なくしたものは薄緑のバタフライナイフ
あぁ 探しまわった
しけたポテトチップを延々噛むみたいに
どうしようもない孤独をわかったうえでの花畑だったんだ
銀杏の木を不透明な骸骨たち ....
昼間吐き出した言葉が
口腔にわだかまって
何時もよりも
唇が重たい夜は
眠れない
まばたきが呼び水のように
なっているようで
目を閉じるたびに
一粒ずつ言葉がこぼれて
ぱたり ....
雪がひらひら
音符もひらひら
地面を濡らし小さな音を鳴らす
鳥が嬉しそうに鳴く
空からどんどん降ってくる
賑やかなパレードがはじまる
白い残響が地面を覆う
旅 ....
人並みにまぎれながら
どこに行くのだろう 今日も 流れていた
駅の構内の黒い頭の渦の中で
全員がそれぞれの方角へ あてもなく
迷い立ち止まることもなく
緑線の汀 ふわりと蒸し
温い風に身を委ね
寒空の下に立ち尽くす人 想う
悠久の時よ 軽々と瑞流れ
いつの間にやら 既にいつかも忘れ
霞ませながらに 塗り潰して行くのか
「ああ 流さ ....
子供色の産声が虹になる ようこそ春
肌に窘めの風 中身をピンクが指揮をとり
奏でる 現在地 ようこそ春
新しい雲が先頭をゆく ついてゆけば微風の柔らかクッション席
大人たちの ....
横須賀線で
俺の前に座る
盲目の少年と
先輩のスキンヘッドとの
会話が耳に入ってきて
この間、停電になって
すごく怖かったんですよ
って言ったので
ちょっと俺、ギクッとしたのよ
....
蟻は匂いのある方へ往く
一瞬、静止して
触角をぴくり震わせ
再び――無心に進む
(黒い背に小さな太陽を映して)
日常にふと佇む、僕も
蟻の心で
何かを受信しようと ....
ある人は白隠禅師の絵を観て、呟いた。
「ルオーが観たら、何と言うだろう」
河童のように禿げた頭と
あばら骨の浮き出た体で
髭ぼうぼうのお釈迦様
美術館の空間で
ひと ....
――なんの欠如を
怖れているのか
踊りたいから踊るのだ
何が悪いか阿呆ども
元来人は踊るもの
踊って歌って
笑って泣いて
怒れるものが人なのだ
鳴 ....
食卓に置かれた長方形の皿に
横たわる、くろい目の秋刀魚は
いつか世を去る
私の象徴として、この口に入る
*
日常の素朴な場面を絵に描いた
一枚の布をバケツの ....
眠りから目覚めてしばらくのあいだぼくは不安なことのない世界にいられた。
息子と公園で遊んでいちど家で仮眠をとった。
夕方のひかりがベランダから射している。布団のおもてがすこしひんやりしてい ....
痛いの痛いの飛んでゆけ
痛いの痛いの消えちまえ
ぼくまでひゅっと
ぼくまでひゅっと
痛いの痛いの飛んでゆけ
痛いの痛いの消えちまえ
悲しくなりたくないだけなら
....
強い力を持つものは
最初は敬われ
次に怖れられ
そして憎しみの餌食になる
花ひらけ
梅桃桜と順々に咲きほころんで、
空へ昇華される花々。
私は久方ぶりに太陽の光を全身に浴びて、
自然の美しさにほれぼれと、
園児の様にはしゃぐ。
花 ....
私は生きる
一歩の歩みで呼吸をし
一歩の歩みで金を貰い
一歩の歩みで詩を書き
一歩の歩みで人を愛す
私は死ぬ
動かぬ息を止めて
動かぬ金を支払い
動かぬ筆を置 ....
それは
誰もが一目で好きになる
うさぎの耳のように長い
ハートの形の花びらをもつ
白いレースのような花
どんな花にも素直に寄り添い
本人さえまだ気づかない
相手の愛らしさを引き出し
....
ブルーカラーが背広を着るか
心が軽いと歌いますか
お仕着せを着てみますか
青焼きほどに魅力的ですか
旋盤から切粉が身をよじる様にですか
ツルハシの先端を起こすに適切な位置 ....
I LOVE YOUを重ねて言いたい
ジョン・レノン顔の小学生ティッシュ鼻に詰めている
どこにいてもアウェイ
双葉よ。
どうか芽吹いて。
いまは雪の下
凍えた土で、ちからを溜めてまっている。
地上への好奇心をもっておいで。
だいじょうぶ、心配しないで。
茎がひねくれても、添え木をあてます。
....
ほころんで、揺れて、
待ちわびて、揺れて、
愛されて、色づいて、
愛されたくて、匂って、
踏みつけられて、手折られて、
ずぶ濡れて、さらされて、
....
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めんこい めんこい
ちいさな いのち
どうやら わたしに きこえない
おとで おはなし してるの
しんどうで それが わかるよ ....
うらうらの生き物の吐く息が
硝子だった空気をぬかるませ
希望と期待とに重くよどんで
風景は薄くかすみがかったよう
夢のよう ひとはいう
散るさくら うつくしいという
まだ咲かないさくらの樹 ....
芳しい薔薇をあなたにあげると
差しのべられた手をつかんだのがそもそもの間違い
やがて薔薇は枯れてしまい
私がつかんだものは幻だと知らされる
私が愛したあなたはもうどこにもいない
恋は ....
夕飯に缶詰をあける
100均の鯖缶だ
閉め切った部屋に
さかなの匂いが充満する
ろうそくの灯りの中
....
夢の中で彼は私に質問をした
彼ははなした
一方的に
少し笑いながら
ゆったりとして
いいにおいがした
彼のセーターは白だった
私はなにをこたえたのだろう
きけたのだろう ....
まるで山間をながれゆく
せせらぎのような人でした
からだは一滴の雨粒で成っており
どこまでも沁み入 ....
貴方の世界で
起こっていることが
僕の世界で起こっていることに
つながっている
増幅する信号の振幅が
また世界を少しずつ変えてゆく
シンクロする世界につれて
感情は、覚めてゆく、乾いてゆ ....
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