白くて少しざらっとした
鉱石のような植物
そんな草原で
石の人は
静かに一歩一歩
歩いている
目的は有れど
既にその石よりも
風化し忘れてしまいそう
傍らには
背中から ....
目からたばこが生えた
煙がおれの目だ
「人を愛せ」の「人」という字が
燃え盛っている
灰皿が
重油とタンカー
ガソリンは蒸気が燃える
トイレの個室と遠く離れた
廊下であったり
....
Agains
今年はじめての 雪でした
足の下に さくさく
冬の音がする
雪のつめたさに
舌打ちしたり
みなが冬をきらうから
少しばかり 冬は意固地になっていたりするのです
....
そんなことしてどうするんですか と言うので
しないでどうするんですか
ほかになにしろっていうんですか そう言ってやった
意味のないことを
意味ありげに言うな ばかたれ
死体の処理に困ったので
引きずりながら運んで
隣の松平さんの家の玄関前に
置いて来たんです
当然、翌朝、新聞配達の苦学生に
発見されて
警察に通報されて
大騒ぎになったんです
松平さん ....
出会った人 みんな私のことを馬鹿にして
あざわらっているんだろ
気の毒がって上から目線で
かわいそうにって
すぐに私はすみませんと言うだろう
真心を疑い、すみません
読んで ....
供述によるとお前は
うつくしい女と出会った
彼女は駅の階段でうずくまっていた
いくら声をかけても反応がなく
そっと肩を叩いたとき
顔をあげた女と目があった
お前はこれがほんとうの恋なのかと ....
駅でたくさんの人が下りたあとの座席に
包みが置かれている
忘れ物だ
ぼくはあわてて取って
フォームを歩いて
事務室にいって
遺失物の届出をしようとしたのだが
形のあるものでないと受け取れ ....
去年の12月のカレンダーもそのままに
今年の12月を迎えた僕の家
何か変わった?
そう言って壁際から
僕に問いかけて来ている
僕は何も変わってない
ただ、少し周りとの関係がややこしくな ....
かけおりてくる兵隊がいる
指揮だけがあって四季のない顔のない
丘のうえから
いっせいに声があがる
雲がわく
あがる声には
責任がないから自主性がない
....
いま項垂れているきみ
少しだけ顔をあげてみないか
いま立ちすくむきみ
少しだけ踏みだしてみないか
世の中は確かに酷い
世の中はとても苦い
でもね
ぼくもきみと同じだった
だ ....
しわ寄せは民に向かう
大誤算は最下層が被る
根本的な歪みが
少しでも露わになればあまりにも脆い
「文明」とはもはや呼べぬ文明
責任はなすりつけ合いの道具
いつからかそれが当たり ....
きらびやかな回路 敷設する真夜中過ぎ
2LDK 奥深く 冷たい重低音
書き表せない感情を言葉にする矛盾
月明かりを蹴散らすかのようにライトアップ
暗闇知らず 闇夜知らず
....
約束された
明日は無い
とはいえ今を
月の光る静けさだ。
わかっています、と幾度
こたえたであろうか
あの時
空から照らす透けた光にうつむいてさ
遠く遠い声であ ....
本当の自由を求めて空を見る
名も知らぬ黒い鳥が
隊列を組んで空を渡っていった
翼があるから自由でいいねと
そんなふうにつぶやくのは
自分の翼で空を翔んだことがない人間が想うこと
あ ....
あたい
あんたの
初めての男になんて
なりたくない
一生あんたの記憶に
留まるなんてご免
だって、あんたが
その後何人も何十人も
関係するなかで
初めての男は
ずっと比較対象なんで ....
僕の彼女は 今ごろ
生活が充実してる
僕の彼女は 今ごろ
トイレそうじなんかしてる
僕の彼女は きっと
なます なんかを作る
正月でもないのに
僕の彼女は き ....
陳腐な切実
ブックオフにかかる畳み掛けるような音楽
たとえばファンキーモンキーベイビーズ
白か黒かが重要で
買うか買わないかが重要で
たとえば年末ジャンボ宝くじ
....
目蓋の夜、窓の外では四角い人造石の街が美しく燃えている。
でもタバコはやめない方がよい。
目蓋の夜、見えない戦闘機が無差別爆撃をつづけ、火炎とすさまじい爆発音が窓ガラスを割った
....
何を
為すべきか
訊いても
効かない
玉の涙も
給わる標べ
*
名もなき
何か
帰すべく
来ている
たまたま生まれて
弾ははじけた
....
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ゆるりゆるゆる ひらきます
さむさのゆえの ゆるやかさ
ゆびさえふれず ながめます
ゆうやけいろを すこしだけ
もらいこくなる ....
明日ぼくらは葬列に混じる、くらい顔をした大人たちと、ぽかんとした子供たちと一緒に
明日ぼくらは葬列に混じる、急なことでちゃんとした服を用意できなかったことを気にしながら、どうしてもなおせな ....
私には何かが足りない
満ちた月が少しずつ欠けていくように
足りない何かが
少しずつ時間をかけて暗闇が私を包んでいく
すっぽりと暗闇が私を包んだとき
私はどこかに向かって
....
見上げる星よ、きみであれ
痛ましいほどに
疑いようもなく
きみであれ
忘れてくれるな、
燃え盛る目を
忘れてくれるな、
恥じ入る肩を
かろうじて ....
ものを捨てる
なにかを捨てることに
ときにためらい うしろめたさを
感じながら
一方では恣意的な解釈を
遠いツンドラの泥土のし ....
あたしの脳が溶けたら
きっといつもより倍緑っぽい
洟が出るんだと思うよ
今朝の寝起き
思いっきり洟かんだら
ドロッと大量に出て
心なしか頭が軽くなった気がしたんだ
そうだね、もう既に軟ら ....
正しさってなんだろう
正方形の角が 誰かの頬に食い込むとき
その痛みが 真四角の正しさを証しするのだろうか
正しさってなんだろう
まっすぐな線をまっすぐに歩くことが
そんなに尊い ....
ほぼ全裸の国技
ほほ笑みのリズムに逆らわない
紙飛行機乱れ浮く音楽箱
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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