本当はしらない
頭も心も臓も手先も夢も理想も居場所も歌も声も理由も言葉も悲しい顔も
だいたい自分のじょうだんだろう。
順調に死にむかって船出する男たちが
道端の赤い花に最敬礼
彼らを見送るのは
むくんだ顔をまっ白く塗って
泣きながら笑っている道化
まっ白い顔に黒い星と涙の模様をえがいて
....
ひどい罵声が飛んでくる
いきなり物が飛んでくる
わたしも避けながら 投げかえそうとする
むこうでは 言葉が渦を巻いていて
次の言葉が 今にも襲い掛か ....
非常に疲れているときに思うのは春であったり、心地よい風景であったりする。自転車を買いたいと、僕は思った。そんなことはどうでも良いのだが。よく、あるべき自分についてのことがわからなくなる。つくしが生 ....
死ぬために
わたしという赤い水晶体が
こぼれ落ちた汚泥を胸に抱きしめて
最後の水道を歩いている船はもういってしまった
孤独が
わたしの人生の意味であるなら
わたしは十分孤独であったろうか
「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」
「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」「あなたが」
....
河の岸辺の柔らかき
柳の枝で縛り留め
貴女と私の幸せを
永遠にしたい
ただの一時さえ
繋ぎ止められはしないと
河は歌う
早瀬の石を撫でながら
おお
....
地震で死ぬために生まれて来た訳ではない
そんな気がする
地震から助かるために生まれて来た訳ではない
そんな気がする
そんな気がする、それが一等たいせつに思えた
こんな夜は ....
中村勘三郎が死んだ
勘九郎のイメージがぼくには強かった
ハッと驚いたようなとぼけたような目と口を思い出す
そばにいると誰もが惹かれた男ぶり、人間ぶりだったと言う
ぼくがそうなる ....
さようなら
かわいいひとよ
さようなら
さようなら。
あたたかな
秋の昼下がり。
日の光あふれる窓際は
....
あなたの頑張りに
その時 誰も気がつかなかったとしても
ううん。
それはきっと無駄なことなんかじゃない。
あなたがちゃんと頑張れたなら
それが
あな ....
思考は明滅する風です
それが運んでくるのは
電光の空模様と
ざらついたアスファルト
の大地です
わたしたちは帰れません
ここがわたしたちの家
思考が明滅するとき
ここに運ばれて ....
きっと君はおぼえていないんだろうな
僕たちが、まだ出会って間もない頃に
交わしたあの約束を。
それは記念日でもなんでもない
ごく普通の平日で
....
落下の速度を毛羽立ったびろうどで計ろうとしても
それは無理なはなし
皮膚の間合いに落ち込む沈黙に
耳を貸そうったって土台出来ない相談だ
言い訳は虚空にこぼれて散華していく
ただ幻のように ....
夜と朝の
境界線は
音もなく
やさしく引かれ
月の輪郭は
あわく
ほどかれ
いつのまに
僕らは
しんと
立たされる
夜の長さと引きかえ ....
手のひらを
空が ざわざわしている
手袋の上に舞い降りて
うっ、雪達は しまった まずいと むずむず
気が付いた
この肌に触れれば 飛べない水滴
水っぽい冷汗ならいいのですが
....
鼻の頭を
指で軽く擦るのが
きみの癖で
その仕草が
可愛らしいと思った
僕も
いつの間にか
真似するようになって
今ではすっかり
僕の癖になってしまったよ
そして
そうする度 ....
空から落ちてくるものたちで
世界が成り立つとしたならば
わたしたちはみな一部なのだ
遠い昔
かたわれを探し歩いた
海に続くこの道に
冷たい魂が落ちてくる
やっと逢えたと思ったら
....
この血であなたの心臓を突き刺したい
ナイフを手にその背中を追いかける
あなたは急に立ち止まり振り返って云う
刺せるものなら
刺してみろ
わたしはナイフを突き
刺し殴る
....
夜更けの
海には誰もいない
遠くに架かる橋の上で
季節の外れた蛍みたいに
車の光が通り過ぎては消え
動きの止まった観覧車が
隣で寂しく朝を待っている
砂浜へと歩き
波の寄せ ....
苦しみは注射以外いらぬ
父の死も母の死も
何もいらぬ
けれど苦しみは
私を愛しているのだ
飼い殺しの愛を押し付ける
いらぬものが
年と共にふえるのだ
風には名前がない
そんな重たいものを 引きずってはいない
風には身体もない
そんな窮屈な箱に 押し込められてもいない
捕まえることも 飼いならすこともできない
たとえ押し留めようとし ....
天然酵母は妊婦ですか?
いいえ、それは「頑張り」です。
皆勤賞はトマホークですか?
はい、元気です
首の皮つなげたまま前回り、空が反転した時僕は
まだ生きていることを確認し、懇切丁寧 ....
韓国や中国で
「日本の右傾化」が報道されているそうだが
むしろ近頃の日本が
左傾化していたのではないだろうか
「日本国民は、…平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全 ....
「ねぇ、貴方。」
そう呼ぶ 私
「うん?何?」
そう答える 貴方
その歩幅が
いちばん幸せ
教習車で好きな子の家の前を通る
クラス企画に誘われない
お隣の不味そうな飯の臭いがする
僕の膝の上で
小さく寝息を立てている
かわいい君
起こさない様に
そっとテレビのリモコンを
無理な態勢になりながら
んぬぬと慎重に手を伸ばす
そんな不自由が
案外心地よ ....
もう一度あえたらいいなと思う
僕たちは日だまりのなかのベンチに座って
何もしゃべらない
言葉はすでに失われてしまった
もうすぐ思考も
輪郭も失ってしまう
だからもう一度あえたらいいなと思う ....
2352 2353 2354 2355 2356 2357 2358 2359 2360 2361 2362 2363 2364 2365 2366 2367 2368 2369 2370 2371 2372 2373 2374 2375 2376 2377 2378 2379 2380 2381 2382 2383 2384 2385 2386 2387 2388 2389 2390 2391 2392
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.68sec.