I あがないの子羊



I・I 刺すいばら、苦しめる棘


その男は磔になっていた。
目は閉じていたが、息はまだあった。
皹割れた唇が微かに動いていた。
陽に灼けた身体をさらに焼 ....
内部から
いきなり
つぎつぎ
現れ溢れる

言葉たち

色とりどりの
増殖する円の群れ
上方に伸びる大三角形

熱 帯びながら、燃えながら

直観に捉えられ
交わり結び
 ....
全てを忘れて飛び出したいけれど そういうわけにもいかず

作業しては休み 休んでは作業し 仕事を終える

帰宅 夜半 風呂 缶チューハイ SNS チャット 

ようやく寝る時間になれば 眠 ....
 ひとりで
 星を見る

 水を湛えた
 ナウマン象の足あとに
 両ひざを抱え
 転がした
 身体を透り抜けながら

 ひとりで見る
 星のひかりよ

 むき出しの
 大理石 ....
降って来る
ただ黙って
いくつもの小さな星が
その欠片たちが 降って来る

そうして星が降ると
僕等の心に穴が穿たれる
僕等は飛び立てない剥製の鳥
翼のかたちをしただけの ただの観念
 ....
潮騒の岩場に遊んだ日はいつの時か
孤独の壁に気付き響かせたのはいつの日か

病んだこの肉体引き摺り夜闇に紛れ込む
透明な呪いの声に旋律にリズムに耳澄まし


ビート、原初から
打ち鳴ら ....
  

僕が森に行くのは
そこに隠れている夕焼けを
あの日の夕焼けを見たいからで
森に行けないときは
こうして目を閉じている
できれば
君の息が聞こえるくらい静かな場所で
静かな気持 ....
大きな大きな渦を巻き
光の大洋を進みます
光は掴めないもの
だから、
どこまでも何処までも
進みます

熱、保たれ 熱、燃やし
明日の暁に自殺する誰か居ても
熱、保たれ 熱、燃やし
 ....
うちの子は
みんなそれぞれが
最高だ。
悪い部分もあるけれど、
うちの子たちだ


物に罪は無い
罪があるとしたら
それは人の行いにある
そして、罪をゆるすのは
人のこころ
 僕の隣に立つ女は長身でショートカット
 切れ長の吊り目が奥二重
 パーマのかかった短いまつ毛
 手に布製のブックカバーを持っている

 ああ、どうして彼女は
 こんな下地の色に淡雪の様な ....
宵闇も境目もやはり子猫のいじらしさとおもえば

(逃げているのではなかろか)
(束ねているので ありませ)


明日はたわわと実りいた
きみは仄かに唄いいた
沈着すべき河童の木乃伊
 ....
 
 日の傾いたまち角で
 ふと立ち止まってながめ見る
 昼顔
 香り無く素っ気ない素振りに見えた薄ピンクの
 一日花

 そのアナタが一瞬だけ、わたしへ
 ふるふるっ と 照れくさそ ....
いまはもう中心部からは消えてしまったが
都市の周縁部にはまだ電柱が立っている
電線が宙を何区画にも複雑に分割している
ひとつひとつの空色のピースは同じ形をしていない
再開発を諦められた地区の空 ....
この時期三日間晴れるとは奇跡です
と帰りタクシー運転手がいった
鹿児島港からのんびりフェリー4時間の船旅
油のような海をフェリーはゆっくり進む
五月の風が気持ちいい
宮之浦港からバスでいつも ....
あ、風くる、風くる、土曜日の公園で急に磁石のように方角をかえて真鴨の黄色いクチバシのように極端に長い、先の尖ったヘルメットが思わずぼくの眼球にぶつかりそうになる。そんな被り物をした一人の中年のメガネ男 ....  真実は逃げ足が早いんです

 真実は恥かしがりやなんです

 真実は冬眠するんです

 真実は直ぐそこにあるんです

 真実の扉をひらくのは自分自身なんです

 真実からは逃 ....
雨垂れ 一滴、また一滴
落ちて 落ちつづけ
あなたはグツグツおでん作って
わたしを待っていた

なんて空漠とした空間、
生活感の一切感じられない部屋で
あなたとわたし、
横並び お皿の ....
コロナが5類になってからマスクを外す人も多くなり、あれ?
隣に座っている同僚の顔ってこんなだったっけあるあるが、
あちらこちらでおきている毎日ですが、今はポエムの日々だなあ
とすごしています。
 ....
空想旅行計画


いく年も前から師匠と打ち合わせ
計画楽しいけどオトシが不安

曾良おもう空をおもうは我かしら
実際行った奥のほそ道

私より足が速い師匠かな
 灰色の空に
 厳しい線を画いている古城の天守
 何百年の年を支えてきた様に
 あなたは私へ
 愛を 支えようとしてくれている

 それなのに
 私は人の心を
 見つめられ
 ない
 ....
しずかうねるように 花、流れ
みちをたどりゆけば 炎、燃え

永久の瞬間、与え去っていくもの
永久の光景、開き消えていくもの

黒い円のなかに 黒い星の輝きに

  *

貴女は小 ....
こうしてファシの街は、アースランテの手中に落ちた。
しかし、アースランテは傀儡政権を置くことはなかった。
あくまでも、ハッジズはファシブルを併呑しようと考えたのである。
当然、ミーガンテもその牢 ....
いたるところに花は咲き
いたるところで花は萎み
街行く人の方向はあちこち
空は相変わらず青く青く
俺は歩道橋で破裂する
目から水が出るのは綺麗
鼻から水が出るのは汚い
鼻は目をひがんでいる

目から血が出ると恐怖
鼻から血が出ると心配
鼻は目を恐れている

目から鱗の話を越える
鼻の高い話をしたい
 ....
悪政はつづいている

自分は死刑制度は維持するべきだとおもう

国家が戦争を廃止しないかぎりは

国民であることの怒りとして

悪政を行った者に

不正を行った者に

 ....
その人は 軀がうすく
流れをまとい あたたかくして

偶然まとまった
誠実な想いや 花のかおりなど
求めなかった
誰にもひらかない
固くひき結んだ 白い口を
譲らなかった

 遠ざ ....
壊れた時計を
見えない
誰かが動かしていて
磨かれた姿を
にせた貝殻
月に凪ぎ 水辺に浮かぶ

街ですれ違う
あの娘と似た服がきらい
掴んだ鋏を布にすべらし
回転する午後は
苺硝 ....
駅前で少し遅めの「朝定食」を食べる。
ご飯、焼鮭、大根おろし、味噌汁、生卵、漬物という定番だ。
客も少なく静かなテーブルに座り、ゆっくりした朝を過ごした。

バス停がある時代を生きている。僕は ....
凍るような過酷さではないが

生温く
湿った
べとべとの逆境に

ずっとおるように思う

そういうときに急に
冷たい風が吹いたらどうなるか
一個いっこ
すごいこ
一個いっこ
たくさん

フワリ スー
(チリチリ ピリピリ)
スー フーー
(チリリ ピリリピ)

どのこも どのこも
さあ おきて

フワリ スー 
 ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
黒い光輪。田中宏輔11*23/5/29 0:01
ひとつのおおきな詩(改訂)ひだかたけし323/5/28 22:06
夢か現か短角牛6*23/5/28 21:54
星のひかりsoft_m...323/5/28 21:02
沈黙の流星雨岡部淳太郎223/5/28 20:27
貝 拾うひだかたけし4*23/5/28 19:00
夜に噛むためにAB(なかほ...723/5/28 18:53
光の旅路ひだかたけし323/5/28 17:11
※五行歌「物に罪は無い」こしごえ1*23/5/28 16:31
グラデーション[まち角2]リリー7*23/5/28 16:21
袤/染るあらい123/5/28 13:33
昼顔[まち角1]リリー6*23/5/28 11:49
埋設ゼッケン323/5/28 9:44
宮之浦岳縦走zenyam...2*23/5/28 7:53
サンドイッチマン本田憲嵩1023/5/28 0:48
真実の行方佐白光3*23/5/28 0:32
貴女2ひだかたけし5*23/5/27 21:58
自由なのは読者ではなくて書者なのです。足立らどみ6*23/5/27 21:14
空想旅行計画/ゴル、兼題まいきーさん323/5/27 20:08
曇天の城リリー3*23/5/27 19:37
貴女ひだかたけし323/5/27 18:31
ファシの戦い(十九)[group]朧月夜1*23/5/27 17:03
飢餓ひだかたけし423/5/27 16:18
ひが水イオン2*23/5/27 15:04
一応こう思うナンモナイデ...2*23/5/27 14:35
かぐやsoft_m...323/5/27 14:24
ことば かけら223/5/27 13:45
通行人1空丸1023/5/27 11:30
シロツメクサ奥畑 梨奈枝323/5/27 11:22
細胞日朗歩野1*23/5/27 10:17

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