海の向こうでは、薔薇色の銀河が焚き火みたいにバチバチ言いながら、大陸を鷲掴んでいた。雲を殺した空の青さが、水平線を抱きしめて、時間を止めながら空間のトーンを昼下がりのハープみたいにゆったりと落とした ....
小雨降る
最後のフェリーを
船底で待つ
魚の群れ
人が去り
忘れられた運河
一羽の蝶に
目を覚ます
わたしにはいかずちと
横顔に聞こえる
このかたちは
径のかたち
見おぼえのある
血の内のかたち
響きが響きを
外に追いやる ....
真っ白な月は
まだ青い空をカタツムリみたいに
ぼそぼそ歩いて
真っ青な母は
まだ青い僕の空に説教の排気ガスを
放射し続けるし
そんな日にかぎって
真っ黒な空は
一番綺麗な星だけを寄せ集 ....
きちんと一センチ伸びた白髪が
またもや月が巡ったことを
立ち尽くす私に伝える
捲り忘れたカレンダーよりも
ずっと着実に
ずっと正確に
遠い故郷で
私がその顔を拝む前に
燃やされてし ....
幸せがたゆとう静かな一日
ひかりは窓硝子ごしに冷たくて
鉄道が遠い音をたてている
ひと時の煩わしさがいやで
本当のことなんて誰も言わない
言いかけた言葉に
取り ....
{画像=130319163721.jpg}
中身が違うと 言うだろか
許して くれても いいじゃない
肉々しいのは 苦手だよ
潰した豆腐を 煎っ ....
死者をたやすく蹂躙するものの手は
どちらが裏か表かわからない
これ見よがしに
包帯など巻いているから
なおのこと
わたしは、と言えば
彼/彼女の残した足跡に
そっと自分の靴を乗せ
....
女というものは
化粧を落とした顔がすっかり輪郭を失っている
写真の中では既に
枯れ傷んだ花弁のように色褪せて
寝室の鏡に映る素顔は男の目に見せられない
女というものは
安物スーツにハイ ....
身体があるふりをして
ハンバーガーを買う
ハンバーガーも
高くなったものだなと
口もないのに呟いて
列に並ぶ
そのたびに
列に弾かれてしまう
ハンバーガーも
....
さくらが
勝手に咲いていた
僕にかまわず
勝手に咲いた
さくらが咲いた
咲いていた
数匹の
空を走る鼠たち
太陽を追いかけて
アンテナ
風と風が起こすかすかな摩擦熱
あなたの悲哀はゲーセンのメダルと同じ形
あなたの歓喜は書物 ....
「星の名を昨日知ったのさ」
「夜眠れない子供達が
それを指差して笑う」
「星の数え歌を知らない僕達は
鬱蒼とした森の中を掻き分けて
始まりの場所へ向かう」
「夜の虹が吹 ....
水は
裏切ったりはしないのです
やさしい嘘と
呼ばれるすべに甘んじて
飲み干しかねた
水はあっても
迎える季節を過ちかねて
流れるしかなかった
水はあっても
水は ....
視覚には捕らえなかったけれど
感じてしまった
小さな淵に潜んだ眼
その頃
山奥に完成したダム湖では
人を呼び 春を楽しませようと
貸しボートを浮かべていた
まだ観光の人もいない早 ....
最後。
これが最後だと、何度覚悟したのだろう。
信じるのはもう仕舞いにしよう、
愛するのはこれが最後だと。
鋭利な言葉。
剥き出しの感情。
これがきっと貴方の本音。
知っていた。 ....
タマキンの大きさには
大中小があって
そのうち
大と中で構成されているのを
医学的には金大中と言います
とは、かのケーシー高峰氏の
有名なネタの一部ですが
それもこれも
金大中 ....
今年も年に一回の
メリーゴーランドが
広場にやってくる
君は朝から鏡の前で
お洒落に余念がない
僕は教わったイチゴ水の
作り方を思い出しながら
除草剤を作った ....
君は望遠鏡や顕微鏡を造る僕の会社の設計室に勤めていた
僕はある日君に恋した
それはけっこう素敵なことだった
会社の裏の独身寮のそばに総務の峯岸さんの貰ってきた柴犬の仔が三匹
彼 ....
まず雲を書いたのは
雲は想像力の手にしっくりくる粘土だからね
それから雲は
どんな形をして
どんな空を流れて
やがて見えなくなり
いちご水のような雲海から
また素晴らしさをす ....
あたしだって
努力して
数値改善した方がいいって
思うわよ
でも、努力って
そんなに重要かしら?
あたし、努力すれば
必ず報われるって言葉
信じて生きて来たけど
そんなの嘘だった
....
右へ行くと海があり左へ行くと詩があり
ます。そんな街に住んでます。近所の沼
で子供たちは言葉を沈めて遊ぶ。強風。
泥だらけの手を見せなくていい。そろそ
ろ雨が降るなんて言わなくていい。何も
....
私は怒鳴る。
不条理ないびりの習慣に怒鳴る。
すると季節外れの銀杏の黄色い葉が、
はらはら、はらはらと降り、
私の肩をすり抜けて体内に染み込んできた。
銀杏は尚もはらはら、はらはら ....
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永田 岡山 黒田(美) 桐沢 深野 千田
金沢 杉山 和田 春本 田川 森島
平瀬 成田 堂本 後藤(将) 安藤 的場
吉田 池田 ....
リモコンの緑のボタン。これすっごい呪詛っぽい色してるなって、思ったから、
ぜんぜん見たくもないテレビのデータ放送にぶつぶつ。
魔法っていうかのろいのことばっていうか文句ばっかり送ってます。ほら、
....
全てのことから逃げることは
「負け」 なのだろうか
全てのことから目を背けることは
「負け」 なのだろうか
全てのことを忘れることは
「負け ....
恥ずかしい昔のことを思い出して
もだえたって
気になる女の子にビビりながら
話しかけたって
世間とか友達の話に
意 ....
薫風に
似つかわしい歌を思いつけなくて
だんまりのまま歩いている
視界が明るくなっていくのに
人影は色濃さを増す早朝を
のどかな光景が
電車の窓を塗りつぶす
その平穏な生活は ....
あらゆる試みは、大体のところ碌なことにはならない。そういう風に僕の祖父は言っていた。僕と僕の祖父の間には血のつながりはないし、役所に言わせれば他人ということになるんだろうけれど、これは語り口の問題で ....
よく思われたいからか
肩がこる
からだに何枚も皮膚ができる
できもしないのに
できます
という顔をする
顔がこる
並んでしまう
ほしがっている
みんな という札の順番待ち
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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