窓の外からプラハの音がする
かつて愛していた人や物も
眠たい砂鉄のように
廃屋に降り積もっている
少し押し込むと
そこで手触りは行き止まり
肉体は肉体たちのメニューとなり
旧市街 ....
夜明け前のベランダからきみが飛ばした紙飛行機が
雨の匂いのする湿った風に乗って海辺までたどりついて
疲れた顔で煙草をふかす港湾作業員の肩に着陸した
薄紫色の空気を震わせるパナマ船籍のタンカーの汽 ....
力なく銃を取り落とした右手
ひとつしか置けない椅子
空にも海にも嫌われたぼくらの青い瞳
その頬に伸ばして撃ち落とされた左手
羽ばたく魚 溺れる鳥
黄色い旗 黒い丘
愛そのものだった内臓 ....
作品以前の原初の詩、
創造的な力動のこの核
ヒビキのヒカリ 踊る躍る、
ヒカリのヒビキ 踊る躍る、
荒々しく細やかなその力動
紡がれ折り重なる幾何学模様
わたしはあなたがわ ....
オーム(あるいは人の死)
その人は象徴を求めない
鏡もまがたまもいらない
その身を世界のくらやみに置かなくては
鳥たちの空を見上げることは許されない
キ ....
心の舞台に 躍動する純白
見る観る観入る
外界閉ざされ遮断され
沸々と湧き上がる
また始まる初めての現
闇の光に
裂開する瞬間に
薫り開いた一輪の色
無垢を汚 ....
六個の三列が
机の下から汚れてでてくる
それを見もせず
机の上を手で触る
その机の上も僕なのにね
お前は目の前の僕は見ない
あまたのことばが虚空を削り
ひとつの卵が残された
閉じ込められた海の幽霊は
体積も質量も持たずに時化たり凪いだり
おのれに欹てることに不自由はなかったが
鳥が縫うような眼差しのおしゃべりに
....
林檎を むきながら想う
貴方の目
どうしても思い切れない
あなたの声
リトルシガーの煙
うすく立ちのぼる果は
頼りない指の先
もはや 希望の色はなく
何か ぼ ....
ぼくはどこへゆくのかなぁ
ポケットにビー玉がじゃらじゃら
麦わら帽子に少し汚れたランニング
ビーチサンダルの鼻緒はブルーだった
あの頃のぼくはもういない
灼熱の街を黒い革靴でさまよう
....
夏が街を焼く昼間に
君の背中シャーベット
それで、もしも笑ったら
この星は砕けてしまうから
愛にならないように
でたらめな名前をつける
わにのウインク とか
ストロボ電柱 とか
....
iPhoneに入っている
お気に入りの曲をかけ
Bluetoothで飛ばして
天井のスピーカーから
流れ落ちるメロディー
これは夢の中
街路樹の並ぶ道を
誰かと歩いている
枯れ ....
君の声が僕に届く
受話器を少し曇らさせて
その空気を庇った
時間がないような気がして
一度に沢山のことを
話したくなる
僕らはまだ
何も知らないはずなのに
どうして同じ方向を
....
柔らかく白く歪な形に輝き響かせ
ふっくらふんわりふらりふゆうし
あるもの在るものと頷かせ白雲よ、
わたしのたましい大きな巨きな歌
火球燃える天空に開放されながら
こんなに色づき薫り漂 ....
これからは眠ることに罪悪感
抱かなくてもいいなんて
解放感ある記事を読む
研究結果で生き物は
眠っているのが標準で
デフォルトなのだと論じてる
起きていて覚醒している状態は
イレギュ ....
酷暑になってしまった
平成最後の夏
平成を締めくくる
平成最後の夏と聞くと
何だか複雑な心模様
特にいつもと変わらない
夏を過ごしている
ただ違うのは酷暑
最高気温の更新
....
心の 跳ねとぶような白
に、目を見張る
花は幻の様で すみとおり
もう萎んでしまう朝
銀夜に 開き
香り咲いた一輪のナイトクイーン
純真さが迫る ....
○「生きる」
鳥たちも
虫たちも
草木たちも
それぞれの生を
迷いなく
生きている
○「今ある幸せ」
今ある幸せに
感謝しよう
今ある幸せに感謝できる人は
幸せだ
○「 ....
iqが20違うと
会話が成立しないそうな
高い方が病気扱いですな
おまえには難解でわからないだろ
誰もわからなければ
病気扱いですな
なんかいー感じ
を大事にしてもらいたい
作 ....
くもひとつない、
困り果てた青空のした、
それでも、毟ろうとする、
土ようびの、
しごと、
土鳩のように、首をかたむけて、
いやでも土と向きあう、
ことになるから、
それは、
ホント ....
お盆休みに入る前日
同僚と 飲みに行く京阪電車は
県内で有名な進学高校のある
最寄駅で停車する
車窓から 何気に眺める向かいのホーム
線路を跨ぐ距離で目が合ってしまう
....
マスミ・ハヤシは
カレーに砒素を入れ
毒婦と呼ばれて大喜び
サトシ・ウエマツは
19人を刺殺した
優勢思想家だった
君は偉大な芸術家
ふりをしてるんじゃない
騙してるわけじゃな ....
青い夜の
シーツの深い折り目を思って
....
改札を抜けて、特急へ、準急へ
各駅へ
すみやかにゆきわたる
(還る)
のびていくかげぼうしの
澄んだ鼓膜をとおり
(低いファの音がぼーん、と)
ぬぐってもぬぐっても
幾度も響く ....
洗いざらしの衣類のなかで、リーバイ・パタの詩画集をひらく
女のいない男がしてやれるのはたったそれだけのこと
コインランドリーが不法占拠されてしまう夢を
ついさっきまで見ていたんだよ
....
苦い果実を
口にしないようにする
悲劇的な努力
口の中で渦巻く誘惑に
吹き上がる嘔吐
あんたはそこで
大麻でもやって自由になってりゃいい
そんな自由もないんだって叫びながら
自 ....
密集する緑の群れ
鮮やか葉の揺らぎ
その木立隙間に
覗く向かい家の台所の窓、
橙の暖かな明かり早々灯り
空は水の色 なんて透明に澄みわたり
遠く灰の雲 地平からすっと首伸ばす
....
息を吐くように嘘をつき
息を吐くように詩を語り
息を吐くように哲学とか
そばで僕は
息を吐くように見過ごす
息を吸うように語る人に
息を吸うように耳傾ける
破裂する水素の浮遊、
熱せられた鉄板は伸び
連打される削岩模様の光滴
やがて寂れる恋愛残照近付き
曲線の湧出と膨張に伴い上昇する雲海
なんだろう?
笑ってしまう、
わたしに ....
さようなら
さようなら
みんな簡単に手を振るけど
この夏は
一度きりの夏
君も
甘夏色の帽子を振って
家路につくんだね
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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