終息に
ともなう安堵
かすかな
心残りを秘めて
三月が来る
中原中也賞を受賞した或る詩集を読む
悲しいことに心が揺れない
この詩集の良さは
三月が来ようとも
きっとわたしにはわか ....
ひとであったような気がする
初めから
ただの意識だったのかもしれない
どちらにしても
たいして変わりないだろう
何がしたい、なんて
真面目にきくなよ
浮かんだそばから
シャボンみた ....
ふかく強く
ひとりの人を愛した
唯一絶対の人と信じて
今日があった
ただ五月雨のように
哀しい瞳をした
少女ではあったけれど・・・
時は切れ目のない波
凪いだ海の
ゆるやかなうねりのいただきの
光るところから
暗い窪みまで
隈なく見つめていた
幼い日
小学校でいやなことがあると
深くうねる波の底に下って
浮か ....
二月生まれの四人の合同誕生会をした
九歳と三十二歳と三十六と九十七歳
九歳は私の娘
九十七歳は私がアメリカに来た当初とてもお世話になった人
三十二歳は九十七歳を通じて知り合った子
三 ....
風が運んできたのか
優しい匂い
ほこほこ土が盛り上がり
暖かい感触
もうすぐかなと待ちわびて
木々が揺れる葉々が笑う
私は光を浴びて
川を心地良く流れて
....
AVコーナーの中に並んだパッケージを見つめていた
フランスかカンヌで見かけたことがあったのは アメリカ製だった 僕は
淫らなものがこんな風に大量に生産されるのは異常だと思った
そうだ 見る方も作 ....
生卵を飲むのが好きなのは
畑からひっこぬいたそのままをかじるような気持ちがするからだ
根野菜を泥もろとも食うなんて御免だが
わらくずや血で汚れた卵のほかほかと可愛いこと
鶏の尻 ....
星は僕たちに距離を教える
月はときどき涙の処理のしかたなんかをけっこう親切に教えてくれる
隣の親父は怒鳴ってばかりで僕も親父なのでちょっと哀しいが
遠く切ないもの
六本木ヒ ....
あの人が見ていたという、海へ行ってきた
広いような気がした
コンクリートのざらめを感じながら
頬にあたる香りをかぐ
待たれている夜が重い
遠くの島と島とを見ながら
あの人の口の中を ....
おりの外には、どんな世界がひろがっているだろうか。
ぼくの住む街は、毎夜毎夜、サイレンがなりひびく。どちらにしても、おりの中にいれられる人がいて、おりの中にいれる人がいる。
おなかがいたい ....
夢の底は平らである。足元はアスファルトのように冷え切った灰色で、硝子のようにツルツルとしている。
夢の底は暗闇である。たった一本の街灯が放つ白く、おぼろげな光のみが頼りだ。
夢の底は広大であ ....
てのひらにね
魔法なんかないけどね
少しおもいやりの芽がある
指先にね
ひかりなんてでないけどね
君のきもちがつたえるものがある
白い紙をみつめるふたりの
想いが いっぽんの線に ....
一年が終わる。
一年生が終わる。
二年生が終わる。
三年生が終わる。
ここまで書いたノートを見せてくれたから
詩が書きたいの? と聞いたら
君はこくんと頷いた
そうか それなら ....
三月の卒業シーズンを
前にして
御礼参りされるぐらいなら
先制攻撃しかけたる
といきまいている
日体大卒の
ハンドボール部顧問
漢字が苦手で新聞
読まなくても
今はちとマズイってこと ....
発見!報告!
どでかいビジネスだなこれは
ノーフーチャーでかつリアル
ごくナチュラルレイヤード風な
生きていくということ
そういえばなんでも曖昧に仕上がるから(コーラス)
「 きみ ....
あの風船おじさんが
実は生き延びていて
流れ流れて
エジプトにたどり着き
気球のパイロットに
なっていた
という都市伝説を
思いついた奴は
エジプトだけに
思考カイロがおかしい
と ....
インド服を着た男の人が
エレベーターの中で
みんなに挨拶をしている
不透明な窓の向こうに
一律に外があるとすれば
それはすっかりの春だ
古い鉤括弧は捨てておいて ....
痩せた小錦に
似てるって言われて
嬉しいわけねえだろ
ハワイだけに
ウクレレ弾きながら走る
炎のランナー
イン
ホノルルマラソン
開始200m地点で
あ~あ、やんなっちゃった ....
ぼーっとぴーぷる、、、
肌の匂い
近づけて思いっきり吸いこんで
君の匂いがするよ
耳元でささやいたら
胸の中がくすぐったくなってきて
匂いは体中を駆けめぐる
体 ....
この道は
どこへいくのだろう
あの日の道は
夜露にぬれて
涙よりさきに
だまってないた
星はあったか なかったか
空の遠さに気がついて
涙よりさきに
だまってないた
....
日々のなかで
靴がすりへっていくように
私もすりへっていくの
素顔は仮面だらけで
私のままって 何なのだろう
ふいに ひとりきりに
逃げこみたくなるの
みんなのそばにいたいのに
心 ....
滴り落ちる血は
私と水底をつなぐくさり
どす黒い血が
雫となっては広がり
水底へ積もってゆく
そのたびに私は
血にまみれながら
浄化されていくの
痛み 伴いながら
血の重さに ....
やったことを証明するのは
容易だが
やってないことを証明するのは
容易ではない
むしろ困難と言っても過言ではない
痴漢犯罪に於いて
冤罪が生まれるのは
そのひとつの例にしか過ぎない
桃色の夕焼けが
あなたの空に広がった
わたしの空に広がった
あの桃色の夕焼けは
どこかの誰かの目覚めの朝焼け
桃色の朝に起きる人へ
わたしは今日、愛に心目覚めました
木の上で卵を守る ....
詩人になりたくて
カエルは右手を草影に隠し
知識を公園のベンチの下に捨てた
詩人にはなれたけど
なんか思っていたのと違う
詩人をやめたくて
詩人は右脳と心臓を入れ替えて
言葉を海に沈 ....
気休めだって
いいじゃないか
飛び降りたのが
二階だろうが
三階だろうが
大した違いは
どこにもないし
叩かれたのが
右の頬でも
左の頬でも
痛いのは痛い
仕方な ....
励ます誰かの言葉より
一緒に歩く仲間になろう
哀しみ哀れむ涙より
心に響く歌声が
砕けた心を蘇らせる
失ったことを忘れないこと
それと同じくらいのこと
これから何かを求めるため
進 ....
別世界に行ってみたいなぁと思う瞬間
ちょっと自分は 疲れているかなぁと思う
憑かれているよりは マシかぁなんて慰めた後で
衝かれて歌う 三時間
久し振りに 自由気ままに奏でたけれど
....
朝
まっさらな白い紙に
一篇の詩を書きつけ
それを食す
奥歯でかみしめていけば
罫線はよじれ
句読点が記号に戻っていく
口腔内の温度で意味の糊付けが剥がされ
構築された言葉はゆるり ....
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