どんなに難解な熟語を知っていても、
ムズカしいことを言っているとは限りません。
どんな言葉をどう操っていても、
それが根っからの本心であるとは限りません。
僕にとって僕が僕であるように、
誰 ....
新規事業として計画しているレストランについて
既に上場を果たしているレストラン経営者に話をしたとき
素人が手を出して成功するような甘い業界ではない
僕の名刺を裏返したりしながらそう憎 ....
寝転がってかいだ土の匂い
イチョウのじゅうたんを踏む音
冬を呼ぶにじんだ雲が浮かぶ空
「覚えていますか」
誰かと同じだった歩く早さも
いつの間にかずれて響きだす
”忘れよう”
....
僕たちは立っていた
路上に立ちつくして
いつ訪れるかわからない
僕たちをどこかに
連れていってくれるであろうものを
ひとすら待ちつづけていた
僕たちは整然と列を
乱さずに立っていた
僕 ....
不安は不安として
いつもそこにあった
薬箱の正露丸のように
悪い予兆
紫のカラスが一斉に笑う夢
永遠のレム睡眠
新しい出来事は
新しい傷のはじまり
賑やかなモーメントも
....
マンションの手付け金、
10万円を、払った。
彼女と、手打ちパスタのお店を、
ランチできのう今日と食べくらべた。
なにも、
面白くない。
テロリストにさえなれない。
水天宮に、
戌 ....
メールアドレスを聞かれる人間と聞かれない人間の分類があるとして
聞かれない側に入ったとする
そういうときは
塩辛
つまり塩辛になったらいいのに
むかしの
中国みたいに
やつが
塩辛 ....
信じるって決めたから
そばにいるんじゃないよ
空気にすきも嫌いも
ないよただ風は風だよ
君もあたしも
ニンゲンって呼ばれてる
その責任が重いから
歩くのがこわいよ
足の下にある ....
裸に海の膜を纏う
崖を繋ぐ羽毛の吊橋が足裏を優しくくすぐる
乾いて冷えきった太陽の光に背を押された
橋を辿った先に広がる光景は
眩しい新緑の髪がなびく草原だった
ああ
甘酸っぱい桃色の ....
今週から急に冬になったねって
君とかわした週末朝のメール
今年のクリスマスプレゼントは何にしようって
とつぜん焦る気持ちになったけど
それを考えることがすごくすごく嬉しくて
寒い朝に心が ....
身体と言葉の境界に沿って
路面電車が夜を走る
ミルクをつなぐ、世界はまだ
つぶやきをやめない
みんな季節
みんな瞬間
みんな波、その動き
みんないつか
割れていきたい
....
大切にしてきた
ぬいぐるみの腕がとれていた
20年来の友の腕が
床の上で冷たくなっていた
押し入れから
小学校の頃使っていた裁縫セットを掘り起こして
普段しない縫合を試みる
....
高すぎる体温に
個性と呼べるものは
蒸発した香水の残り香くらいで
くゆらす煙草の煙は
押し黙っていく冬の花みたいに
ただ気だるいだけの眠気を誘う
{引用=
単純な計算
すべ ....
深夜、満月が天空に輝き道路脇のトウモロコシ畑の背の高さに道路脇が深い闇となっている。そんな道を一人歩く男。そんな夜、大きな棕櫚の樹に向かって歩きだす男。
棕櫚の樹は国道16号と県道の交差点に大き ....
昨日の
銀色の
すすき
のほ
今日の
銀色の
やなぎ
のめ
銀色の
のはら
のうえ
のゆき
銀色の
のばと
のむれ
のみち
....
彼は大ぐち開け森の燃える音を食べた
銀のスプーンで掬って葉が浸み込んだ
悲しみの調が喉で喜んでいるようだった
開放の叫びが聞こえてくる
私は鳥を好きな場所へ逃げるようにと自由を放った
....
文字からまる
丸めて伸ばしてほうりなげて
もどってきて
すと ん
しゅわーっととけて
波打って
波うって 波波波な み
はっとする
それは時計と目が合う時
確認作 ....
ふと目に止まった街角の後ろ姿に
雪が降り積もってゆくように君の横顔がかさなる
自分を愛せない僕はずいぶん君を困らせたものだ
喪うことを怖れてばかりの心を隠せなかったし
....
グラウンド・ゼロに何が建つのか
私は知らない
おそらく
洒落たショッピングセンターと
御影石のモニュメント
原爆ドームを見上げると
青空が見える
ドームの小ささを
私たちは ....
まだお尻を叩かれているうちはよかった
この頃はあたまばかり狙われるから
もう後ろへは下がれない
叩かれるまえにあたまを出してやろうか
それとも 鋭角な布巾で机を拭きながしてやろ ....
1
すこやかな悪魔が科学の哀しみをそぎ落とす、見下ろす風景に書かれた哲学を精密に削り出している。緑色の空の稜線を白い葉が伝っていく、清潔な堕天のおしゃべりに体積をついやしている。悪魔はしなやかな ....
どこもかしこも
やわらかい壁
わたしたちをつなぐものが
かなしいものになっても
一緒にいようね
どこもかしこもやわらかい壁
ルールがあるなんて
しらなかった、と
あなたが
....
水色をした
黄色の砂漠を
人が歩いていく
景色の中を 流れる
景色の中に 消えていく
しっかりとした流れ星は
これまでに三回見たことがある
一回目はランニングしていたときだ
白い光の線がカッと現れて消えた
二回目はあなたと窓辺に見たあれだ
あなたも見たのか ....
新幹線の車窓が
群青の夕景に支配されている
そこにはスーツ姿のぼくが
影のようだ
目線よりしたの建物たちが
ミニチュアのように見える
目線よりしたの建物を
勝 ....
眠りから醒める度に
生まれ変わる気がして
夢泥棒の都市伝説
は本当だった
カフカが倒れたまま
念仏みたいな言葉を吐く
そのまま彼自身に
まとわり付く
なんて
不運 ....
ほんとうのことを
描こうとして
もがく
真逆を描けば
ほんとうのことは
反転表示のように現われるか
ほんとうのことは
描かれ得ない
ものかもしれない
ほんとうのことは ....
私とあなたのこれからを
たとえるなら広い広い海であり
小さな舟であっても
きっと二人なら渡ってゆける
嵐に巻き込まれ
高波にあおられて
突然の海流に流されても
きっと私たちは離れずに ....
確か二年も前の夏に
仕事終 ....
すべてが新品である
お互いの存在が目新しい
人の世の独立した若い単位として
1
姑が時には訪ねて来る
そこではもう、息子だった子はいないのだが
姑は新婚の部屋のなにかについて
なんら ....
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