いたいけな世界
これ以上わたしをだまさないで
その純粋さは美しくなどないのだ
いたいけな世界
わたしはあなたが信じられなくなる
その無垢な瞳はわたしを きずだらけにするのだ
いたい ....
言葉を遮って雨は流れていく。
虫の声は届かない。
紅いカプセルを飲みこんだら喉が渇く。
平熱を知らないから微熱も分からない。
畳の染みは何が原因だった?
消印のないまま隠した ....
都会はいいねと人が言う
暮らすところではないけれど
雪国はいいねと人が言う
暮らすところではないけれど
だから人は旅に出る
暮らしを離れ
夢を探しに
急な坂を掛け上がる
長い階段を上り詰める
その先がわたし達の終点
だから今は
手を
繋いで
おやすみなさい
同時に寝る
こんな奇跡的な幸福
かさねられることが
また幸福だ
おやすみなさい
同時
ふたり
ふたりだけ
同時
ふとんが ....
指切りをして差し招いてほしい
あわただしく生きていてほしい
てん、てん、と、時折ついてくる足跡を
少しでも砂のあぎとに残せますように
ほら、こんなに ....
肌の具合がよろしくない
節約の名のもとけちられた 安い化粧水のためか
二十代も後半の衰えのためか
鏡をのぞくと気が焦る
わたしは後 どれだけのことができるだろうと
前だけ見て 今を満喫し ....
ただ生きていくことが難しい
生き残ることが難しいし
毎日を幸せだと感じることは もっと難しい
一人では幸せを見つけることができず
けれど 人の中に入っていって傷つくのは怖い
布団の中にこ ....
握力のある人間
悪力のある人間
握力のない人間
悪力のない人間
雑踏の中 ふいに涙がほほ伝う
このままここで 倒れ伏してしまいたい
どこも病んではいないのに
心の痛みに耐えられない
何もないように笑っているあの人でさえ
胸の中には多くの悩みや人々を抱え
....
今年も
だるま収め所に
だるまを捨てに行く
よかった
捨てられるのが
自分じゃなくって
そんな気持ちで
右目を書き入れた
だるまが
転んだまま
起き上がらない
幾度か巡ってくる夜に
海になりたいと願う
十六夜の月など見たことがないのに
叶わぬ永遠を願っている
いつかはあなたの海になって ....
朽ちた共同住宅の
一室に忍び込んで
凍えながら
急ぎ足の雲を眺めた
夕暮れのせいで
躍起になってるみたいに見えた
どんなことをして大人になった
どんなことをして大人になった? ....
君の髪の毛の隙間から声がする
ズズズズと浮き沈みを繰り返す声
その声はいずれこの部屋の
貧弱な空気を独占し
ぼくの穴だらけな肌の上に
優しく付着しようとした
部屋の隅と隅とで向かい ....
あなたの幸せを
あたし心でねたんでる
なんてばかなんだろ
それが あたし
あなたにおめでとうと
言えてよかった
曇り空みたいな
あたしの心隠したい
幸せわけあえるなんて嘘で
....
ひとは記憶を捏造しながら生きている。あそこにいたはずの僕は、ここにいる僕の記憶の中で生きていて、かつ、ひとの記憶の中ではいなくなっていた。人の記憶を僕は記憶できない。記憶には、記憶の代替不可能性が付き ....
生真面目な絆の国の小市民の仮面
の下には
逃げ足だけが速いご立派な大人の仮面
の下には
空気より希薄な辛うじて世帯主の仮面
の下には
コップ1杯でクダを巻ける安 ....
ふゆ
ただひとりの
さまざまないろ
さまざまなひかり
ついばむひと おもいはらはら ゆびおり消えて
積もり
かさなり
かけひき
そしらぬ目をし
つまさき立ち からころり つち ....
朝起きてすぐに
君の事を考える頭
君にメールしようとする手
君に向かって駆け出そうとする足
君を想って高鳴る胸
私の全て
君に向かってる
全部全部
....
北の海に魚釣りに行った
獲物はリアリティ
真面魚の稚魚を地元ではそう呼んでいる
リアリティは発生初期の胎児の姿をした銀色の魚
餌は人間の体
突堤のブイに腰を下ろしウイスキーを飲む
白い ....
ただよう雲
なびく風
うなだれる向日葵
生きているよ
話しかけられた気がして
ただようぼく
なびくぼく
うなだれるぼく
生きているか
軽く肩をたたかれた気がして
地平 ....
とか言って繰り返す日常が様々を希釈しているから
色々な感覚がゆっくりと麻痺していくんだけど
眠くなる様なスピードだからわかんないよね
俺も世界が何を言っているのか本格的にわからないし
....
ジューネンくらい前の詩とかが書いてあるノートを引っ張り出す
そう言えば君はこの「とか」の用法のレポートを書くと言っていたね
そのウチの何冊かはよくわかんない奴に捨てられたらしい
よくわかん ....
朝6時、渋谷NHKに向かう井の頭線
1番端の席に腰を下ろす
耳に差し込むオーディオテクニカ
動き出すステンレスの車両
窓の外で点滅する世界
恥ずかしい位に満月が輝く夜明け前
笑って目を閉じ ....
かがり火が灯る冬の夜
どこかで
誰かが泣いています
寒々とした出窓に置かれた
ピエロのオルゲエル人形
1ミリたりとも動くことはありません
ネジを巻かれたのは
いつだったか
もう思い ....
寒くなれ
痛いほど寒くなれ
凍れば凍るほど
僕は強くなる
霜柱
一晩かかって
地面を持ち上げる
どうしてそんなことを
するのかって
そんなこと聞かれても
実際のところ
わから ....
何にもできないって
気にすることないって
泣きたいなら とことん、泣けばいいよ
嘆きたいなら とことん、嘆けばいいよ
叫びたいなら とことん、叫べばいいよ
当た ....
かつて光速を超え言葉の種が降ってきた
ボクは機能
僕は世界を孕ます精子
宇宙の精神病患者さ
詩人には母なんていないのさ
孤独があるだけ
ひかりはぼく
....
*****
あなたは青い星を産むでしょう。
誰にも汚されることなく。
あなたは母になるでしょう。
誰にも惑わされることなく。
*****
最初の人類は
....
静まり返った昼下がり
猫は店先の陽だまりで
金魚は薄くらがりの水槽で
うたた寝をする
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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