斬られるのが下手
河童が眠いほんのり赤い春がくる
月明かりを笑って返す
パチンと弾けとんだ
洗濯バサミ
ひらいて、はさむ
どんなに風の強い日だって
あなたがいいというまで
ただもくもくと
しがみついてきた
のに
繰り返されてきた
しごく簡単な仕組みが ....
旨そうな匂いさせて
たっぷり食わせておいて
後でバッタリ
倒れているところを
ティッシュで遺棄するとか
家に招き入れて
手足を粘着質のもので
拘束して監禁するとかさ
やってることは
....
ぼく生まれたい
ぼくの中の小さなぼく
はやく生まれたい
さがしても
どこにいるのか
たずねても
だれも知らない
きのうのぼくではない
きょうのぼくでもない
たぶん
あしたの ....
一日におくれで降りそそいでくる
あなたの会話がばらばらになって
わたしはつめたくそれでいて
からだはこんなに熱いというのに
流れでる体液の生ぬるさ
いったいどういうことだろう
....
夕暮れどきの町なみは
どこかゆるんでいて
おだやかな顔ばかりが
すれちがってゆく
街灯が点灯し
一番星が顔を見せる頃
どこを歩いているのだろう
灯りの点いた家を探して
通り ....
一日の始まりに洗濯をする
きのうの下着やタオルを
まっさらにして天日に干す
暑い暑いといいながら
熱風のような空気の中で
....
私から切り離された言葉を
書き留めて意味のあるのは君だけど
私には意味がない
伝えるために言語が存在するなら
言葉が誰かを必要とするなら
それは言葉ではない
八月の太陽は僕らの上に張り付いてる薄っぺらな色彩を全て弾き飛ばしてしまうだろう
この部屋に閉じこもってる。美しい言葉は波間で煌めいてるけど
砂を噛もうなんて考えはさらさら浮かばないのさ
馬鹿な少 ....
銀のブレスレットは誰かがくれたものではなかった
それは私が私自身のためにたてた誓いのブレスレットだった
また再び涙が溢れようとも決して怯まないと
必ず立ち上がり一歩踏み出すと
心に決め ....
太陽のしたり顔を避けて
君の水辺へ下って行きなさい
蜉蝣の翅のように影を透かしながら
夏の斧で頭を割られるその前に
美しく人目を避けながら
地下のカフェへ逃げ込みなさい
壁画を歩く蛇の ....
遠くへと叫ぶ声は、振り返る者を待つことはない、乾涸びた情熱でも、いつか灯る火種を隠しているのなら、持ち続けることは滑稽じゃない、お前の干からびた白骨は、お前自身の言葉で再生されるのを待 ....
いくら追い込んでも
届かないままの馬が
逃げたのだという
土日はずっと仕事だから
もうずっと競馬中継は見ていないし
そもそも
もはや預金残高ゼロ円だ
賭けようたって、 ....
春先になると
湧いてくる
おかしなじいさんのこと
ではなくて
もちろん猛暑日で
頭がいかれた野郎の
話でもない
俺が言いたいのは
足にスプリングを着けて
ビョーン、ビョーン跳ねる
....
酸欠状態で喘ぐ金魚が
水面を見上げる角度で仰いだ空は
怖いほど明るい色をしていた
アイスクリームよりも呆気なく
溶けて流れ出したフレーズを
おろおろと掬い上げようとしたら
それは舗 ....
シニフィアンとシニフィエ
シニフィアン(意味するもの)とシニフィエ(意味されるもの)
シニフィアン(意味するもの)から
分解される言語の
かけらとかけらを組み合わせれば
無意識に ....
たびたびからだは貫通するが
すこしも風がとおらない
あの背中のうえではなんども裏がえった
裏がえりつづけて
すっかり風そのものになってしまった
あれは何百年まえだったかしら
さすらったり
若い頃はかっこいいって言われたり
結果的においしいところをかっさらったり
してみたい
淡々と
やーらかいもんでも
頬張って
炭酸啜って
寝ころんで
立つこと ....
冬に放った雪玉は
楡の木立を弾んで踊り
地蔵の額にこつんと当たる
なにかと思った地蔵は手を上げ
叩いた手には血を吸った蚊
閉めきった襖は光を遮り
格子はいつもかくかくと白い
赤いお手玉ぽ ....
たどりついた夢は
果てしない野生の花の大地を
かき乱す風の
熱をはらんだかおり
風の激しさが
花に命を満たし
揺れながら変わりゆくのは
大地の愛をはじめて知る花の表情
新しく生 ....
水中花は
水がある限り
生き続けます
におい
こえ
てざわり
ある種の予感
見えはしないのに
確かに在ったものたち
次は
何に生まれ変わりますか?
一秒に
『チョモラン ....
【みずのように】
蛇口を くぃと ひねると 水が拡散し 飛び散る
靴裏が もえる じっとしてると 背が暑い
のびをすると 山間の風は 水の匂いがして
いままで 聞いたことの ....
正しければいいのだろうか
それぞれがすすむ
正しいと想う道は
歩きにくい他の者には
まだとべない雛を待つ親鳥
とべるきょうだいもよりそい
つかのまの待つ時を
なにごとかうたいながら
....
新しい家もまた川のそば
住みついて
また言葉をつづってゆく
何度もめくった
日めくりカレンダー
口琴は窓の外へ音色を洩らし
綺麗なけむりを吐いて
お気に入りの絵は色違いで揃えて
東 ....
つたない私の生命は
やっと「がんばる」の意味を知り
同時に「がんばるな」の意味も知りました
ありがとうきみ
ありがとうあなた
ほらつたないでしょう
でも
嬉し ....
3時間を越える紙芝居になるなんて
仏にも母にもなれぬ女の美しいぬくもり
しじみ降っている真夜中
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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