間4秒
9分31秒
2秒
6分
3時間17分56秒
42分
8秒
3分59秒
....
2777 2778 2779 2780 2781 2782 2783 2784 2785 2786 2787 2788 2789 2790 2791 2792 2793 2794 2795 2796 2797 2798 2799 2800 2801 2802 2803 2804 2805 2806 2807 2808 2809 2810 2811 2812 2813 2814 2815 2816 2817
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