水が緩む。木が緩む。みんな陽のあたるところから緩むんだ。まだ震えている部位だって多いのにね。櫻の樹の下に埋まっている御遺体にもかまわず、ポーラミュージアムアネックスの受付嬢は指関節を鳴らして勤務時間を ....
裸足で歩こう
もともと
裸足で生まれてきたのに
飾ることを覚えたから
うまく歩けなくなったんだ
裸足で歩こう
危険だというけど
今 以上に危険なんてない
確かめればいい
傷つ ....
宛先のない、差出人名だけ書いた
何一つ言葉の綴られていない手紙を
したためる毎日だった
訴えたいこと
懇願したいこと
助けてほしい、と
どれだけ書いても書ききれないくらいある
そんな ....
遠い異国の丘にある
旅先の宿で、軋む階段をのぼり
入った部屋の開かれた窓から、身を乗り出し
いちめんの街を見渡す
日々背負っていた
「悩み」という名の重たい荷物が
ここでは ....
将来ぼくは白いスパイになって
サングラスをかけて
ドアか ....
いつになくぱっちり目覚め
むくりと起きた僕は
妻にお風呂セットの袋を渡され
車のキーを廻し、アクセルを踏む。
青信号の交差点で、すれ違う護送車。
(青年達の母親は、今頃どうして ....
最初から、少年も
少女もいなかった
ただ、名前すらない、
願いのようのものが二つ、
風の中で
寄り添っているだけだった
大人ってばかだね
大人ってばかだね
そんなことを
....
ドアのない部屋
念を入れて
来客の準備がなされた
正方形の箱を重ねた
柱のオブジェに埋まる
検知されない光は
箱の中の鳥
回復用の白に投資される
わずかに作られる陰
指が打つ ....
ふしあわせを
全部抱え込んだようなふり
してさ
きみは息をしているみたいな
ことをいう
ひくつになって
誰かのせいにして
世の中のせいにして
いきていくのはしんどいね
....
まるで無意識のような
白く渦巻いた雲が深い藍色を濁したこと
見上げる
何故きみがそういったことに拘っているのか
皆目見当がつかぬ
やがてきみは空を飛び地球の最果てにさえ届 ....
夏、
空に近づく
心の中で緩やかに
時は流れる
相対性理論の誤ちに気付いた後
人は再び原子爆弾を落とす
それは宇宙から見れば
小さなかわいい線香花火 だから僕は
宇宙に ....
心臓の上に針の落ちる
展翅板で誇らかに 死んだモノたち
現代 死は 無知蒙昧の書き手が
自己憐憫を表出するコロキウム
冷静でいられない肩から上を
円錐で束ねるように押しとどめる
水に沈 ....
七月の家
窓から風が
緑の葉は揺れ
庭の木々も
風と戯れ
汗ばむ頬
七月の午後
珈琲はおいしく
壁の絵もうれしくて
全てのものが
涼しい唄をうたっています。
圧縮されたファイル
記憶という
過ぎ去った時間
遠くで花火の音
安全地帯からは
それをみることは叶わない
蒸れた熱が
蜃気楼のように、ゆらぎ
ここではない何処かへ連れていく
....
{画像=120721002547.jpg}
曇り空が雨になった
今日も外はたっぷりの湿気と
喉を締め付ける暑さだ
雨滴が大きくなって硝子を叩く
雫が流れていく
交差点は水煙 ....
失うことが いつも僕には正しかった気がする
手に入れるものは 光に似て 滑稽だ
何故だろう 僕には そんな気がした
例えばフォーラムでつけられるポイントは
金銭には換えられない事と似て無意味に ....
幾つモノもみの木が生える季節だから
橇と書くの
牽くのはトナカイなんだけど
何故か木の幹と色は一緒なの
載るのはサンタなんだけど
ヒゲがジャマすぎてカオが見えないから
笑ってい ....
毎晩の様に襲ってくる苦痛
夜は静かだ・・・
ただ眠りたい
それだけなのに眠れない
毎晩真夜中を彷徨って
見えない影と話をしてる
どうそ私を誘って
この空間から ....
レッサーパンダが
立っていて
それが
みせものとして
よびものになるから
かねになると
はんだんした
ばあいに
じっさいには
かねに
ならない
ことも
あるかも
しれない
....
(…ああ、これは海鳴り……)
ずっと遠い夢を見ている。
なにが正しいのか分からないままでいる。
「僕はいつも傷ついているんだよ」と言う。
それは嘘ではないと思う。
....
うさぎの
あたまが
たいへんに
わるくて
いしの
そつうが
できないから
せんきょけんが
あたえられず
せいじさんか
できないから
うさぎに
じんけんはないし
うさぎは
ひ ....
人災テポドン
{引用= 東京ムービー企画部 作詞
平壌ダービー企画部 補作詞
渡辺岳夫 作曲}
父から昇った正日が
草場へ沈む(あっ たいへん)
これでいいのだ こ ....
金属をたわませて自転する惑星
ぼくたちの手のひらより
小さな宇宙の底で未来が始まる
歌舞音曲は原子の中にあった
密林は絵画のようでいて
いつかどこかでそのモデルを見知った
そんな気もし ....
記憶は更新されつづけ
し
せなか
はね
うちわなのバタバタ
のりがでしょ
文句などないMONKのピアノみたい
ご機嫌なめ
あやふや叫んでやる
はね
ちょうだい ....
読みつかれて ふと
雨音に包まれて
物思いに耽る蛙と
草むらに潜む
文庫の中は
土砂降りの文字
連なり意味成し物語り
意識下に滲み濾過されて
何を読みたいわけでもなく
....
それでも困るやつはいない。
ビルの踊り場にモップが散乱しているくらいじゃ。
そのかわりに、掃除用具のロッカーの中を
想像していただきたい。ガムテープでぐるぐる巻きの警備員か、
同僚たちのつ ....
一キロ先サンコンさんがはじめたカウントは円を描いて離陸寸前まで形を崩さないけど怪我をしてしまうとわかっているのか独特の習性でもって何年ものあいだそこに居ついてしまった。細長い楕円形.彼の右腕に ....
CF制作の現場に於いて
誰も教えてはくれないが
絶対してはならない暗黙のルールがある
出演者の芸能人やタレントの
絶対に答えては貰えないが
プライベートな連絡先を訊くこと
そしてもうひ ....
街灯は静かに同じ夜を燃やしている
うすくかかった膜のような
どこにでもある話をしながら
特急を乗り逃して
ふてくされて爪を切っている
割と、大事じゃないような
そんなものに焦がれている ....
腕のいい冷気に薄く削ぎ落とされた耳はアイナメの刺身に似ている。こんなにも寒い日は、カーリングの石になって若い女の手から放たれたい。疑問符だらけの毎日なのに、芸術をどうのこう言う資格なんて。でもユーキャ ....
2484 2485 2486 2487 2488 2489 2490 2491 2492 2493 2494 2495 2496 2497 2498 2499 2500 2501 2502 2503 2504 2505 2506 2507 2508 2509 2510 2511 2512 2513 2514 2515 2516 2517 2518 2519 2520 2521 2522 2523 2524
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.46sec.