年上の女が
傍らに
横たわっていて
私を艶めかしく感じるのは
年上だからだと言う
そんな風に
年上の女は
年上であることを
隠そうとしないが
見ればわかるよだなんて
口が裂けて ....
練り香水の種類が増えるのは
誰のせいでもない
ただ私があなたに気付かれたいと
簡潔に言えば
そういうこと
あなたの視線が横切る
無作為に ....
「石」
川辺に寝そべって空を眺める
流れる雲を見るともなく見ながら
僕は石になって時を刻む音を聞く
僕はここにいるのに誰も知らない・・・
「意志」
砂を握り ....
どこまでも続いている道
遥か彼方へ離れていても
青い鳥は心を通わす
いつか森に還るときまで
あなたと繋がっていたい
誰もいない部屋
写真の中の二人は寄り添い微笑んで ....
日々の現実が嫌で嫌で
考え抜いた者が
行き着いたものは
物質への憧れ
何かを思うより
何かに触れていたい
家の近くの
何の変哲もない公園のフェンス
それを手で触って
握り ....
お前のイメージはお前のもの
同じイメージをなぞることなんて出来ない
でもイメージが伝わってしまう
僕は盗まれたり傷つけられたりすることが不安
お前はお前
僕は僕
一致しないから許しあえ ....
夜の匂いを忘れてしまうまえに
早くしなくちゃ、って思ったんだ
玄関から一歩踏み出したときに
夜の匂いがするということは
昼間とてもあったかかったということかな
熱が土にたまって、それが噴 ....
光しか見ていない人は
本物の光は描けない
きみが主役
きみがきみの人生の主役
会社への行き道
時間に追われる行き道
会社からの帰り道
こころを揺らす帰り道
生活を会社にもって行ってみたり
会社を生 ....
いろづいた
いちょうを編んで
やわらかなストールをつくる
ゆっくりと首に巻き
はしゃいで
みたりして
きせつは
名前など欲しがっていなくて
ひとり
通せんぼする散策路
....
土踏まずの深い足裏で
たわわに熟した葡萄を踏みつぶす
たちどころに
赤紫の液体が
{ルビ箍=たが}で締められた
大きなたらいの中でほとばしる
秋の森は
少年と少女の息遣いで色づき
どこ ....
遠ざかる
深夜
かえるはないている
あちらへ
ちかづきゆく
宙
零時の
あなたよ
覚えていましたね
しんなりする石
あいさつの
あまおと
え ....
ふわっと秋のにおいが わたしの頬を通り過ぎ
あの日を思い出す
だいだいいろの あの花は
今日も誰かを傷つける
少し寒い秋の風が わたしを通り過ぎ
あの場所へとさらってゆく
....
日曜の早朝のように
不穏な静けさのうちに固定された記憶のかずかずが、
箱のなかの玩具のように
あたまのなかに乱雑につめこまれている
手に取ればその一々は
あれもこれも絵になっていて、
....
背中に杭がささる
子どものころはそのまま
小学校に行った
人には見えないので
痛みをこらえている表情を見せなければ
だれにもわからない
休み時間に追いかけられて
プロレスのヘッド ....
なんと醜いものだろう
ただの肉塊であったなら
赦されたものを
このなかには
潜み蠢くものがある
....
温かなみそ汁が
食べたい
薄い短冊の大根が浮かんだ
真夜中のそれは
少ししょっぱいだろ ....
三が日は毎年家族で過ごす。朝はコタツにくるまって年賀状の仕分けする。おとん おとん おかん おとん おかん じいちゃん おとん あにき おとん おもち おとん おかん おとん なんこ じいちゃん おと ....
ニュータウンのそばの団地
わたしはその屋上から身を乗り出す
鉄のにおいがする
眼下に見える景色は灰色だった
冷たい人間たちが巣くう
わたしは蟻の巣の断面図を思い浮かべる
人間とは… ....
駅前で少年に声を掛けて
靴を磨かせる東京の蒲田の
ビ ....
夕焼けが吐き出す旋律は
不協和音を多く含んでおり不快だ
憂鬱の含む倍音はそれと似て
呪われたような音である
僕は僕とデュエットする
うまく合わない……それは憂鬱のせいだ
不揃いな倍音は ....
ピアノの背凭れ付きの椅子が
壊れてしまい困惑してると
太り気味の血色の良い兄が
突然現れてきた
妙な壊れ方をした椅子を見て
怒ってる風でもなく
マジマジと
椅子を見ている
....
あめが好きなので
わたしはあめを抱きしめた
かぜが好きなので
わたしはかぜを抱きしめた
にじが好きなので
わたしはにじを抱きしめた
ゆきが好きなので
わたしは ....
きっと誰しもの心にねこはいる。
ふ、とそのやわらかい毛並みに触れることがあるだろう。
ふ、とひらがなではなしをしたくなることがあるだろう。
きっと誰しもがねこになりたい。
ねこはあなたを見 ....
いない街の誰もがいる
でも いるのに 僕は 疲れていない
そして何であろうと描いていない
いないであろう自分がそこにいる
遠くから聞こえる 夜の
暗闇の街の敗者である 僕は
....
タバコの煙りでかすむジャズ・バーで
憧れを飴玉のように口に含んでは
恋人達のようにキスをしたがる
少年たちの夜更け
青林檎味がお好きなのねと
薄墨色にふけるドレスをまとっ ....
『キャバ嬢Aの一日』は絵本の題名です
幼稚園で先生が
煙草臭い息で、よく読んでくれたものでした
(そうそう、親指姫が好きだったあの子
今ごろどうしているかしら)
今日もどこかでシ ....
愛する才能など僕にはないけれど
僕は僕のままで
あなたの側に居たいのです
だからほら
愛される才能など僕にはないけれど
あなたはあなたのままで
僕を隣に置いてください
帰宅早々インターフォンが鳴り
え? 宅急便?
受話器を取ると
「とりっくおあとりーと!」
子供達の雄叫びが両耳に飛び込んで来た
驚いた
かぼちゃランタンがそちこちに並ぶ時節
とうとうアク ....
春の日に散ってしまいましょう
貴方を思い出すことも出来なくなってしまっ た
幻影の中飛び交う妖精 美しい思い出は駆け巡ってゆく
咲き乱れる花 旋律は艶やかに
誰かの唇と重なる ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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