レールがなくて芝生にころがっている
もう、手の届かない
懐かしい季節に
向かうようにーー
クレソンをひとくち
レモンもバニラもお好みで
そんなふうに朝を過ごしたら
天気は良好
青りんごをポケットに入れて
森へ出掛けよ ....
ひとはまっすぐ生きられない
かならず、曲がり角はやってくる
見覚えのない交差点はこわい
視界の閉ざされた曲がり角は、もっとこわい
たとえば
人生がなくても小説は書けるという
それは ....
欠ける月の裏側
隣にいた乗客は
溶けて灰になっていた
塞いだ耳の奥からは
もう一人の僕が囁いていた
雑誌の名前も知らない女が
此方に微笑んでいるのは
レン ....
音楽は奏で
詩は語る
誰もが沈黙を要しているが
誰もが饒舌を愛好している
誰もが批評家だが、「創作家」は一人もいない
・・・最近では、哲学者はみんな哲学研究者に還 ....
ボケという素敵な表現力
ケという素敵な表現力
という素敵な表現力
いう素敵な表現力
う素敵な表現力
素敵な表現力
敵な表現力
な表現力
表現力 わたしをバカにし ....
君の胸の音を聴いている
瞳を閉じれば浮かんでくる
電車がゆく
車輪の音は確かなリズムを刻む
無機質でいて
それはなぜか温かい
からだじゅうに
張り巡らされた
赤い線路を
休むこと ....
そう,お前は影,影なのだ
知っているはずだろう
私も影 影 影なのだ
全ては影 影 影 なのだ
まがいものの花
まがいものの言葉
まがいものの涙
まがいものの祈り
まがいものの ....
なんたることだ
この手付かずの不幸といったら
墓石のようにビクとも動きやしない
変色した月はこの世を終わりにしようと
面白いように世界を捩曲げていく
私までぐしゃぐしゃに ....
バニラはひとりでひびわれて
かわいた白い絵の具に似てる
さようならをするときに
呼んでほしい名前があった
この世に難しいことなんてひとつもなかった
手に入れたいものもひとつもなかった
....
2013年11月14日木曜日
私は用意された指定席に
座らなければならない
用意してくださったのは先方
実のところ私は行きたくないのだ
いつものこととはいえ
先方の爬虫類顔を見ることに
....
静かな昼下がり、図書室に入ると
カーテンからまいあがる埃が光のなかで渦を巻いていた
私は美しいものになりたくて夢みがちに書棚をめぐりあるく
時々、ひんやりとした背表紙の感触を楽しみな ....
人の身体で
いつも濡れてて
まわりに毛が生えていて
開いたり閉じたりして
最初がまで
最後がこなのは
どこだ?
マカダミアナッツチョコ!
惜しい!
正解は逆流性食道炎です
降ってきた切片から傾きが動く
交点AからBの間に突然のA'
無限遠を目指そうとするA'
余韻の曲線は第一象限に浮かび上がる
不安定な遠心力でA'
引き戻されては離れていくA'
正弦波を忠実 ....
人のいない町で、ひとりでに動く荷車の車輪の音だけが
響いている。電柱に梯子が途中まで掛かり、不思議と笑
いを誘う。眼鏡越しに見る空はどんよりと灰色で覆われ
ていて、打ち合わせたかのように雨が降り ....
誰かが扉を閉めてしまった
私は夜ごと出口を失くした夢をみる
扉を閉めたのは 私
そのうえ錠前を壊してしまった
壊れた錠前をまず直そうとする人は
人の心を思い遣る人
壊れた花瓶を
片付 ....
民族の 大移動 シーズン
立秋 過ぎに 思うこと
少しでも 皆の 体感温度が
低く 有りますように
反比例して 体感テンションは
高いことを 祈りつつ
お盆に乗せた 今年初の ....
月あかりが照らす街を
街灯が占拠してる
肉まんとおでんの湯気に
わたしは蜃気楼をみた
そろそろみんな凍えだす
赤と緑とモミの木に
浮足立つけど凍えだす
恋とか愛とか幸せ ....
誰だって
秘密のひとつやふたつ
持っていて
それがバレたら
スゲエやばいと
思っているわけでさ
例えば
ネットでクソみたいなこと
書いているのだってそうだし
(これが正にそれよ)
....
ひび割れた心が癒せるのなら
私は唄ってあげる
せめてその泣き顔が
笑顔になるように
誰も振り返らずに通り過ぎても
私は立ち止まってあげる
受けた傷の痛みが
少しでも和らぐように
....
いつも言葉の足りない弟は
最後の別れの時も
死に顔を見ては泣き
姉の最後の痛みを知っては泣き
もう何の組み立てもなく
嗚咽しているだけの
図体ばかりが大きな
巨大な涙袋と
なってし ....
春に冬眠
あと一口
もう一口
全部食べてしまった
寝る前
オープニングからサライ唄っている
おんなが笑っている
高笑いでもなく微笑みでもなく
氷雨に打たれ空を見上げ
おんなが笑っている
おんなの頬を伝うのは
雨粒だろうか涙だろうか
痩せたおんなだった
背の高いおんなだっ ....
プライドや
スキルや
イデオロギーといった
後付けアイテムで体裁を整え
何層にも膜を張って
“ ハッタリ ”という殻で
コーティングしたら
実物より
やや立派に見えた
だが
....
あるインターネットサイトで「もしあなたが、一日だけ可愛い女子高生になったらなにをしますか」という記事を見た。
マルキューで買い物?
美容院に行く?
ナンパされてみる?
いろいろ考えてみたけれど ....
定年退職したから 専門知識を生かせという
世界中の研究者たちと協力して
大所高所からものを言い
人類の平和と繁栄に尽くせという
わるい誘いではないけれど
しかしなあ どうして退職してから ....
炊きたての
新米を盛った茶碗から
ひとすじの煙がたちのぼる
雨と
土と
太陽と
風と
人の労働とで
育まれたものが
上へのぼっていく
本体から
自由になったものたちは
....
夜の荒れ野
肉厚の双葉
祈りに閉じる
滴の手のひら
瀧が桜に覆われ
音しか聞こえない
やがてすべてが
流れの先に遠のいてゆく
舗装路の亀裂に
沈み ....
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