きまじめなエアコンの
息づかいがただよう居間の大窓から
貧弱な裏庭の一角をみる
猛暑に耐えている一本のむくげ
ものさびしげだが
願いごとひと ....
発展途上だからねと
広い白に好き勝手かかれて
無かったことになるのはね
過去を思い出せなくなる時だ
無駄な時間と君が悔しがって
魂削って放ってた言葉が
帰る場所なくして立ち往生
....
ボクは泣き虫かもしれないけど
今日は泣かなかった
学校にかあさんがよばれて
ボクが友だちにいじわるしたことで
かあさんが泣いていた
先生のまえで
友だちのまえで
かあさんが泣 ....
彼は着いてきた
ぼくはあちらこちらへ行く
黒い森に行くときも
白い街に行くときも
彼は着いてきた
彼がいつからついて着たのかわからない
気がついたときには ぼくの少し後ろを歩いてい ....
何もない
何も残っていない
窓を閉めて
消えてなくなるなら
今かも知れない
そう思ったとき必ず
故郷からの葉書が届く
しっとりとした
文面の葉書が
届く
....
華やいだ季節が過ぎて 気がつけばまた一人
一番確かなことは 誰も僕の内面を知らないってことさ
まあお互い様だけどね
君は僕と違う橋をわたる それぞれ別の国を夢見ている
行きずりに眼 ....
ごめんなさいよ
失礼しますよ
でも 言っちゃうよ
この国どんな国でした?
70年くらい前
全体主義国家
でしょう?
否定すること
できますか?
目をそらしたまま
きちゃってるん ....
中身が好きなのについでに美人で困る
女心がわからない男が好きなんだろ
部屋に残った指紋を気にしている
裸足で、焼け焦げた町に降り立つ。
足は熱に燃え、見えない敵と戦いにすらならない抗いを続けている。
ここに、一体どんな罪があったのだろう。
これは、一体どんな罰なのだろう。
人を愛し、
....
永久ニさんざめく
ハラカラのこえ
桜ちるちる
やらわらかいツチ
きせつはハジマリソシテ過ぎ行く
ハラカラ忘れえず
我ほころばせ
とんぼはまっすぐ飛ばなくて
上へ下へ
ゆるいカーブをえがきつつ
さがしてるのかな
自分の道を
空は高いばかりじゃないけど
人と同じ場所に
なぜいるのとんぼ
地面にくっついてる
....
買い物の帰り道
道端に植えてあるように人参が置かれてる
空を見ると夕日で赤くて、視界の端からも赤い
タイムセールの時の自分は
白いレシートと一緒に捨ててきました
店員さんの顔を見れば、そ ....
最後の夏をいたずらに過ごすだけ
細い腕を太くしたのは自分の首を絞めるため
か弱く装って
しわをつけたたんぱく質
に管をとおして、
ビデオを返しにいくあいだに
血をすわせる
わたしでもなく、
だれかでもない、
しょざいない命にたちむかう
そんなことができるかどうか
....
プラヌラスキフラストロビラエフィラ
呪文のように覚えているのは
予備校の先生が絶対にこれだけは
おぼえておいて損はないぞと言った
生物の秘密兵器
必ず出題されると信じて
歩きながら
....
かつて夏の日に幾千万の蝉たちが空へかえった
その日の灼熱はすべてを焼き尽くした 八月の焦土
大きな鳥の影が空を覆いポトリと卵を落とした
破壊と悲惨の卵 子供たちを奪い去った卵
何の大 ....
夢だと思った
君が僕のそばで笑ってくれることが
夢だと思った
掴んだと感じた瞬間が幻だったことを
夢だと思った
君が僕の隣で歌を口ずさんでいることが
夢だと思った ....
空想と物質の描写を迷いながら進む コンセプトプラグ ブレーカー叩く
蝋燭のピラミッドが透明な団扇の凪と戯れる
部屋は暗く テレビの受け付けない障りの触覚が伸びる
気取りに傾く45度 ....
いまは何一つ好きにはなれない
しろい夏に鳴き終えて落下する少女
夏は夏らしく振舞うことで時を虚ろにする
日に焼けたこどもたちよ
謎が謎でなくなる未来
夢に見たものの本 ....
空には
なみだが
すこしうつっていた
みぎ側が夜で
ひだり側が朝だった
きみに 僕がすこしうつっていた
鮮明な足跡ばかりでは
海岸の砂に
鮮やかさは埋もれてしまうから
懐かしい写真の
色褪せた部分が
きみの記憶にしか
残っていないことは
きみにはもちろん
やがて消えてしまう
僕 ....
まだ、たった五文字の言葉を伝えられない…。
明日
僕は生きているだろうか
愛する人に伝えられない
「ありがとう」
明日には 僕は{ルビ同胞=はらから}に刺されて死んでいるかもしれない ....
基本 気の利かない 女のパラレルな空にどうか
振り回されないで 困った顔で金縛りの細い男
基本 気の利かない 男
種は持っていてもその種は持ってないのだから いじけないで
逞し ....
蝉の声がする
静寂の中
遠くに
蝉の声がする
頭の奥
他には何もない
ただ
ただ
蝉の声がする
僕はここだ
と言わんばかりの
切ない
蝉の声がする
近く来 ....
精神分析
耐えられない、いたみ
それが自我から乖離する
統合されない
わたしをつくる
くりかえし見る夢
怒っているのに出ない声
声の出ないシーンばかりが
反復される
....
求めている手が鳴り響く
その音が始まる前の凍結した国で
欠落は欠落として満ち足りていた
土の表面は華やかに彩られ
予言はいくつもの囲いを検索していた
鳴り響く手に初めて巻き付いた風は
....
眩しい女がいて花が霞んでいる
2117 2118 2119 2120 2121 2122 2123 2124 2125 2126 2127 2128 2129 2130 2131 2132 2133 2134 2135 2136 2137 2138 2139 2140 2141 2142 2143 2144 2145 2146 2147 2148 2149 2150 2151 2152 2153 2154 2155 2156 2157
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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