月が青くて
やけにざらつく夜は
次の昼間に
訃報が届く
大きなカセットを
持て余しながら
余生のたるみを
巻き上げるんだ 昔は、君も俺も少年だったな
ヴィデオホームシステムブル ....
夜道を歩く。
住宅地を歩く。
誰もすれ違わない路地を歩く。
明かりのついた窓を見上げる。
一人で歩く。
気が済むまでぐるぐる歩く。
何かを取り戻せるような気がする。
憎けりゃ殴るし欲しけ ....
言葉は言葉に生み出された
それっぽい比喩でお茶を濁して
なにかを言ったような顔をして
結局のところ何も伝わらず
自分だけが悦に入ってる。
言いたいことがあるのなら
わかりやすく伝わりやすく言えばいいのに。
生き ....
ふたつの色の丸が見えると
きみはしずかに笑いはじめる
先端のなくなった世界で
分厚い空気をくぐり
人びとが屋根をたたみだす
鳥が
まっさかさまに飛びだしてゆくと
いよいよきみ ....
重たい鉄兜を被せられた人がいる
気がついた時にはすでにそうだったから
それが自分だと思い込んでいる
ゆらゆら不安定に生きていて
ある日たまたまどちらかに傾くと
それっきり右なら右
左なら左 ....
何十億といる人間というとるにたらない存在の一つが
何をぐだぐだとくだをまいているのか
KASS!!
そんな暇があったら さあ 空を飛べばいいじゃないか
屋上の端から さあ 空を ....
どこか遠くからきたりんごが
台所に座っていた
母親が小言をいう
父親がだまってテレビをみている
そんな普通の家庭に
憧れる私の目の前に
この時期しか売られないんですよ
売り場の女 ....
僕の声は
君を
空間を透過して
霧散する
音にならなければ
伝わらなければ
飽和して
溶け出してしまう
僕の範囲は僕だけだ
僕だけだ
全身タイツのようやぴたりと
僕の中だけだ
部屋は広すぎる
空気が多すぎる
空間が広すぎる
年老いていけば
自分ですら自分の ....
ねぇ
手、繋いでもいい?
私には勇気がないから
そんなこと絶対聞けないけど
君から言ってくれることなんて皆無なわけで。
黙って手を差し出してくれる
なんてこともない ....
遠洋定期船を彷徨う
過去の魂たちの
最初のクロニクル
交差したアトランティスは
キュナードを1番目から読む
清潔なニューヨーク
彼と彼は同時に
自分溺れの旅に
静かに幕を閉じま ....
積乱雲が雨を降らせる。
空が好きだな。雲が好きだな。それを映す
水面が好きだな。言い出したら霧を見つけた。靄も好きだ。
雲の根源は地上に流れる水にある。
葉の裏から出た水蒸気にある。
空が私 ....
僕は子供の頃金太郎飴がすきだった
でも一緒に暮らそうとはおもわなかった
金太郎飴よりは
それぞれ違ったいろいろな飴が
食べたかった
あまり関係はないが古い知り合いの井上さんは
....
それはつややかで
長い眠りを経て
化石が光輝く石になるように
半透明のクリスタルのように濡れて
小さな歯茎から芽を出した
そろそろと目覚め始める頃
歯のない人生にさよなら
歯のあ ....
うちらの仲間内で 化粧濃いのって
居ないよねぇ〜
そんな会話をしていた
誰かは スッピン フリークス
時には キラキラ アイズに フォーリンラヴ
だけどね キラッキラの 世の中 ....
流された血に名を問わぬまま白骨だけを拾っていく野犬
あざとく遺されたあたたかい痕跡の数が
ひとつずつ増えていくたびこの街の領空を
春鳥が埋め尽くしてはそこに勝手に墓標をたてる
花ばなの刹那/街 ....
詩を書くのはやめて、眠ることにする
君は真実
僕は虚構
君は嘘を吐かない
僕は嘘を吐く
君は「愛してる」という
僕は「幸せになろう」という
朝はすべてを照らす
夜はすべてを不可視にする
あらゆるものが背を ....
下を向いていることが なにより好き
下しか見えないから 当たり前
もっと前を見つめて 天を仰ぎみて
大きく羽ばたき
大きく羽ばたき
うん そのあと どうする ....
あしたの朝
夢を拾おう
ほんとうの空気を
呼吸できるように
息をしてる間に
きのうまでに見た
悲しい夢さえ
昇華されるように
時計のベルが鳴り
次第に目覚めゆく
駅へと ....
からっぽの溝に鳥が死んでいた
学校の帰り道
それだけでしょんぼり出来た
世界は知らないうちに壊れていた
世界はこころそのものだった
誰彼かまわず挨拶していた
た ....
1.
信じ続けることは海になって
みんな浜辺でお祈りをしている
空になれる日はきっと近くて
折り曲げた姿で翼を待ってる
消灯されていく物語たち
電光をやどす唇(すぐに手放す)
な ....
は 破断面 破壊の呪文 破滅の呪文
ひ ひれ伏せ 大事なことだから
ふ 復讐の泥に塗れて 二回言いますよ
へ 変貌を遂げる ひれ伏せ 変貌を遂げた私に
ほ 本当の意味で最後の最後 これは警 ....
「ねえ、こい、と、あい、って何が違うと思う?」
「こ、と、あ、が違うと思う!」
「そうじゃなくて、意味だよ、意味」
「えーっとね、こいは魚で、あいは英語かな」
「そうでもなくて…、えーっと…、 ....
かけた心を
また探してここにくるけど
あきらめ気分で
ページはめくらないと終わらない
つまらない小説みたいに
行間がやたら広いから
うまらない
逃げ出そうとする
心 居心地悪い
....
閑古鳥もいない 無音
「月が綺麗ですね」
大学からの帰り道
電車から降りて見上げた月が
あまりに綺麗だったので
写真には残しませんでした
呟いたりもしませんでした
私の指はとても不器用で
目の前にあるものを掴むのに時間がかかる
だから誰かがサッと掠め盗っていってしまったり
のんびりしすぎて消えてしまったりする
ビルの谷間に逆立ちで歩いている
理想郷 ....
すべらかな曲線の感触を
薬指は覚えている
残り香は闇にほどけて
薄らいでいくというのに
互いのささやかな湿度を
夜ごと貪り合った
決して同じではない温度が
夜ごと擦れ違った
....
2409 2410 2411 2412 2413 2414 2415 2416 2417 2418 2419 2420 2421 2422 2423 2424 2425 2426 2427 2428 2429 2430 2431 2432 2433 2434 2435 2436 2437 2438 2439 2440 2441 2442 2443 2444 2445 2446 2447 2448 2449
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.78sec.