1.夢のあわいにて
ホームベーカリーだけが
空虚をこねている午前4時
退屈した彗星が
1.5人分の足首をまたいでいく
死にゆくものたちが膨らませる
気球にのってそれを追いかけた ....
世界が暗いので、相対的に私は明るい
雨だ。一弦を鳴らし、
耳に少し明るすぎる音を確かめて、
朝はもっと暗くあろうと努める
そうしないと、不理解が空を覆い尽くしてしまいそうでしょう
....
淡々 降り続ける雨、朝の
しずかさ 穿ち
すぅと冷気孕み
規則正しく輪を広げる路面の水溜まり
いくつも、いくつも 遠去かり近づき
急ぎ歩く人、また人
揺れる傘の群れから水滴は落ち
....
世界の総人口が
八十億人に増えたのは
あの世からこの世に
逃げ出す人が
増えているからだよ
世界の総人口は
二百年前の六倍になった
しかも直近の四十年では
二倍に急上昇しており
....
生きたい生きたい
死にたい死にたい
何か満足する度に
死にたくなっちゃうよ
ここで終わらしゃキレイだと
思ってしまうのよ
でも私の体が言うことを
ぜんぜん聞かなくて
食っては飲んで
....
積もり(の)
桃(の)
{ルビ舞踏=Tanz}(こそ)
檻(だった)
{ルビ芋=pomme de terre}(的な)
{ルビ庵=iori}
遂に
....
まぢかに雨の感じる夜
屋根がある
布団がある
申し訳ない気もちになる
雨の強い音が心をうがつ
やむにやまれず
窓を閉める
少しの静寂に居つつ
雨はまだ僕を呼んでいる ....
たい焼きを尻尾から食べて
おわかれの儀式にした春
なにもなかったけど
なんでもありえたと
知ってるから
じぶんの弱さが嫌になる
桜咲く川べり
人はどうして ....
僕とだめになってよ
僕とだめになってよ
たばこやめるから
こころ忘れるから
僕とだめになってよ
僕とだめになってよ
酒飲むのやめるから
きのう忘れるから
寒くない日はずっと ....
夜の酒場で
言葉の手品師が
流れ弾に当って死んだ
あの人は詩人でした
種も仕掛けもございましたが
ハンケチの瀑布に身を投じ
コップの中は大嵐
意味の早変わりのすばやさは
ね ....
力を抜いて抜いて抜いた先
静かな静かな水の底
冷たくはない
暖かくもない
炭酸の泡の千分の一ほどの小さな振動
目を閉じてなお眩しい
愉快 愉快
ぽつんと
取り残され
ひとり
到来した均衡の
奥に潜む歌声
だきしめ
なかへなかへ
繋がり輪郭
なぞり
ひとり
ぽつんと
取り残され
言葉、燃やし ....
薬指には琥珀蝶
唇には迷酔蛾を
硝子の自鳴琴が砂にかわるころ
万華鏡を抜け出して
朔の元を去ります。
角を亡くした手鞠が気ままに転がっていく
この鬼ごっこも追いかけるのもまた自由で ....
雨の246
緩やかなカーブを
白いコルベットに乗ったおまえは
160kmで曲がり切れずに
ガードレールに突っ込んで
死んだ
Mよ、おまえの死んだ場所には
三年過ぎたのに
まだ沢山の花が ....
曇天に園庭を走り抜け走り続ける子供
何者か?
大輪の真っ赤な花咲かせた庭先の木々
何物か?
記憶の丘に立ち輝く大洋を見渡す人
誰なのか?
すべて命の成長、成長の頂き
突破するのだ ....
甲子園出たら親戚増えちゃう現象とか
好きくない
太宰さん出たら親戚慌てちゃう現象とか
好きくない
太宰さん死んだら一族の誉れになっちゃう現象とか
好きくない
乗っかって来るなー ....
鍵盤の上をいつもおくれてくる指のように
わたしはすでに取り残されてひとりで立っている
ビー玉を空に撒いたような
ボールパークの歓声に耳をふさいで
美しい惰眠をむさぼる緑色の猫の舌が
....
モルモット
たくさん
1、2、3、4、5、6、7、8・・・
それはすなわち素朴とニコニコの数
それはひとつひとつ
手のひらに乗せることのできる幸せ
それはひとつひとつ
あまりに危 ....
やっと運ばれたラーメンに
小さなゴキブリが入っていたので
店員のお姉さんを呼んで苦情を言ったのだが、
なぜかマトモに話を聞いてくれない
挙げ句の果てには
「もう、これ以上粘着しないで下さい」 ....
○「人生百年時代」
ばあちゃんたちは
老後のために
金を貯めている
その金を
サギが狙っている
○「精力剤」
中高年は
もうひとつのチンアゲにも
働きかけている
○「畑の土 ....
何かを知りながら生まれてきて
何かを少しずつ忘れながら育ってきた
見知らぬ街でのZDF彗星のように
ドミノ倒しさながらに価値が顚倒するので
5万年先にどうなっているのか予測できないでいる
....
以下
BBC NEWS JAPAN
2021年10月1日の記事より抜粋
イルムガルド・フルヒナー被告(96)はこの日、1万1000人の殺害に共謀した罪に問われた裁判で、北部イツェ ....
卵形の円に
眼、光る
直線の乱打
朝陽 ひんやり
絡めるクチビル
わたし、知らない
沸き立つ潮騒の慕情
ただ延々と炎々と
続く時間、
切り裂くナイフ
欲しいな、下さ ....
人が好き
変わった人が好き
攻撃的でないことは大切
人は苦手
人が創ったものには触れてたい
人が決めたルールが嫌い
人が見つけたルールは知りたい
人は少ないほうが良い
個性 ....
恋が終わって
首を吊りたい
花屋に売ってる
ドライフラワーみたいに
枯れても
悲しみたくはない
もうこれ以上
色を失くさないし
だからこそ
安心して見れた
乾いた花 ....
時に悩みに取りつかれて
どうにも思考が鈍ってしまうことがある
散歩に出て、公園の辛夷の花を見上げる
五部咲きくらいか、白一色六枚の花びら
裏に紅の筋が入るが、樹によりけ ....
世界が照り耀いている
車が通る、人が過ぎる
うっすらと青い空模様、
桜並木は白く染め抜かれ
路上にて、
アパートの隣人と出会います
彼女は親しげな笑顔浮かべ
我々は、
手と手を宙で ....
鏡の中の
泣いている顔は
忘れられた女の
みじめな顔ではありません
なぜなら鏡は
すべてを裏返しにする悪戯なプリズムだから
ゆがんだ顔にも
思い出の紗をかける
草が夏を繰り返している
雲になることを空想していた少年は
九九の練習を終えた後
空港事務所の職員になった
苦痛ではない、けれど確かな痛みが
暮らしの中、靴にも降り積もっている
空気 ....
○「シルバー会話」
年寄りAが
「あそこのあれよ」というと
年寄りBが
「あそこのあれね」とこたえた
まわりは爆笑したが
AとBはきょとんとしていた
○「不同意性交の禁止」
こんな ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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