耳鳴りがする、ずっと遠い。
静かになったと思い、見渡すと、島国は無くなっていた。
鳥がやっと一羽、乗ることができるくらいの岩礁が、
まだゆっくりとした白煙を上げている。
....
雪の音について語る パーソナリティー
無音は 存在しない
昔から しんしん こんこん
色んな 表現が 有るのだ 、 と
ここで 立ち止まる
訳には 行かずに
ハンドルは 握った ....
中身の分からぬ箱を
幾度も運ぶように夜は来て
色を静かに塗りかえる
重ねられた隙間が鳴く
地球の裏の蝶
緑へ落ちて
陽を弾じく影
あたたかな不安
永い永 ....
誰かが案山子に
帽子を被せた
誰かがお地蔵様に
上着を着せた
寒ぅなりよる
風邪ひかんでね
誰かが誰かのために
祈っている
なんの変哲もない
道々で
おとぎ話を温め ....
柔らかい つのは
とても臆病
誰かに触れるたび
驚いたように
身を縮める
もうこれ以上傷つけあいたくないのです
この世がそんなに怖いなら
堅い殻の中に
ずっと眠っていればい ....
中庭を突っ切れば垂れながしの異臭が鼻を注さしてくる 。
両脇に並んだ板戸を次々と開けどれもこれも汚物にちり紙の山だらけはとても直視できない 。
どこで用を足せばいいのか少ない紙を手に迷っ ....
文学、音楽、哲学、映画、絵、写真、を捨てる。
孤独を愛する事、をやめる。
夜にだけやさしく在ろうとしない。
男を殺さず、女を犯さず、夜盗を働かない。
夢の意味に絶望しない。
昼間 ....
日本に住む外国人と彼の国の話しをすると、大変不機嫌そうだった
この海原の先の先には
哀しく微笑む女(ひと)がいる
手を伸ばす先の先
来い、と言えばささやかに
哀しく微笑む女(ひと)がいる
陸と海の境目に
永遠の君は雲を千切りながら
僕を待つ
町並 ....
林檎は眼球の中で落下する。
それを先天性の疾患として嘔吐し
強い圧力を掛けて割ると
中から手足の無い胎児が産まれる。
日常を窒息させ、見知らぬ恋人にキスをする。
・・ ・
痛覚の一部分でしか無いのに、それを愛だと言う。
・・ ・
蚯蚓腫れした睡眠欲を、粉々に ....
階層構造
灰色の庭
作られた水溜り
裸の男と女の子供
ある一室の物語
滴る幻日の物語
燃える青
滲む黒
揺れる赤
靡く白
引き裂いて、
遠回り。
揺らめいて、
近 ....
止めどなくあふれる涙を
売ることが出来るなら私は金持ちだ
そんな妄想しちゃうくらい
涙が止まらないよ
自分の涙で溺れそう
そろそろ息が上手く出来なくなってきたよ
涙の価値って何 ....
まるでま(とま)るはなしはまるでおわる
。
思ったことを口にする
それは失言になることが多い
けれどそんな人に憧れる
思ったこととは裏腹なこと
しか口にしていないから
意識を裏切りながら生きているから
それでも最近は脳神経が ....
東の際に光が触れる
神の指先であるかのような
白く燃え立つ黄金だ
すると慄く暗黒の軍勢は
ぞよめきながら西方へ退却を始める
明け渡された海底の虚は
水圧の頚木を解かれ
藍から青へ ....
家にはないが
(ないから)
ホットケーキにはメイプルシロップ!
樹液!樹液!
髪と髪の狭間に青く
釉薬を塗り重ねたような闇
古寂びた寺院の奥に
水を湛えた器
紙と紙の狭間に深く
ひらいた掌のような蓮
連理呼吸さえ白く凍る
夜の淵で濁っては落ちる
夢より覚 ....
私が道路を歩いているはずだけど
私は同じ場所で足踏みしていて
道路が私を歩いているように感じる
私が世間を歩いているはずだけど
私は同じ場所で足踏みしていて
世間が私を歩いているように感 ....
一つのものをじっと視ると
目が熟してゆく
机上に置かれた
何の変哲もないコップに宿る
一つの目が、こちらを視ている
目の前にまっさらな木の板がある。
ペンを持つ手があらわれ
中心に名前を書いていった
それは一つの遠い約束。
生まれるよりずっと昔から
何者かに記されていた
あなたの名前 ....
ときどきとんでもないエラーをおこす
ちょっとの故障は外野に任せて
ひみつの処理がしたいときはマスクをかぶらせる
ねえ、指を立ててカーブでお願い、って言ったのに
マウンドから放たれたのはただの悪 ....
地下鉄のホームに
吹き抜ける風の方に
貼られたカラー写真の新聞から
「オリンピックメダリスト・銀座でパレード」に
押し寄せた人波の歓声が聴こえてきた
夜明けと共に、眠い目をこす ....
帰省時に バスに乗った
タクシーでも 良かったし
母の 車を 借りても 良かった
地元に 密着していた頃は
気付かなかった
外から 来た場合の 道を
撮影してみたい と 思い立ち
....
一日に関して
使用される時間の箔は
旅人の首筋に降りかかり
その歩みを止める
魅惑される獲得は
馬の口への旅
正しく終了した
多くの古代文明
船
海岸
通過
風
クモの ....
空のオフィスで
雲をつくる
風をつくる
空のオフィスで
日とともに
月とともに
居場所がない僕を
空が中に
受け入れてくれる
現世現場所現時間
いつでもどこでも
....
「月光魚」
木の若芽
鳥と木と宇宙を愛しながら
魚のように生きるのもいいな
ああ
今夜月の光をあびたい
月明りの森を泳ぐ魚になって
....
「散歩」
木の若芽
秋の清冽な青空に
高い木のてっぺんが
威儀を正して並んだ
あそこへ行こう
セコイアだった
大好きなやわらかい緑はすっかりなく ....
「祈りの作法」
木の若芽
たとえせまくて四角くても
空を見上げることは大切
たとえ都会で居心地悪そうにしている街路樹にでも
そっと心で話しかけるこ ....
…それは母音だけでいい
かきくけこ )と
(さしすせそをもぎ取り
ありふれたモノの中から
たちつてと )と
(なにぬねのを選びだせ
男たちから錆び付いた二文字を取り除き ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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