蛇は己の脆弱さ故に猛毒をもって巨大な敵を倒す
しかし時にみずからの毒で死する
過剰な防御は精神を蝕みこころを荒らす
無防備こそ最大の防御でもあるのです
生きることは ....
振り切れている一本の針。呼吸し心拍を上げて次の打擲を待つ。時の経過は音や光の揺らぎで知れた。繰り返される規則的な動作を目をつむり、静かに受け入れていればいい。
地球の裏側にはキセツ、季節が浮かん ....
何か
を食う
たったった、と
たっ
たっっ
臆面もなしに
揺れる天秤
秤皿の上にあるのは
したたかな
計算
みっみみ
みみが
みぎ
外は氷点下
忘れられ ....
今日、生まれた命と
今日、死ぬ命は
同じ命
起きて
寝て
ご飯食って
うんこして
その一連の流れを
誰かにしてもらわないといけないのは
赤ん坊も老人も同じ
ほら ....
君をこんなに愛しているのに
どこかで君を憎もうとしている私がいる
私が私じゃないようで
恐ろしい感覚に襲われる
キミハ ギゼンシャ
ワタシヲ ウラギッタ ギゼンシ ....
ぽた
音がした
知らぬまに
涙がにじんでしまう
あくびもしていないのに
悲しくもないのに
もう限界なんだろうか
ぽた
音がした
....
短く切る
床に黒くこぼれる私自身
重さを失い宙に浮かぶ
手当たり次第にちぎり捨て
血まみれになって
肉塊を作る
おぎゃー
誕生だ
第二の自分の誕生だ
....
終わってしまうのさホーリーナイト
終わってしまうのさハッピーエンド
セレナーデは途絶えてしまって
オルフェーブルだって何時か死ぬ
けれど
心だけは支配させないと意気込んでみるのは
....
椅子に座り外を見る
庭でオリーブの木がゆれている
風が吹き込み
内側を揺らす
探しものは見つからない
体の奥深くまでをかき乱す
首を絞め逃げないように閉じ込める ....
こんもりと雪に覆われた朝
夢中でついばむすずめたちは
埋もれることもなく
枯草を折ることもない
だがまんまるの愛らしさは鋭い冷気への対抗
食糧不足は天敵も同じ
生きることは戦い
いの ....
ある、一二月の終わりの、例外的に寒い夜
おれは明日の仕事に備えて、はやく眠ろうとしていたところだった
消しゴムのついた歯ブラシでピカピカに歯を磨いて、寝床に戻ろうとしたとき
窓 ....
夜
言葉を追いかける
僕は椅子に腰かけ 瞑目して
その思いは 頭の中で 駆け足をしている
言葉は闇に走る 七色の光の筋
僕に誘いかけてくる さあ 捕まえてみなさい と
そんなことは し ....
卵の殻に
ネオンの光は
必要ない
ゾンビが枯れ枝を振っている
世界は、
雨降りの日の
アスファルトのことです。
女の
....
「つらい恋をして、忘れて…その積み重ねで人は大人になっていくんだよ」
誰かが言ってたけど
そんなことなら
私は大人になんてなりたくはない
君のことを忘れて大人になるなら ....
薔薇を一本へし折って
哀しい頬を 拭おうと
そっと触れたら其の刹那
赤い液体 流れたの
アナタ わたしを 眺めては
何て卑怯な人なのと
攻める口調で 喚きたて
私は 棘で 茨を作る
....
いい子じゃないから
サンタなんてこないと思ってた
期待しながら思ってた
案の定こなくても
当たり前だとおもうことにした
涙目でおもおうとした
裏切られるから裏切って
表の顔で笑った
....
灯から生まれる水が
夜の路を照らす
壊れるほどまぶしく
消し去るほどまぶしく
同じ速さで遠去かり
同じ間隔に並ぶ柱に
隠れては隠れては現われる
互いを互いに映し出 ....
街でいたくない街が
街を街に押しつける
ばらばらと 窓から落ちる人々
道の上には 楽しい音楽
楽しければいい人たちのための
粉々の音楽
....
はばたくペガサスの風紋が
天蓋からのやまびことなって
さまよい逃げる鰯の頭は
荒神の吐き出す呪文となって
ターミナルケアのカルテも
もつれ雲と一緒になって
....
昔ネットで知り合った年上の女性に、「好きなので彼女になってください。少なくとも今は好きです。でも10分後に好きかどうかわかりません」というメールを送ったら、「クソバカ」と言われた。
なんで怒っ ....
不思議なのは
絵皿に描かれていた
ピーター・ラビットが消えちまったこと
カレンダーは残り一枚で
絵皿もたった一枚で
十字架の下で二人が眠る月
一人はイエス
そして、ユダ
飲み ....
僕は雪に魅せられる
とても切ないから
どんなに大切に受け止めても
一瞬にして消えてしまう
大事にしようと思う間もなく
手の中で静かに消える
でも一瞬だけ
ほんの一瞬だけ
その美 ....
青から黒へと
深まっていく海
そこを泳ぐ一匹の魚
銀の鱗の 鈍いきらめきが
終わりなき深淵の入り口に 一瞬の間 ひるがえる
はなやぐサンゴも
ウミユリのたなびきも
今は ささやかな記 ....
笑顔がきたないね
産み落としたその沼から
たばこくさい泡がぶくぶく立ちのぼる
円満とか
円滑とか
そういうのの前ではわたしの思いなんて
あとまわしにされるべきなんだよ
どこに行っ ....
遙かぶりだった信濃路
そこはペダルが都会よりも
緩やかに漕げる
遠慮してくれる
夏の日差しが
あなたの気配りよりも優しかった
裏庭の沼に急ぐ鴨の親子は
人間との僅かながらの境界 ....
校舎の君を言葉の僕が捉えて
夜が更けてゆく
光は透明な線の中を走り
君の名はいつか呼ばれたもののように
輝いた
僕は亡霊のガラスに隔てられて
君の名を呼ぶことができ ....
クリスマスが三連休なんて、
いつもひとりだったぼくには、
どうでもよいカレンダーだったはずが、
今年は、
彼女が買ってくれたコートを着て、
どこかのイルミネーションを見にゆこう、
なんてこ ....
口内を游ぐかすかな黄色い声や
空で少しずつ拭った私のため息に
やわらかに触れた脈は戸惑い
口元をつつむ手のひらは笑って
夜の角で正装した蛙と
私の答えを探しにやってくる
一定に繰り ....
遅い朝食をとる
幼い弟はオートミールを食べ終え
おまけの玩具を並べている
お父さんはまだ夢の中で
起き上がる方法を見つけられない
穏やかに子どもは大人になり
大人は老いていく
....
気がつけば
いつの間にか足が向いて
またここへ来てしまった
かつて住んでいた団地の
懐かしい階段をゆっくりと上がる
そう11階の踊場
時間というものが無ければ
ここで君に会えるのに
....
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