前田ふむふむ
鳥が飛んでいる
ひとつの銃弾から
ひとが生まれる
羽が砕かれ
動かない鳥のなかから
声が生まれる
声は
夜の輝きである
ひとりが声をあげれば
....
葉を散らし、葉を散らし
刺々しい肌に手を触れる
ほろほろと崩れる外側に
掠れた自分を重ねてみる
空気が凍った森で
ひとり
皮を剥いで、皮を剥いで
痛々しい肌 ....
嵐が来る
嵐が来るわ
そんな予感が胸に犇めいて
まるで悪寒が背を這い上がるように
喉を突き破って飛び出そうとする
噛み締めた唇を割って
解き放たれようとしているのがわかる
抑えつ ....
愛されたかったと
声にも出さず 紙にも書かず
降りしきる錯乱に耐え
笑い立つ秩序を嘲り
愛という概念だけを知り
愛という無に向かって超越を繰り返した
生まれてからずっと孤独だったと
冷た ....
冬のショーウィンドウ
ドレスを脱ぎ捨てたトルソ
首の断面
剥き出しの木肌に上塗りされた塗料が
照明の光を湛えている
展示替えの前夜
殺風景なガラスの舞台
控えめなネックレスだけを身に ....
疲れていた
疲れた 詩を書くことに
僕は モナコで
蹴飛ばされたことがある 金持ちに
無印良品のパジャマは
あまり着心地が良いとは思えない
だけど 廃止になった ....
一人で踏ん張っていても
何もわからない愛のルール
傷ついて倒れる
そんな時ダーリン
助けに来てよ
愛の値段はいくら
高くつくのは間違いないが
青天井の賭けをするのさ
時には ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう
君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
樹木のセミヌードに歓喜する
セミヌードの樹木たち
きっと葉っぱが衣服なのだろう
じゃんけんで負けた方から
一枚一枚脱いでいく
かつて人だった頃
そんな大人の遊びがあった
フル ....
絶対、絶対
あの人に会えますように
明日雨でも
同じ時間に
バス停に立っていますように
何時ものように
一番後ろの左側の席に
座りますように
そして窓の外の景色を
じっと見ますように ....
頭がボーっとする
鼻かぜらしい
長椅子に背をそらして
胸の奥から息を吐くと
白い蒸気がもくもくと
汽船のように立ち昇る
僕は突然
大洋の中にいる自分に気付く
月夜の海を航行する ....
タバコを一本吸う夢を見た
しけた不味いタバコだった
そういやわたしはあれを一度も吸ったことがない
「一本目は不味いもんだ」
「二本目で上手いと思ったら中毒だ もうお終いだ」
と予備校の歴 ....
昨日がすごかったので、今日はぼんやりとしている。
(アベック、アベック。現場、現場おさえて。光源氏。)
テレビ画面のほこりが指で擦ったような形で剥がれてて、
そこだけ明るいのがなんか見づ ....
未知数の道数。満ち満ちた今を吸う。
未知数の道数。満ち満ちた日々を吸う。
未知数の道数。満ち満ちた今日を吸う。
道数が未知数。満ち満ちた明日を吸う。
未知数な道の趨。満ち満ちミチ美智みっちりみ ....
121205
今こそライフステージ保険はいかが
今朝もテレビが声かけて
草色の
セミヌードの笑顔を振りまいて
パン粉の小父さんの一日を惑わして
目が冴えて眠れ ....
君は少年のような頬と
薄い胸をしていた
感情が高まった時に
鋭く視線をさまよわせては
まるで炎を吐くように絶叫するんだ
震える肩からは
幾筋かの血が流れ
世界を汚していった
....
グラマラスって好き
ど派手なのがいい
中途半端はダメよ
あとになって
恥ずかしさ倍増だから
そうよ、体にだって
お化粧するの
乳輪には
長いつけまつげ
とアイシャドウ
おへその回り ....
○月○日
日記を書いている。
*月*日
日記として、刻まれなかったあの時間、あの日について。
三食きちんと食べ、寝る時間、起きる時間も申し分なし。規則正しい健康的な日々。こんな毎日について ....
ぼくはJAZZが好きなのに
チャーリー・パーカーのCDは持っていない
ぼくはRock'n' Rollが好きなのに
チャック・ベリーのCDは持っていない
ただ聴いていた時代はある
チャ ....
モンマルトルに世界樹が生えている
世界の中心から その根は 枝をほそらみ
スローモーションで 人々が朽ちるときにだけ
冴えざえと 好き勝手に舞いながら 全体としてと統一のとれたリズムで
....
{画像=121205153412.jpg}
稲荷寿司と太巻きが
如何に御馳走であった事か
材料は安価であるが
手間は恐ろしくかかる
ハレとケの区別があった時代
日々 ....
吐く息が部屋のなかでも白を語る
かじかんだ爪先に靴下を与えるでもなく
窓の外
早すぎた目覚めがかなしく
ひとりを悟る
{ルビ時間=とき}に負けて
遠のいてゆくあなたの微笑みは
ま ....
胸の中に生まれた種子に密かに雨を降らせる
晴れた昼下がりに教室を抜け出して光を与える
水槽から逃亡して肺呼吸を取り戻せ
摩擦による熱で発火 ノロシ
発芽に必要な条件を満たしてい ....
「を」の人
鍵穴を
開くための 旅をしている
夜空は うすら明るかった
暗かったのは むしろ樹木のあたりだった
いきものの息遣いがするほうが 暗かった
なにか隠され ....
愛を刻め
それは落ちぶれた残像
永久にとけぬ太陽
見えない幻までもが
戦慄の力を恐れている
ほころんだ未来が
偽りだと気づいても
もどかしい前進
がむしゃらな呼吸は
沈黙 ....
君のむき出しの肩を見ていた
流れ落ちる光を
むなしさで震える睫を
潜り込めたらいい
あたたかな水の底
繋がなくていい
僕の欲しいものはここにはない
結んで閉じ込めて
優しいのは ....
とても疲れた 何故だろうと思うけれど 僕には外の世界が怖い
顔を なじみの定食屋にも出せない 日々 松屋に入り浸っている
生きている感覚自体から風邪でもひかないかと思うほどに遠のいていく
美術館 ....
生きていたって悔しさに、潰され死に体だ
圧迫されて整形された
俺らは皆同じだ
にげろにげろ、
校舎の隙間を
プレス機にかけらる前に
走っていたって陽光に、照らされ立ちくらみ
汗す ....
なけなしの金を
銀行ATMから下ろして
伊東への旅に出たら
財布も口座も
すっからぴんになってしまった
安月給から食費だけは
嫁さんにあずけているが
幼い息子と3人で ....
君の記憶は教室に留まって
ぼくは忘れていくばかりだ
あなたの記憶はこころにあふれて
授業のことは忘れていくばかりよ
2355 2356 2357 2358 2359 2360 2361 2362 2363 2364 2365 2366 2367 2368 2369 2370 2371 2372 2373 2374 2375 2376 2377 2378 2379 2380 2381 2382 2383 2384 2385 2386 2387 2388 2389 2390 2391 2392 2393 2394 2395
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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