俺も大人になって人の痛みを知るようになり
今朝もあしたも街を見下ろす歩道橋をわたる
銀色の街は光の破片にみちているが
それも2時には消えてしまう
沈みかけた船から小さなはしけに思い切りジャ ....
きみはひとの途を
きみはひとの絆を
きみはひとの義を
いつも見下す目線で見ている
だからだろうね
きみはいつも憤懣を抱える
きみはいつも逆鱗を覚える
きみはいつも偽善を責める
....
愛するものに あらんかぎりの表現をあたえるために
図書館はある
道の途中で
トンビがピープルって 巻き舌ぎみに 私を呼ぶ
鳥に言われるまでもなく 私は人間さ
書物のよさ ....
あなたの手を見ているとき
わたしは時折、魚のようだと思うことがある
別れ際にひらひらと
暗い海へとかえっていく
来た場所も行く先も知らないわたしたちが
誰かに与えられた名前を呼び合いなが ....
まぶたを 閉じれば 海は すぐそこ
関門海峡の潮の音
あっちのほうが長門そどな
長門には 鯨さんのお墓があるそどな
おおけな鯨のちいさな墓に 南無阿弥陀仏を奉じると
波をみな飲み込んでき ....
さざ波の僅かな飛沫さえ愛おしい
春から初夏への道のりは
小舟で海を渡る様に
儚くも危なげなモノ
飛べなくなったイカロスが クス、と笑う
白のシャツと海と小さい波が
あなたには とても似合う ....
満員電車の中での雑感
この状況というものを真夏の潮干狩りと比較してみたらどうだろうかと、ふと思ったのでちょうど満員電車の真上から見下ろすような光景を浮かべてみた。
掻きわけ掻きわけ探すのは貝で ....
とても疲れている
人間であることが 嫌だった
むしろ死んでいるのかも知れない
自分のことなんて どうだっていい
会社の便所で 夜空を見ていた
家に帰りたいと思う
そうである ....
空に向かって高く
超合金製の蟻の巣が
渦巻き状に伸びている
無機質でのっぺらぼうの蟻の巣も
夜になれば
綺麗に画一化された部屋には
優しい灯りが点り
街を照ら ....
俯いている
野の可憐
淋しさ
知りつくし
風のなか
すべなく揺れながら
なに思う
君
誰かにいつか
手折られる
のだろうか
それとも永遠の
忘却が
待っているのか
....
コンビニを出ると
誰かがお菓子の箱を開けて
ぽいっと捨てたセロファンが
ちょうど私の目の前に
空から垂直に錐もみしながら落ちてきた
ひとときのま
私の頭はどうにかな ....
例えば
渋谷のセンター街でうんこ座りしている若者を
通行の妨げになるからと追い立てるのは仕方ない
がしかしモラルを問うのは的外れである
何故なら
アルツハイマーのじじいなどは衆人環視で「本物 ....
乗り換えの駅で、旅の電車を下りた。
無人駅の小さいホームから
遠くに重なる山々の
西へ伸びる線路を往くか?
東へ伸びる線路を往くか?
(次の電車まで、あと1時間・・・)
....
去年と同じ
花が咲いている
去年と違う
同じ花が
去年と同じ
新緑が芽吹く
去年と違う
新緑が
その下で
子供が遊んでる
私と違う
同じ子供が ....
ポポタンが笑っている
太陽みたいに開ききって
その中でアリが泳いでいる
お菓子の家で溺れそう
ぼくは憶えている
きみのやわらかな面差しを
すべり台へ走っ ....
解けない方程式なんて
いつかきっと誰かが、
数字をいくつ並べたって
昨日とのキョリは測れない
いつか測れるのだろうか
僕じゃなくたって
いつかきっと誰かが、
0時きっかりに
....
コップの水がうねるだけで
時間は微動だにしないね
そのむこうの真っ赤な煙突の墨絵の煙も
必死に青く広がる景色も
上空に関心のないわたしも
中古車センターの色褪せた看板を眺める
わたしも
....
区画整理された明方の街を
アフリカゾウと一緒に駆ける
低体温の命を
ひとつずつ持って
やがてぼくらは眠くなり
街は
行き止まりになるだろう
それでも幸せだった
何も ....
それは不意に
何処からともなく
やって来た
乗せない
乗客を
ゆっくり
見送る
真新しい吊革
にぶらさがっている
視線の群れ
開かないドアを
開けるものはいない
さあ苺を食べなさい
まだ酸っぱいけれど
食べ終えたら
好きなところへ
おゆき
もう煩いことは
言わないから
細かいチーズと聞いて
一番 初めに 何が 見えるかな
最初に 思い浮かべる 形は?
鰹節風味の 紗状の
繊細な 千切りリボン
紙吹雪 霧雨
鼻を 掠める 香りは?
....
厳冬期 不本意な入院のため
南の高気圧を敢えて待ち焦がれたのに
退院後は血圧・体温・体重に振り廻され
長寿遺伝子ょ栄えあれ と
一喜一憂の毎日
お笑い草とは ....
死者の嘆きが聞こえる
誰にも殺される事のなかった
死者の嘆きが俺の魂の耳に聞こえる
言葉を失って
生と死を剥奪された
現代人の死体の呻きが
俺の耳に今はっきりと聞こえる
ゴブリンのゴブレットには
詩がもられている
ふゆるはるる
スイートピーひとつで
羽の生えた船が作れます
ほらこれはキール
冬に婚ふ
秘めがちな姫君
パエトーンの落とし子たち
....
光ろうとも
光らせようとするでもなく
ただ
感性には自信があるというひとよ
静止している物体が
一見いつまでも静止していられるからといって
今生この宇宙は今のところ膨張しているわけだし ....
詩せずして詩かばね拾うものなし
詩しても詩かばね拾うものなし
さびしいことだが我が道を行く
実はそんなにさびしくないし
落ちている花々を踏みしだきながら
目を瞑って 世界を見た
それはそれは綺麗だった
明日が来ない 世界だった
綺麗過ぎて悲しかった
僕は居よう 君と居よう
忘れたくない明日を進もう
さようならは 嬉しいよね
そ ....
むかし人であった女の幽体が、やはりそのむかし宿と呼ばれていたこの廃墟から、離れられずに留まっている。全ての人はあまりにもあっけなく死に絶えてしまい、幽霊になる者とて稀で、彼女は孤独だった。
....
自分をせめて
ちょっと許してあきらめて
歩いてる
とまりながら
ふりかえりながら
自分に似たひとの
影をかんじながら
春風の中を
舞うように飛んでいた幼い僕は
風と仲良しだった。
風は僕に
あらゆることを教えてくれた。
空の青さ、高さと、
風に舞う小さなたくさんの花びらと、
心の中の風船を
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