空の彼方
とどまらぬ言葉たちの墓場があり
雲にたとえられて
蠕動している(墓場は成長している)
きみの不自由さを
解き放つものなど
他人の手からは
与えられはしないよ
ふっとわ ....
離れないのです
鼓膜から脳の髄まで焼き付いて
離れないのです
母無き子の嘆く声
消えないのです
あの小さな幼子の
必死でわたしの袖を手繰る感覚が
....
白ひげのオヤジに
頼んだはずの
プレゼントは
最新式のラブドールだったのに
これは一昔前の
塩ビ製じゃねえか
クツに入りきらないなんて
つまんねえ言い訳すんじゃねえよ
安物で済まそ ....
あなたが切なくて悲しくてやるせないとき
それをどうやってやりすごしていますか
愛するひとに逢いにいく
とてもいい方法だと想います
でもそのときに愛するひとがいなかったら
あなたはどう ....
わたしの彼氏は
中部大会で入賞した事もある
腕利きのバーテンダー
だけど全然気取らないで
お客とワイワイやっている
彼の初めてのキャリアは
氷屋さんだったそうで
そのせいか氷を成形す ....
高い天井
絨毯に吸い込まれていく足音
息づかいさえ聞こえてきそうな静寂
ページを繰る音も
遠慮がちな小さな咳も
潮が引く様に遠のいて
異様な錯覚に陥っていく
あたりが歪んで
異空間に迷 ....
クリスマスツリーを折りたたみ
鏡餅を拓く
雨と雪の間の空気の粒が空に見える
コトコト煮込むなら今から始めなければ
またの支度
清々しく生きる支度
時の巡りを艶濃ゆく打ちのめされ ....
ちょっと待って!
手を伸ばして
あなたが触れようとしているのは
虚像かも知れない
想像を妄想で膨らませたあげく
はじけた残骸が飛び散って
憎しみに変わったりする
世間では
....
雨上がりの用水路
垂直のコンクリートを
ハサミをふり上げながら
カニが器用に歩く
ご挨拶をすると
立派なハサミをさらにふり上げて
立ち止まった
カニ君
待って!
....
今日は
あるところではお祭りらしい
ぼーっと
記憶を乱雑に散撒いた部屋で
誰かさんを想う
このちっぽけなカードには
何千枚もの僕が眠る
ずっとそこに居座ってい ....
アイスコーヒーが、溶けた氷に薄まる。
その前に飲みきろうとするわたしに、
オカマ野郎が、友達が欲しいだけでしょ、と言った。
もう両手が、袋に包まれていた。
....
握り潰され、踏み潰され
ひしゃげてしまった空き缶の中には
まだ誰かの生が底に残っている。
それがそのまま
路肩に投げ捨てされて転がっている、
溢れたゴミ箱から滑り落ちている。
木漏 ....
愛しい貴方に逢いたい
優しい声が聞きたい
温かい腕に抱かれたい
いつも
貴方を思い出してる
でも
いつかは
そう いつかは
私の胸を苦しめてしまうから
涙が溢れてしまうか ....
冬の寒さが
体中に張り付いて
息をするのにも苦しい
愛しい残像が
今にもこの雪に埋もれてしまいそう
吐息さえ逃げないで
愛しさだけ置いていかないで
私を一人にしないで
....
どこまでも続く空。
12月の空。
特急の窓に広がる雲。
飽きない。
いつまで
眺め ....
腹弛んだ
耳を澄ました
目から水が出て
気づかれちゃった
隠そうと思えば隠せた
胸を上に曲げた
続かなくてまた辞めて
夜が深くなるのに慣れ
僕は浅い川に浮く
変わ ....
光について語ろうとして
君について語ってしまうわたしを
どうか許してください
闇の中を歩くのは怖い
すくんでしまう足を
立ち止まる背中を
導いてくれる光
君はやっぱり光なんだ
....
英雄を構成している
悲劇を手の甲で隠した
幸福も隠れてしまった
勇敢と有能が残る
君を構成している
悲劇を心臓にとらえた
孤独に依存している
使命とシ ....
サンタクロースの
魔法がとけるころ
子供は無邪気な子供でなくなり
世界のファンタジーは
魔法使いになれなかった
大人が作っているものだと知る
ネズミーランド
幼いキミは
ディズニー ....
I wish my wish I wish my wish
宗教や人種の違いで 人々が争い血を流さないように
I wish my wish I wish my wish
幼い子供たちが ....
あの子は大人になってしまった
彼女は虹のたもとで
まだ
じょうろを握り締めている
***
鈍色のカーテンを引いて
人々は眠りについた ....
眠っていた
わからない 誰が 誰だか
将来に絶望させられていた
そして 流した 涙を
夜更けに
そう 思っていた
知らない女と二人で
もみくちゃの 髪で
生きて ....
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ささやかで良い
誰を祝うでもなく
チビどもとケーキを
幸せな人々に及ばないが
不幸というわけじゃない
これで満足出来るな ....
世界に伸びる影は 果てがない。
高層ビルは嘗て草原だった土地の上で立ちはだかり、
飛行機は嘗て届かぬ雲の上を滑りゆき、
断崖絶壁から人間は歩きはじめる。
鷲が飛ぶように 影は大地を ....
ミッキーマウスは ビックマウス
ほんとうのネズミは 目が ほとんど見えなくて
光と影くらいしか分からない
見えなくても見える方法を 知っていたり
いや 知らなかったりする
オーストラリア ....
高い高い塔の上
いにしえの鎖の枷のその先に
脱ぎ捨ての襤褸と見まごう
汚物まみれの女の転がる
まだ生きおるぞ
ひび割れの口ぱくぱくと
慟哭、悪罵も枯れ果てて
面影に爛れの眼から涙を流し
....
握手した手が離れなかったのは
わたしのなか
一日が
眠りの中で
すこしづつ
記憶を消していく
ゆっくりと
あの時の
わたしは
眠りにつくから
眠りの中の
眠りにつくか ....
あそこにある棒をとってください
ええ、宏君の顔が変化したものです
ここに足の5本ある赤ちゃんが
くるので祝福してあげてね
いらっしゃい
あなたの水が空中をまわる
あそこにある棒でわ ....
内科につれていって
眠れないから、と
夫にいう
夫は頷き
やけに尖った車の鍵を取る
ちゃらり、と手のひらが鳴る
大きい車は苦手だったはずが
高い窓から外を見るのにも
慣れて ....
紅白歌合戦に誰がでるのかとテレビは繰り返し
コタツに老婆がひとり
印刷された年賀状に「今年も健康でありますように」と、娘に書き添えた
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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