やさしいひとの心は
きっと強くてまっすぐだ。
やさしいひとは
しらぬまにやさしいひとになった。
誰のためだったのか、
今はもう思い出せない。
レヴィナスのイリヤ
戦争がなにもかも無くし
あらゆる意味を剥奪し
無意味に残った
世界が〈ある〉
ある
ある
目を背けたくなる
醜さ、ばかりが、ある
喪失が
残され ....
もしも花形新次と言う詩人が「上を向いて歩こう」の替え歌で「下を向いて歩こう」を書いたなら 。
ただ「お金を拾う」というような内容の歌詩だけは書かないでほしい。
一度読めば人々の気持ちは薄暗い ....
プロパガンダに導かれた先は
いつだって綺麗なだけの蜃気楼
流行りの色を身に纏い
君の瞳の色を忘れた
足蹴なく通ったディスコに飽きてきたのは
そこで笑っていたのが
女ではなくて僕の膝 ....
広場に群がる野次馬多数
嘘と我慢で着飾って
空回ったのはいつの日だったか
拳を振り上げることに疲れ果て
仔猫と僕は屋根の上
色んなものが小さく見える
僕と仔猫は空の下
好きな ....
多くの祖父が
裂けだした
草原は
雨で
傘を開いた
祖母に
降り注ぐ多くの雨が
草原だった
水に浮かばないものを
買いに行く途中の
私たちが
遠い観測を望んだまま ....
090401
この日に大事件が起きたら、困るな。
地震よ起こるな!
朝起きたら、眠くなった
美少年が
借金に困ったので
お米を誤魔化したと
ニュースは伝え ....
小鹿を狙う豹が 音を殺して忍び寄るように
卵を産み落とすために ウミガメが穴を掘るように
盗まれたフルートを 諦め切れない心のように
解れて余った糸を 鋏でそっと切り離すように
....
小学生の頃
教師が
尊敬する人は誰
と聞いてきたとき
両親とかエジソンとか
シュバイツァーとか
みんなが答えるなかで
タイガー・ジェット・シンって
言ったら
元活動家の教師は
明ら ....
地面に足が着いていない気がして
ピンク色の体温計、コンマ2桁
もう何年も基礎体温など測っていないが
舌下に 滑らせる
短い電子音
微熱
横になるほどではない
が
正常ではな ....
{引用=
夏の陽に 焼かれながら
後ろ手の 信玄袋をけつの下に
揺らし
女の背は 凛とし
黒紋付の羽織で、振り向く{ルビ面=おもて}が艶やかだった
名は、定
床上手の 女 ....
アメリカの女優の
大半が
シリコンのお世話に
なっているとしたら
俺が
お世話になっちゃいけない
理由はないだろ
要は技術の問題だ
ずっと立ちっぱなし
という問題を解決すればいい
....
幽かな明るさに涙落つ
生きとし生けるものの
輝きには限りというものがない
それは覆われて弱くなってる
つらいこと悲しいことは
われわれの内なる精神の何物も損なえない
全体を固い殻が覆ってい ....
今宵の半月は満月並な威力をしている
魂の座に脳天から入り込み 喉仏を通り
みぞおちと肋骨に絡み 股の下から足元に刺さる
シニスターが作動し始める
油じみたヒステリーなんてない
彼 ....
緑の庭の階段で
座る少女に
覆いかぶさる葉群から
木漏れ日はふりそそぎ
何かを両手に包む、少女は
嬉しそうにこちらをみつめ
テラスの椅子は
かたかたっ…と風に揺れ
....
伝言はない
ただそこに ティファニーのシャーベットグリーン
メッセージはない
ただそこに 蒼のレンズを外した 自分史の空の色
云わない
ただそこに オーラの触覚を挿したオパールの花 ....
暑中お見舞い申し上げます――
越後湯沢の詩友から届いた風の
便りには自筆で風鈴の絵が描い
ており、葉書の真中の空白から
ちり〜ん
と風に靡く紙の下から密やかな
鈴の音が、鼓膜の ....
痛いのは生きているから
生きているから会えたんだ
痛いのは愛しているから
愛しているから欲しいんだ
手のひらに
お月さま
透かして見れば
あったかくって
....
蝉が鳴いていた
初めてかわした愛言葉の翌朝
声で愛言葉をかわした夏の朝
蝉が鳴いていた
こんにちは
こんにちは
たいせつにしようね
うん、
ねれたか ....
いちどついた嘘が
ほんとうになるまで嘘をつき続ける
そのほうが楽しい
ほんとうのことを
信じてもらえずに諦められてしまう
それよりも楽しい
さびしいよりも
....
1から10まで説明しない
3や7は自由に泳がせてみる
2や5はもう好き勝手に
現代詩だから、
夏休みの中学校から響く
ブラスバンド部の練習が
足を止めさせるのです
胸がはりさけて
現代 ....
上野発の夜行列車に乗り遅れた時から 不忍池のベンチで夜を明かした ホームレスの気分
元カノから会いたいという連絡あり やけ棒杭はいまさら火がつくのだろうか
かつては大好きだったのに冷めてしまう ....
久々に書いてみる
心無しか手が震える
緊張してるかと思ったら
タバコのすい過ぎで手が震えたみたい
外では子犬達がわんわんと集まり
ひっそりとお話をし
そしてゴキブリがライトをつけると一 ....
相手は運命と思ってない
間に合ってるが間に合ってない
残像に未練がある
夕方になっても
蝉が鳴きやまない
うちの玄関先にある蝉スイッチは
OFFにしといたはずなのに
いつの間にかONになっていた
(ヒグラシスイッチなら歓迎するけどクマやアブラは勘弁してほしい ....
夕暮れても
大地の熱は
冷めやらず
もうすでに
花も穂も枯れ
ただの茎となったすすきは
すとろうとなり
土に埋まる子らは
それを吸って
生き返る
一本であったら
孤独に揺 ....
わたしは夏の始まりに一粒の悪意を植える
純粋な胃袋が食傷をおこしてしまわぬように
そうして生まれた悪意の芽が
世界をひとつ食べ尽くしてしまう
食べ尽くして何もなくなったひと夏はとても
静 ....
雨上がりの風
始まりを冷やして逃げてゆく
行き交う唸り、進行方向は北
誰かの気配を知ろうともせずに
信号は赤から青に変わる
愛をください。
それは無差別に繰り返され ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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