わたしのため息は春風のとなりにまとわりついてあなた以外のすべてを吹き流してゆく
レゴブロック型の花びらが舞うようにやわらかく
ねっとりとした溶けかけのわたあめみたいに
脊柱から伸びている赤と ....
もう何年も昔のことで、そのために遠い背後に過ぎ去っ
てしまったように思えるのだが、それでも時おりこうし
て思い返してしまわざるをえないほどに、いまでもそれ
は私のすぐ隣にある。あの時、私は事実に ....
学校から帰ると
テーブルにロールケーキが
ふたつ並んでいて
チョコレートとバナナクリームの
2種類があって
わたしは弟に先に選ばせた
今日みた夢の中の
同じ風景は
すこしだけ大人になっ ....
春を追いこして夏のような
日射しを避けて
市内の茶屋で
みたらし団子を食べながら
足下の干涸らびた蛙に
水をもらってかけてやると
おどろいてちょっと跳ね
またノシノシと戻ってきた
残り ....
旅から旅のセールスマンだったカフカも
....
君と手をつなぎたくて
君と手をつなげなくて
ポケットにいれてたんだ
僕の手冷えないように
なのにどんどん手は冷えて
だれの心も邪魔になって
最後に残った僕の心も凍らせたんだ
そん ....
私のもとへ下りてきた天使の君へ
私からいつまでもいつまでも変わらない愛を詠うよ
あなたがどれほど成長し私の手から離れても
思う気持ちは変わらない
....
夜になり
気温が下がると
子供たちの咳は
ひどくなった
地上から浸潤してくる氷水を
順番に舐めに行った
毛布が欲しかった
ただ死なない
それだけの私たちを
地下に閉じ込めて
外から ....
こと切れる最期の瞬間まで
彼はひとりの少年だった
とっつきにくさは彼の持ち味だったし
時代を憂いても
希望を捨て去ることはなかった
※
そんな彼との接点
あったのかな
....
再び四季の変わり目に
生まれる春のベージュ色
邪気なし無敵の思考人か
無邪気の天使か 桃色に染める
ベージュ色にくっついて 離れぬ 七色越え
哲するに守る 袴姿の者から テレ ....
ベトナムに旅行するひとの
どの位のひとたちが
ホーチミン市がかつては
サイゴンと呼ばれた街であったことを
知ってるひとがいるんだろうか
中島みゆきクンが歌った様に
確かに時代は変わ ....
散文
一
ゆうらりと逢魔が時に立ち上がる
女は錯乱気味に
「ジユウ、ジユウ」
と叫んでいる
そのくせ尻をどっかり座らせ
介護されるのを待っている
二
....
昨日レンゲの花を踏みました
レンゲはわたしの足の下で
花びらを押し花みたいに広げて
首のところをぽきんと折って散りました
わたしは裸足でした
足の裏でレンゲの蓄えた冷たい水分がしゅんと染みて ....
ない、ない、ない
裸体ない
ない、ない、ない
エロがない
ない、ない、ない
だから出来ない
ない、ない、ない
起たない
ない、ない、ない
しごけない
ない、ない、ない
だから出せ ....
ゆうき
って君を呼ぶとき
ゆう
って君に呼ばれるとき
呼ばれたことは
まだ
数えるほどしかないけど
君と名前を呼びあうときが
いちばん
幸せ
君を近くに感じ ....
彼女と散歩した
散歩の後、お茶した
彼女が一緒にいてくれて嬉しかった
彼女が一緒に微笑んで嬉しかった
一人じゃないというのはいいことだ
暖かな陽だまりの中にいるような幸せ
ずっと探し求めて ....
昔、屠殺場に送られる牛を
トラックに積む前の牛舎で眺めていたとき
その牛は
あと何時間後かに死に
バラバラにされて
肉塊を急速冷凍され
お店に並び
食卓に並ぶというのに
交尾を ....
もみあげの
はしっこをつまんで
ちょりちょりならす
くしょんと晴れる
寒いんだか暖かいんだか
どっちなんだか
そろそろひょっこり
蕾がふっくら
はにかみはにかみ
耳たぶを ....
エッ
と思って アッ
と言う
インプット
と
アウト プット の 間には
70億人から一人選んだサンプルの
サンプルの一生のような道が
広がっている ....
玉葱を
両手の平に包み込む
しばらくして
光が洩れ
一瞬煙が立つ
永い時間が経ったのだ
うたた寝でそんな夢を見た
そんな風にして待っていればいいのかな
と思った
いつも死んでいるのだということが わからなかった
後悔ばかりだ
どうでもいいとされる 自分自身の価値について 理解したい
社会なんてものは 大嫌いだ
ま暗い部屋に時計の音がする
そのどれもが違う音だ
人生のあちこちから音がしている
間に合わないかも知れないけれど
ひとに尽くして生きてゆこう
もっと役に立てるはずだから
....
火を点けられると
わたしは蕩ける
点けられなければ
凛としていられるのに
そうあなたの
手や指や舌やもうひとりのあなたに
わたしは美しい死のように
柔らかく蕩ける
喘ぎ ....
まだ見ぬ私の旦那様
早く貴方に会いたいです 私の心は独りきり
冬の季節が終わっても
私の心は冬のまま
恋の種は芽吹かない
いつか心に温かい
風がふわりと吹いたならそれは貴方が来た合図
私 ....
「六等星でいいから、あなたのとなりに居たい」
私は私の綻びを
見つけ出しては一つひとつ
繕っているのです
右手で針を
左手で私を
握りしめているだけでは
もろもろとほぐれていくばかりで
揃わない縫い目など
気にしていられな ....
心の中では土足で暮らし
裸足で世界を歩き回る
ぼくは人間
月のように出たり隠れたり
雨になりまた雲になる
そんな人間
あなたもまた一個の太陽
少しずつ周りを温めながら
....
許されるような気がしていたのは
僕たちだけだった
足音の聞こえるものと
聞こえなかったものがいて
僕たちはたぶん後者だった
足音が聞こえるだろうか君には
夜のうえを歩き
昼の風を ....
こんなに気温が下がった日は
手袋をしていても指先
かじかんでいる
足早に歩いていく
肩を丸めて
我が家まで
あと半分のところ
自動販売機の光がポッと点っている
コインを投入 ....
夜は雨
どこからか雨
水を弾くタイヤの音
通りの向う
どこかで屋根を落ちる滴
私はここにいて
眠る人のことを思う
生き満たされぬ人を思う
又ここにいて
眠れぬ人のことを思う
燃 ....
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