田舎はかびくさい
亡くなった人のバイクが道筋に置かれたまま
それになにも言わずに暮らし続ける
庭の木は森のよう
思い出の中にもどされ
教室の落書きみたいに
なぞられる
そんな存在にな ....
ぎりぎりと
脳を直角に収める
線画された血痕が
私の空っぽな下腹部を
ちくりちくりと
舐めずる
半円形の
ねじに
押さえ込まれた
私の
U・F・O
足跡が
導火線を
....
追憶の
夏は幾重に
折りたたまん
遠花火
ひとつふたつと
過去があり
朱に染まり
空を制覇す
きみとぼく
抜け殻が
抜け殻を生み
夢さめぬ
この ....
みつめているだけで幸せになれるの
あの日あなたからもらったサクランボの木
実のなるときには春の便りも途絶え
わたしもきっとそこにはいないのね 。
....
死ぬとか言うな
言う必要が無いだろ
....
君に
詩は
何を
伝える
みんな好きよ
みんな愛しているの
ただ あなた達がわたしを
愛さないだけで
いつだって愛しているの
わたしを通り抜ける目を
わたしをすり抜ける体を
愛されなくても ....
風信子鉱
ジルコン
ヒヤシンス色ってたくさんある
電気石
トルマリン
スパークしてる
パチパチ拍手
トパーズ
シェリー酒越しの曙光
黄玉
ルチルは
金紅石
ちるちる ....
絶望のなかで戦うのはいい
自分がはがれていく
その感覚は
異国の弾薬数を思わせる
明日の文化を披露しあう若者を心配し
下生えの中で眠る
まだ曇り空
少し前に雨が降って地面は濡れている
綺麗に洗われた石畳の道を歩き
色艶溢れて髷結う人々が行き交いそうな
長い石段をゆっくり登っていると
小さな蛙がよこから
....
八月、湿り気に膨らんだ夕暮れどき
片田舎の駅に停まった盆の列車は
沢山の人いきれと垢の臭いと
目には見えない透明な虫とを一緒くたに載せて
間もなく動き出そうとし ....
シャンパン・グラスには
シャンパンを注ぐ底に
見えない小さな傷がついている
その傷があるために
シャンパンは長く美しい泡を
出しつづけるんだけれど
きみはそれは何かに似ていると ....
いろんな事情があるのだ
いろんな切実があるのだ
賞味期限ぎれの調味料にも
フローリングのペットの毛にも
散らばったコンビニの袋にも
飲みかけの缶ビールにも
やさ ....
いつまでも咳が出る
のどにつまった小骨のせいだ
はやく、はやくとせかされる
あほう、あほうとわらわれる
うかうかすると
小骨から
芽が出て
つるが伸び
ぼくのいのちをのっとりにくる ....
ふざけるな。と一言残して去った男は、わたしの頬を殴った男は、いつもウイスキーの水割りばかり飲んでいた。
「馬鹿が一人減ったわ。」
ひとり呟いて頬をさする。
ああ、もうひとりの馬鹿はわたしだ。
....
わたしの居場所
わたしの部屋
わたしの寝息
ここなんだ
この位置なんだ!
今はっきりと判った
ほかとは全く違う 感覚
ぴったりと
わたし、置き物になったみたい ....
振替輸送で到着した古戦場で、両軍相まみえる。タンクトップに手拭い姿が官軍で、外部から見えない部位に刺青しているのが賊軍だ。どちらも同じように満腹で、同じように一円玉が不足している。だから緒戦はいつも通 ....
何度目かの冬に
シリウスが描かれた
星たちはどれも
夜空の冷たい汗
三日月に触れる風光が
黄金色の鞘を象って
空をまっすぐに横切っている
羊たちのレム睡眠は
雨露といっしょに
裾野で ....
熱を帯びたむず痒さが
背中の真ん中あたりから
尾骨に向かって這い降りていく
机の上の観葉植物の彼方に
白い砂浜が見えたことにして
遠い目をしてやり過ごす
生まれた時から猫背の内 ....
この胸の中に
たくさんの海を隠している
{引用=
波のしじまに
アオウミガメ
置き去りのニケ
一粒のあぶく
}
七つの海、というけれど
{ルビ境界=くぎり}と ....
まだまだ暑いね
ガリガリ君でも
ケツの穴に入れて
何とかフン張ってね
君たちみんな
去年よりずっと
綺麗になった
カップヌードルがのびるまで
あなたのこと考えてた
かなしいけどおなかがすくから
ズルズルと
涙がでちゃって
おなかがいっぱいなってこころがすっかすっかになって
日常はなんとなくすぎ ....
幸せの反対は
なにもない ということ
うれしいことも
くるしいことも
なにもなければ 私は
生きているのだろうか
見覚えある花が綺麗に
咲いているのに 思い出せない
名前をいい ....
立てた柱に雲は降り、ためた霜にうるう香り
息をする間もなく朝の空気を飲み込む
死なないでねむけ 両のてのひらで香りをすくえない
浅くなっていく 汚れていなくなっていく 脳みそから真新しさが垂れだして
視界の奥はまっすぐになってしまった
....
たいてい たいてい たいてい
町中で眠る
夕涼み会が いたるところで
渡るところに 銀河のお家
積み木現場に サカナにみせた……
ねえ ねえ 探しに行こうよ銀河のお家
夜になると分子が ....
薬を
一錠ごとに
食べて
ドアを
閉める
その
繰り返し
風が
開け放された窓から
冬が春に変わる
ころ
の
甘く
しめった
匂い
狭い
病室で
私の
瘢痕 ....
この詩は
良くないのかも知れない
*
スターバックスで
言葉を無くして
コーヒーを飲んでいた
友達は
恋人と過ごしている
もう一人は
親と過ごしている
....
紅の月が昇ったら
宴の始まりだ
一人踊りを踊る
赤い月に恋をしてるように
一人歌を歌う
赤い月に届くように
私は紅の月が好きだ
赤く燃えるようね情熱的な月に恋 ....
土手道あるくと
草いきれ
生きとし生ける
名もなき命
あぜ道あるくと
緑の一面
稲穂ももうすぐ
あたまを下げる
あるく足取り
太陽のもと
呼吸とともに
あるくリズ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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