お前の名前は悲しみなのだと
その女は言った
あれは夏の夜
目眩のするような
焦れったい熱を知った
本能を知った
美しさと、醜さを知った
嫌悪と、不安
少しの嫉妬
鞄の中身 ....
これでおしまい
さよならする
かなしいきもちに
さよならをする
なかったことには
できないのだから
おぼえているしか
できないのだから
これでおしまいにして
このさきのえ ....
体臭は毛布のようだ
男臭い布団はそれだけで暖かい
男にとっては逆だろう
遠い子宮の記憶を辿り
疲れた胎児は体を丸めて
全てを忘れて眠るのだろうか
女の体の匂いの中で
私には子宮より
....
冬になるときみは
樹下の落葉をひろい集めて
ぼくの胸のうえに載せ
火をともしたものだ
それ以外に
やり方のないような手つきで
あのなつかしい ....
孤独は堆く
薄緑色の小鬼が
片目を瞑って
夜道を歩く。
飴色の酒壜を携えた
一人の小汚い男が
片目を瞑って
夜道を歩く。
それぞれが
それぞれに
それぞれを ....
今宵、風の
滑るような冷気の端に
一本の象牙が生えていて
きみは両手で
そっと包みこむ
通り雨の過ぎたあと
かなしさの残る街の片隅
電 ....
ひとつはまだひとつです
ひとつを聴くから ひとつです
ひとつをひとつに捨てるもの
ひとつをひとつにまとうもの
ひとつの上には何も無く
ひとつの径がひとつです
ひとつがひ ....
鼻の上に居座ったまま
下りようとしない救世主
手も足も縛られたあなたが身体を揺さぶり
奴を落として死なせたとしても
誰も非難などするはずもない
あえてむらさきの血を口にす ....
今が 日付を一歩跨いだのか
時が 向かい風のようなのか
昨夜から
今朝へ
光が溢れ
新雪積もって白紙に戻り
一文字人文字人間が
寒い眠いと起き出して
....
大通りを一本奥へはいった
ラーメン屋の先の三叉路の角っこに
その八百屋はあるんだ
狭い軒先に段ボールが並べられ
曲がったキュウリや
太さも大きさもまち ....
としつきのいとおしさに溺れるまま
カレンダーは残り一枚となった
まるでおらの余命のようだ
老いのうわべと衰えのもとでは
ターミナルへの興味は傍観に等しい
乗り継ぎ駅には関心がそそがれた ....
「なんとなくそこが正しい」
なんて流れに適当に乗っかって
楽なところで生きたくないだけです
一瞬生まれた疑問符を無視したら
自分の一番嫌いな人間に自分が近付く気がして
....
ほのぼのとしたことを書いて
心がポカポカしてきたので
寒い夜でも
なんとか頑張れそうな気がします
あなたも
私の言葉で
とても癒されるって
言ってくれましたね
自分だけでなく
....
あっちゃむいて、ほい! あっちゃむいて、ほい!
たまには向きおうてもええんちゃうん?
こっちゃむいて、ほい!
本質的な僕たちが
本質を詰まらせて
ぐうの音も出ない
散乱して
僕たちは
死にたいの前に
生きたいの前に
なんだったか
わからないまま全てだね
洗い髪を
ぬるい風通しが
....
まだ世界のだれも口に発しないが 日本人はすでに絶滅危惧種に指定されている
だけど日本人は得意なのだ マイナス思考を跳ね返すことはどの国も右にでれない心意気を持っている
一、石
石には普通、感情はないと考える。しかしある。
石はほぼ性別は♂である。しかし、生殖はしない。無機質なものには♂という性別があるものだ。
石は考えることが好きである。ひたすら考える、そ ....
少しきしむ階段をのぼれば きみの部屋
端から二番目…
ミントの煙草の匂いをまとった 気まぐれな人だった
手を離すと どこかへ いつのまにか
消えてしまいそうで
い ....
耳を障る青
君を貫く絶頂
零敗した指先
誰かを欺いている
自由はいつも鎖に繋がれていて
自分勝手な覚醒のあと
ひとりぼっちで解放された
遥か遥かのおとぎ話は
誰かの ....
遊びってものをわたしゃ
ほとんど経験ないんだよね、これが
今だって、真面目に
考えようとしてるし
義務じゃなくただ楽しいこと
リアルじゃなく目的がない
ルールがあってもその場限り
有 ....
ひとつ ひとつの
哀しみと
ひとつ ひとつの
喜びを
透明の結晶にして
華のように
星のように
この躯に降り注げ
言葉にならないコトバを
小さく折り畳んで
胸の ....
めざまし時計の音がいつもより二分ずれ
階段をころげ落ちる木の葉が回る
床に面した開き扉と
射しこんだ光線のかもしだす朝
洗濯したてのシャツをさっさと着替え
喉に通らぬパンを無理に押し込んでか ....
雪が降るね
私の中に
あなたの窓に
世界に
信じるのは簡単
みんな私を
通り抜けて
世界は
雪が
地表に舞い降りて
アスファルト
地下に抜ける
もう
キミは雪では ....
寒風ふきつける新年のころ
子どもは白いカイトをあげた。
冷たくはしる急斜へつよく
糸はするどく牽引する
指はきつく締めつけられ
羽根は烈風に呑まれ舞い散る。
こめかみを撃つ固い痛みが
....
行くとこ行くとこ休館日
歯ぎしりでイルカが集まる
健康に殺される
けたたましく掻き鳴らされる警笛の
過去の記憶を振り切って
今日 昨日まで立ち寄らなかった
この鉄格子をくぐる
倦怠は賭けへの不安
後悔は過去への依存
今日 きみの躰から
ぼくは昨日と ....
夜空に
ひとつ 輝く星に
私は望む
ずっと
そのままでいて、と
叶えられるはずも無いのに
そんな事など知っているのに
星が消えていくこと 寂しくて
私は
また願いを紡 ....
ミツコがぐるぐる
回転しながら
天に召された夜
マオたんは
グリグリ食い込んだ
コスチュームで
こちらも三回転を
これでもか
というぐらい跳んでいた
いつも考える
コスチューム無し ....
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