きのうのよるから
ぼくのねんりょうは
からっぽ
みずがなくなった
さばくのたびびとのよう
きみをもとめて
さまようばかり
ぼくのあたまも
もうからっぽ
ねじが ....
涙一粒 こぼれおちた
また一粒 こぼれおちた
寂しさが こぼれおちた
悲しさも こぼれおちた
そうやって人は生きていくんですね
それでも命は続いていくんですね
こぼれおちた涙の数 ....
雨が降っているのかしら、と
君がつぶやく
君のつぶやきは
答えを求めている時と
そうでない時があるので
それを聞き分けるのが
とても微妙であるけれど
肝心なのは
語尾のニュアンスで ....
真実と
事実の
距離は
余りにも
遠い
降り続く白い冬
いまはただ
うつむいた雪が
降り積もってゆく
脊髄が 錆びついてくるのを感じる
骨が膠着し 何も言わなくなると
ますます冬は
冷たくよそよそしくなる
寒さが喉で固ま ....
からからからと
風は吹いて
真っ青な空に
よどんだ雲
冬のにおいに
春の予感もまじっている
さむいなあ
さむいな
からっぽだな
からっぽだ
からから
からと
風は吹いて ....
僕の目指す
ドラミングは
どっしりとしたリズム
それでいて
軽やかに転がっている
隙間に ぴたっ とはまった
かと思えば
メロディーの上で踊っている
ビートを刻 ....
川のほとりの
裸の枝の先に片方だけ
手袋がいろとりどり
沢山刺さっている
風が吹くといっせいに
手を振っていて
どこかで探している持ち主に
さようならと別れを ....
僕が悩んでいるのを
僕が泣いているのを
雲の上からあの子は見てる
うまくいったときは手を叩き
うまくいかないときはうなだれる
僕が笑っているのを
僕が喜んでいるのを
....
東電さん
マスクを配ってあげなよ
半減期30年とか
風が吹くたび
骨や筋肉や甲状腺に居座るんだろ
ひとを不安にさせまいと
めんどくさいから
みんなマスクをして ....
セレモニーが終わる
家から1マイルほど離れた公園で
タクシーを降りて
ナップサックを開け
鍵をさがした
予想に反して
父親がドアの前で待っていた
「疲れたか?」
私は首をふった ....
容疑者の写真がニュースに流れている
月が北東に隠れようとしている
あれは北西なのかも知れない
月が容疑者のように
どちらの方角にも気配を撒いている
三日月ぐらいの形を見つ ....
オーディオが好きな人はわかるだろうけれど、
まったく同じシステム、
つまり、
同じアンプ、
同じプレーヤー、
同じケーブル、
同じスピーカーを、
Aさんと、Bさんが、同時に買ったとし ....
夕凪
こだわってるもん何て 全部捨てるつもりだったけど
それでも足りなかったのは 何だったんだろうな
同じ未来を見てた二人 けど向かい方が違ってたかな
単純に恨んだりできたら 楽なんだろう ....
御願いです、もっとガラスを下さい。
思い出の中の君をガラスに閉じこめるから……。
僕だけの君を、下さい。
ガラス色した君を。
御願いです、もっともっとガラスを下さい。
思い出の中の君を忘 ....
あなたの隣で関羽が世を憂いている
あなたの隣で横断歩道に並んで
あなたの隣で青信号を待ちながら
青龍偃月刀に鬚髯を搦めている
あなたは彼ほど強くないけれど
今関羽は眩しそうに
隣で生き ....
不思議
深く眠りながら
果てしなく醒めている心地
見えない舟が 横たわる僕を乗せて
透きとおる彼方へと 漂ってゆくよ
夜は青く
あえかな香りが僕を包む
この流れのほとりには 何処まで ....
佐藤ひろ美26歳が
電車の中でたまたま隣に居合わせた後藤洋造56歳の服装を見て
心の中でせせら笑っている時に
僕は死んだ
山田達久43歳が
家賃の振り込みを忘れて焦って
....
同級生がまた一人、先に飛び込んだ
いろいろあったものね
今となっては想像でしかないけれど
今年で四十五歳
空っぽの四十五歳
きみはスタンダード曲が大好きなんだって
でも何故シナトラやトニー・ベネットばかり聴くんだい
日本にスタンダード曲はないって
スタンダード曲を愛するきみが
それほどに無知だとはね
そん ....
澱粉質は
白くて柔らかい
子持ちのセラミック。
あぁ、割れた卵の保管場所。
ざわめき始めるビニール袋。
カリの偽装が眠りにつく頃
新たな擬装の目覚めを見る。
未完成を刻む台所 ....
ひとりで生きられる
生きられない
それとも、ひとりで生きざるを得ない
わたしってどれなんだろうね
※
無責任ってわけじゃないけど
ちょうど
満員電車のなかで誰かに寄り ....
大きなゴミ箱の中で
暮らしている
最近
腐ってしまって
汁が出てきた
犬でも飼おうかな
このままどんどん腐って
いつか雲に乗って
飛べたらいいな
出会ったばかりの頃は
無口な君が
苦手でした
私だって
口下手で
初対面の人となんて
話せるわけないのに
一生懸命話しかけても
君の返事は一言
話が続かなくて
....
路地裏石畳の坂道を抜けたら
ちいさな井戸がある
そこから先は
行き止まりになっていて
逆から井戸越しに
坂道を見下ろすと
一気にふもとの海まで見える
風は凪いで
....
統計によれば自殺が一番多い月曜日の朝
通勤電車で幸いにも座れた僕は自殺もせずに健気に生きている人々に囲まれていた
電車が駅に着く度に本のページをめくるように目の前に立つ人が入れ替わる
チェス ....
その4人は故郷である奴隷貿易で栄えた街で生まれ
ドイツの或る街で夜通しライブに明け暮れていたクラブで
故郷のレコード店の店主に発掘された
4人は独りの仲間を解雇し新しいメンバーを迎え
再び ....
ためしに握ってみて
けっこう冷たいでしょ
手が冷たい女は
心が暖かいなんて嘘
かじかんだ指が
しだいにほどけていく
甘いアイスバー
口に入れて溶かすみたいに
たくさん舐めてね
君の素肌に触れた日は
忘れもしない 夕暮れの
君が十九の秋でした。
僕の心は君だけを
思ひ焦がれて
千々(ちぢ)となり
集めて鈍く燃えたのです。
誰にも言はず
誰にも知れず
....
私は
カラダの中に
海の記憶をとどめておくの
何度
再生しようとも
薄れはしない
漣の音
いつか
愛しいあの人が
私のことを手にとって
そっと耳にあてたなら
懐かしい愛の歌が ....
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