早朝の散歩で
ふと、こちらに合図した
草の露に宿るひと粒の太陽
それがこころの鏡なら
一体どんな思いを
反射して
私は歩いてゆくだろう――
今日も少女は古着姿で
脇に小さい黒板を抱え
貧しい{ルビ童子=わらべ}等の集う学校へ続く
土の道をゆくだろう
今年も一年、この黒板に
どれほど白いチョークの文字が
書かれて ....
名曲喫茶の壁に掛けられた
額縁の中で
貴公子のようにすっと立ち
時を越え、こちらをみつめる
リストの目
(こちらに来なさい・・・
世を去った私達の賛歌に耳を澄ましてから ....
あの方を好きになったのに
あの方のことで頭が
いっぱいになるはずなのに
私は滅びていく
恋すればするほど空になる
どうしようもなく君を思うのに
あの方は私の心にいない
あの方がわから ....
きょうは街が
青く繁っている
角じゅうに発生する
感情を食べているので
三時になったら
たばこ屋の角を曲がる
ひとつの体を
なんとか動かそう
雨がふっても
きっと曲がろう
....
白くなんでもいいので紙やものに 血が一滴、ひどく滲むだけで
怖くなる 物怖じしなくなる くれないの闇になる。
夜
すべるような肌のうえで
銀色はしずかに鳴り
あなたの呼吸とおなじ間隔でふるえながら
ありもしない幸福に
触れることさえできる
朝
目を覚ますまえに君は
降りつもった時間を
....
波打ち際で過ごした時間はメロディー
生まれ育った小さなこの街で
今も生きている大切な記憶
あの日の約束は
透き通ったまま心にある
星空と潮の香りは
忘れかけた想いに寄 ....
足を軸にして回れば、みたことのある夜が必ずくる
ついさっきのように俯けば 目の前に電灯が飛び込んでくる
歩いた先がどれだけ先でも 走った先がどれだけ流れても
晴れる日が いつも夜が打ち消していく ....
何処も
雪で覆われて
冷たさで覆われて
その中を
私の歩く音が寂しく響く
手が悴む
吐息で温めようにも
寒さは続いて
そんな動作でさえ
この冬に溶け込んで
また雪を降ら ....
私は脳内で
鼻歌をうたっているが
これはなんていうのだろう
脳歌とでもいうのか
音符と
ことばと
色つきのうたで
いろんなところに行ける気がする
平和な気持ち
ただだれとも共 ....
苦しいだろうと言ってくれ
悲しいだろうと言ってくれ
いまは
金も名誉も酒も男も要らない
いままで慰めを当てにしてきた全て
いまは 要らない
やめた筈の煙草が恋しい
あ ....
画板のうえに
赤と
青を置く
青のための赤と
赤のための青
意味
固い殻を剥かれた
何者かの咳
ボクは
健気な韓国の女性に恋をして
ココロが苦しくなった事がある
ボクは
あどけない中国の女性に恋をして
ココロが痛くなった事がある
ボクは欧米の女の子達と同じように
....
町々を飛びこえてゆく雲の上からは、今日もまばらな民家の屋根の連なりが見渡せる。かすみに透けた淡い屋根瓦の下を、身支度をはじめる人々の息づかいが流れている。その民家の屋根の上、暁の酸化光につややかにの ....
ひとりでしずかにしているとき、空になった心を涼しい風が吹き流れてゆくような沈黙で満たされているとき、ぼくははじめてぼくひとりになる。思い出でなく、希望でなく、ただ今のぼくとしての意識、その空虚なつめ ....
冬の花火が悲しいのは
消えてしまった後に吹く
冷たい北風のせいさ
という言葉を残して
権力の座を
弟に奪われた
金平頭さん(50)
あれは
花火ではなく
人工衛星でもありませ ....
パトレミスの海岸線のうえ
対岸の樹木のかげうっすらと
水辺より空はかすかに白ばみ
薄青のそらをうすい雲がすぎて流る
エレナ・マイヨールは農場にのこされた機械のかげを
すばやく片づけられた部屋 ....
紅葉のこぼれ落ちた
駅前帰路の並木道
車の往来は失われ
したたか飲んで帰る夜更け
等間隔の街灯の
ぼんやりした厳冬の下
黄色い色した清掃車は白煙を上げ
箒を手 ....
銀のジュラルミンケースに
細く口を開けて待ち構えるなにか
じゃあ あたしから
若いころのあの人と撮った写真
大事にとっといたんだけど
ね 白黒の いいでしょ 気に入ってんだ
....
いまこの国の抱える決定的な悲劇は
プロフェッショナルがいずアマチュアばかりだと
ぼくは想わざるを得ない
もちろんアマチュア精神はそれはそれで
大切なことだとも想うけれど
でも金銭を貰う以 ....
今日は雪が降ったな
言葉遊びみたいに
雪が降ったな
言葉に遊ばれる
じかんは雪かきを
はじめるんだろうな
なんかの生物みたいに
生物じゃなくなったら、
冷たくなって、
たちまち埋もれ ....
流れ星をみつけては
「る」とちいさく声にする
さむさにふるえ
さいごの一文字ばかり
くりかえし、 ....
換気をしない寝室に置かれた重厚なベッド
ヤニ色のシーツ
飛び跳ねて遊んだ子供の名残
ベルベットのカーテン
隙間からこぼれたゼリー状の夕日
部屋にこごる朱
透明な朱色のゼリーの中 ....
封筒の右端に犬小屋を建てました。
赤いペンキで塗りました。
そこで手紙を書きました。
とても短い鉛筆で。
さいしょに友達の名前を書きました。
つぎに夜のあいさつをしました。
あたらしい ....
納涼の涼のとなりにバンパイア
冷蔵庫に忘れ物がいっぱい
梅田さんと 佐藤さん(17歳〜27歳の女子2人組)
『 サンタさんになりたい 』
佐「あんな、私、サンタクロースになりたいねん」
梅「なんやの、いきなり」
佐「12 ....
詩は傷みです
あなたとわたしの間で
血が流れるように
空白を引き裂いた文字です
詩は苦しみです
あなたとわたしが共に
吐き続けたように
空白に汚れたままに散らかした ....
.
‘のはらの果てはシベリヤの天末’
その遠いけぶった海原から
意識を失った帆影のように
異郷の文字列は削られ吹き寄せてくる
.
地は舞い上がり白い靄と化した
その天空 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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