象のような花が咲き
絶えぬ浪を踏みつづけている
霜が静かに鳴っている
海をすくう
手のひらが光る
すぐに消える
すぐに光る
わだつみではない
一滴で ....
友人の家に行った
友人の家は行くたびに違っていて
今度は旅館だった
居ないはずの息子が玄関に居て
背を向けたまま
こちらを一度も見ることはなかった
誰かが
ひ ....
バラバラに爆破された公衆電話みたいなかんじ
矢をつがえる
ヴェールを被った石膏
骨みたいな木
*
どうでもよくてうつくしい重力
*
この陳腐な悲劇は僕だけのものさ
「君 ....
わたしがあなたの名前を呼ぶ度、
薄桃色の隙間が出来ていましたか?
それはどんどんあなたを侵蝕していましたか?
わたしとのメールと電話、それは全部、
薄桃色の隙間 ....
世界は複雑
世界は不可思議
世界が怖い
人間は雑多
人間は不確か
人間が分らない
社会は幻想
社会は人工物
社会に居づらい
人生は螺旋
人生は道草
人生がはか ....
知らないことの方が 圧倒的に多い 全ての風のように
ハスカップを知覚しその加工された飲み物を味わった日
手がかりが足りない 紫の乳白色をイメージしている
雨に濡れれば 雫を弾く皮がある ....
空には雲が敷き詰められて
もうすぐ雨が降りそうな気配
薄暗い町の電灯がいつも以上に
僕の寂しい心に似合う
嘆くことに慣れて 僕ら
ごまかし続けてきた心 置き去り
....
ノロマな夏の風が肌に染み込み
この世の全ては鼓動に飲み込まれる
平等に夜はやってくるとして
不可解な事実は複雑にからまり続けるとして
星が、絶え間なく降るように
この世の全ては混沌と ....
高血圧者の朝が
薬なしには始まらないのと
同じように
降りしきる雨は
見飽きた景色を
消すこともなく
ただザアザアと
音を立て
瞬間には
線が重なって見える
濡れることを
....
上昇志向の階段を私は昇ってゆく。
脇目も振らず昇ってゆくので、私は周りの景色が分からない。
足元に広がる野に咲く薔薇よ。
お前はその身に纏った棘を研いで、私の転落するのを待っているかのようだ ....
窓辺のカーテンをすり抜けて、部屋中に漂う貧弱な香り。
太陽も顔を見せず、私の戸惑う心を反映した薄い雲が
空という画布いっぱいに塗りたくられている。
外を歩く人は思想の往来をただ足早に通り過ぎ ....
いつからかな
僕が見つめたものが 遠く、とてもとても遠くになって
目の前にいたはずのものが
僕の視界から消えていたのは。
僕の立っている地に、一体どれだけの人が生きていたんですか?
....
流しにうず高く洗われぬまま放置された食器
とりあえず洗濯はするのだが部屋干しのまま畳まれることはない
読まない新聞が玄関に散乱している
居間の一角は得体の知れない整理しかけの古本がうず高い
....
秋の中国地方を巡るツアーバスが
平和公園に着いたとき 記念館から
修学旅行生の一団が出てきた
入れ替わりにはいった私たちが
今日最後の客になった
平和記念館を出ると
秋の陽はすでに落 ....
きれいなお札の表面は大好きな匂いで満ち溢れていて、けれどたしかめなくて
雲のように真っ暗な風や雷は太陽と壁と沢山の木々で繋がれていたいと思うのだろう
ぬらぬらりと囁く鼓膜からさわれぬ泥がこもれて
....
空に むきだしの骨をさらす伽藍
「歴史」はいつも古びた建物を残していく
廃墟のあとにしか 平和が生まれることがないのなら
平和は、あまりに残酷な子
森は、朝にめざめ
戦いの ....
あ、の形にひらいた口から
あ、がこぼれて落ちた
床にふれる
粉々に砕けて、見えなくなった
手を伸ばして鍵を外す
からから、と窓をあける
なまぬるい風が不躾に入り込んでくる
....
風が立つ わたしは語ろうと試みねばならぬ
閉じたとびらのむこうに 何があるのか
風が立つ わたしは殺さねばならぬ
胸の中で にくらしい太鼓がまだ打っている
....
とまりますのボタンを押した指を舐めた
FOREVERを折ってやる
出口から入った
私が
これを書いていることは
家族にも友人にも内緒のことです
学もなく才もない
もちろん地位もなければ金もない
よもや凡人ですらないかもしれない私が
ひっそりと ....
少し早く起きると
白い時間ができている
まだなぞっていない時間
自由なようでいて
もうすでに枠ができているから
はみでることは許されない
希望がある気がした
今日のこれからに
....
渓流で渓魚と遊ぶ美しい装いはどんなおんなも敵わない
簡単には釣れないまるで釣り針が己の様に想像出来なければ
下流から釣り登るまるでけだものの様に
ふと気が付けば源流であるガレ場に至っ ....
ばーばに手を引かれ
ゆるい坂道をてくてくいけば
「コカ・コーラ!」
わたしは畑に捨てられていた瓶を指さして叫ぶ
ママ、という言葉は知っていたけれど
ママ、と呼ぶ対象がいなかった
日 ....
もぐもぐと
もぞもぞと
もふもふと
なよなよの
へろへろの
もふもふの
あなたのその
手
夏
今は夏
高架線の下
草が
生えて
熱が
もやって
してる ....
詩を読んでいる
文字を眺めては書いている
言葉は巧みに扱えるが詩は巧みには扱えない
それは人を育て上げる教育にも似ている
鏤骨
生まれる 。
....
空の切れ端
火照った裸足
気だるさを体いっぱいに感じる
贅沢な午後
沢山の洋服につつまれて、刺すようだった冬の寒さに思いを馳せながら、一人あるく夏の夜の高揚感をまた覚えながら、見知った土地で、この二本足ではたかが知れているけれど、どっちに行ってみようかしら、途中缶 ....
ありがとー
ごめんねー
じゃあ
ちょっとそこどいてね
(風)
空間の穴を抜けた
轟々と吹く
舞い上がる粉塵
あのさ
今日
これ全部燃やすんだ
手首
暗い光
足 ....
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