讃辞
あなたのセーターは暖かそうだ
あなたの体は温かそうだ
あなたの体温は優しそうだ
心が優しそうだ
犬
霧雨がそぼ降っている
門灯はあかあかと
門扉は堅く閉ざされ ....
なぜ彼等はあの日、自ら日々の線路を下りて
漆黒の闇の彼方へ堕ちていったのか――?
地上に堕ちた天使等は、時に
ふたたび空へ舞いあがってゆくだろうか――?
地上に遺されたひとりの ....
日々の職場で、ある日
宿題が、天からふってきた
不器用な僕が
眉間に皺を寄せる
難解な教科書の、設問
この小さい両手の皿から
今にもあふれそうな
こぼれそうな、なに ....
腐食の挙句ぽっかりと空いた穴から時を刻むように漏れ始めたどろどろのどす黒い液体のような世界だ、さあ御覧、夜にだけ動き出す狂った器官の稼働するさま、ああ、数時間前の紺碧の空の幻視、本当だったのに ....
社会のルール
糞くらえ
鉄格子の棒さ
俺たちを
道理の檻に閉じ込める
社会の常識
くたばりやがれ
草刈り機の刃さ
可能性を
まとめて無為に帰する鎌
俺は虫の居所が悪 ....
君のことがいやだって
嫌いなんじゃないよ?
嫌いなんて面倒な事は
いわない
ただ、なんとなくいやで
一緒にいたくないんだ
鏡の向こう側で
わたしの顔が
わたしに囁く
君は ....
たまたま進化考古学という謳い文句の本で
出会った言葉
物の形の変化を三つのレベルで示している
時代地域を超えて普遍かつ不変な要素をフォーム
スタイルとはフォームの機能を満たしながら ....
昔
会社の中の仮面に疲れた人が
仮面を脱ぎ捨て 本当の自分になろうと
素顔で生きようと 闘争を挑んだ
だが
周りの仮面はそっぽを向いて
会社の素顔から出るむき出しの刃
....
だれのための人生でもなかったはずだ
色や歌や 波の寄せては返すいとなみも
だれかのためのものじゃなかったはずだ
黒も灰色も水もかなしみも
それぞれべつべつに落ちているだけの
それだけ ....
わたしはまだ、
本当の血を流していない
わたしの足元から
見えない厚い雲が
ゆっくりと動く
雲と呼吸を合わせると
静かに痛む、
嘗てのわたしの部屋
大きな流血の ....
振り返ってみるとそこまででもない道に
たくさんの足音が降っている
身を切るような寂しさは僕を離さないように
痩せた木に大きな目印をずっとつけてまわる
ねぼけながら真ん中のイスに深く腰掛 ....
突風だか竜巻だか
しんないけど
奴の進路を塞ぐように
四つんばいの格好で
お尻の穴を目一杯広げて
待ち伏せしてやるの
奴の破壊力と
あたいの吸引力
どっちが上か
勝負してやる
....
目が覚めるとまっくらだった
せまい せまい なにかの中で
時々すき間から光が漏れて
ここは どこだろう?
「君は ずいぶん小さいね」と
声が聴こえてきた
「君はだれだい?」
「誰でも ....
活動休止の理由は
限界を感じたから
本当に活動休止だ
ギャオ
ギャオ
ギャオ
もうハートが疲れた
壊れてしまった
どうして歌う事が出来ないか
黒板に描いて教えましょう
活動休止を選 ....
不幸だって?
幸福だって?
そんなみわけのつかないものに
騙されるなよ
夕陽がしみこんでゆくよ
私のからだに
今日もがんばった
私はがんばった
何の変哲もない毎日は心を鈍くさせるには十分で、感じた物事のザラザラとして無機質な部分を際立たせる。
無味乾燥としたこの部屋の空間に、
いったい君の何があるだろう。
無感動な日々の起承転結 ....
悲しんではいけないよ
なんて決まり文句
どこでも拾うことはできるけど
悲しみ
そこいらに落ちているもんじゃない
背後から黙ってやってきて
いきなりけられるようなもの
泣いてはいけ ....
貧乏自慢
二、三十万の金で
刺し殺されちゃかなわないから
強盗に入られたときのために
手持ちの金と
この程度の金を取られても
決して警察に通報したりしない
という誓約書を用意しておきましょう
判は ....
ずっと
近づけば近づくほど
絡まって
離れれば離れるほど
解けてゆく
そう、信じていた
それが突然、真逆へと雪崩れこむ
近づけば近づくほど
解けて
離れれば離れるほど
....
プラットホームを歩いていたら
数歩先で人と人とが
すれ違いざまに接触した。
体と体の打ち合う音がして
ボタンがひとつ
床に落ち、私の足もとに転がった。
思わずそれを拾い上げ
視線を元の場 ....
現実が歩くと言うので私はトイレに駆け込んで鍵をかけた
その中で私は虚構を排出し続ける
現実は次は自分の番だから早くしてくれと言う
その中で私は虚構を排出し続ける
虚構は野菜ときのこが腐った ....
紛れない妖
嘯くか現実
まほうは幻
感じてよ熱
余地のない議論
めぐらせよ策
予知された結論
おろせない幕
奪われた誇り
あきらめて自覚
おとずれた光
よみがえる感触
....
シュレッダーにかけられた美しい哲学も 空港で踏みつけられた時計の神経も 郵便に紛れ込んだ一粒の生命体も 残らずお湯の湖に浸していく 足から尻、腹から肩へと 気圧と水圧の嶺の接する所へと 宴は際限なく皮 ....
枕元に
吾輩は目覚まし鳥を飼っておる
朝六時
けたたましくそいつは鳴く
日に ひとたびしか鳴くことが叶わぬゆえ
遠慮などこれぽちもしない
起きなければならぬ
なんとも理不尽であるが仕 ....
エントランスとか言うな
工業地帯にほど近い
どこか鉄の匂いのする町の
杉板貼りの二階建て
くもりガラスの引き戸
開ければ土間と廊下
左手に下駄箱あり
廊下のは ....
泥のような感情を
いつまで押しつける
彼女の中に
何を残せたのか
それを知ってどうする
いつかのやりとりの中で
ギリギリで生きていた俺も
自分で手にかけてしま ....
詩を書いて
どうなるのかと
考えていた
疲れた心で
昼間は眠り
ネットをする 夜
まだ 金は
残っていた
すっぽりと紅葉を被り
ひのひかりを浴びる
こっそりと山を歩きながら
誰にも気づかれないようにと
鳥の鳴き声をまねて
飛んでいく
雲が急に流れだし
しっとりと山 ....
久しぶりのまばたきが
わたしにしみわたる
たった一度で世界をすべて
洗えるとは思っていないよ
日々あれもこれも忘れていく中で
でも、きっと忘れない
あの日の空、光
似たよ ....
2356 2357 2358 2359 2360 2361 2362 2363 2364 2365 2366 2367 2368 2369 2370 2371 2372 2373 2374 2375 2376 2377 2378 2379 2380 2381 2382 2383 2384 2385 2386 2387 2388 2389 2390 2391 2392 2393 2394 2395 2396
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.07sec.