白い息を吐いて
大時計の前 待ち合わせ
君のお気に入りを持ち歩く
僕の耳に 赤いイヤホン
少し早く来すぎたかな
風景に混じるカップル 揺れる喧騒
思い出してしまう
「寒いのは苦手 ....
鳥たちが
羽ばたいて
赤子たちが
目を覚ます
鳥たちが
暮らしていたことなど
赤子たちは
知らずに育む
無邪気な勝ち誇りは
なぜだか咎に似て
無意識な寝息は
伝い聞く 幼 ....
街を歩いてると
ついつい君の
喜びそうなものを
探してしまう
そんな僕が居ます。
渡せるはずも
無いんだけどね
だけど君が
またあの笑顔を見せて
喜ぶ姿が頭に浮かぶんだ
....
そのままぼくでいると
なんだかなにかが足りない気がして
こぼれないように
あふれだし過ぎないように
カビの生えたノートに
書き殴ったたくさんの文字
そこにたくさんのぼくが
かくれひそんで ....
抜け出すことのできない日々
手錠に物事を引きちぎらせない
マリアのように偶像化が進んでいく
固くなった心はさらにストーンしていく
煙をゆっくり吸い込んで
深く吐いていく
真冬よりも冷たく
....
冬の肌は
こわれもの
夕餉の火を落とし
手にたっぷりと
クリームを塗る
ひび割れから
そっとしみこむように
日常というものは
重力がある限り
何処に行ったとしても
そう変わ ....
静寂
風の音もない
この世の沈黙
刻々と時は流れて
声なき祈りと
小さな明かりだけが
漂う
4分33秒の
tacetのように
ロケットが帰ってくるとき熱で燃えてめくれ 一本の花になり地球に刺さった その地点から波打ち拡がる花の生命は一気呵成に大地を満腹フラワー地帯へと脈打ち変化させる 驚き飛び立つ鳥たち ....
{画像=131224041858.jpg}
西の空に 夕日が溶けてしまう前に
愛するあなたを 包みこむ
銀色の粒が 凍えさせてしまう前に
愛するあなたを 包みこむ
愛するあなたが ....
原始の地球で生命が誕生するかのように
うなりをあげ ドボドボと音を立ててそれは始まった
新しく生まれる世界の器が満ち足りるのが待ちきれず
私はひざまずき成り行きを見守る
器の底はあっという ....
焼き上げたばかりのロールパンを 手早く皿に移し
純白のシルク地のカーテンに 挨拶するみたいに軽く触れ
彼女は朝日を一番たっぷりと浴びることのできる席についた
だがそれは彼 ....
女だって許してくれるさと
眠る そして
酒を飲まされている時の感覚がする
気づけばそう気づく
自分が何をしていたのかなんて
みかんの皮をむいたからこそ忘れた
こたつのあるその部屋の ....
音楽理論に則っても
音楽教室に幼児から通いつめても
音楽の天才が生まれるとは決まっていない
何故なら、天才とは常に
理論を越えるものだからだ
優等生のその先に天才があ ....
けたたましい光に 四方から刺され
花柄の水風船は 少女の手のひらで割れた
寒々しい水滴の火花はそのまま 少女の記憶の形となる
よく熟した七月の片田舎は 躾のいい室内犬に瓜 ....
ある朝、眩しい光が僕の視界を奪った
思わず僕は手を目にあて、少しずつ
指の間から前を覗いた。
そこには笑顔で僕を見てる君がいた
眩しいだなんて
今日は雨なのに不思議だね
いづくにぞかくもありつる
うまし音充つる幻さやか
たぐへたりとはの月しろ
一たびのひと夜かたらふ
そのかみはふたりありけり
今し今とふともあらじ
うるはしき風やあやなす
霧ふかき ....
さびた車輪が 降り積もった時間を振り払い
重くきしむ
巨大な動輪が レールの上をわずかに揺れて
危険な過去の岩石たちを粉々に砕く
車軸に浴びせられる 熱いオイルの飛沫が
すでに ....
誰にも知られてはいないが
レインコートの下は
スッポンポンのフルチン
つまり楽しみは
人知れず行うのが一番
という意味の諺
よく似たものに
無い袖は振れない
があるが
これは
....
ざらざらの掌で
温められ
擦られ
撫でまわされて
摩耗した挙句
まるく つややかな光を放つ
表面に一点の翳りもない
器が
轆轤の上に
遂に生成し得たとしても
掌の持ち主の
荒れた ....
ぼくの胸の中 モーターは
滑らかに 回ってる
プロペラを付ければ
きっと青い空へ 駆け上がる
ぼくの胸の中 モーターは
軽やかなビートで 回ってる
スピーカーをつなげば
きっと ....
ある日君は安らぎを見つけ僕の元から
離れてしまったね、いつか僕も
この世界から消えて安らぎの場所に訪れた時
君はその場所で待っててくれるのだろうか?
曇り空でも どちらが太陽か分かるから 向日葵
そんな名前に なったのかしら
そんな ひまわりみたいだねって 言われたら
喜ぶべきなのに
可憐な百合やスミレが 恋しくなっちゃって
ち ....
ゆらゆら路地裏に消えていく猫の尻尾
日曜日の午前9時
空がある
雲はない
宇宙がどのようになっているか いつの日か科学は突きとめるだろう
宇宙が何故在るのか 誰も永遠に分からないだろう
テ ....
降りそそぐ5月の光が せせらぎの上を転がり 溶けて
自らの背に光を受ける 小さな魚の群れが
黄金色の川底の砂に 等間隔の影を落とす
若草の緑が流れを縁取り
木々のざわめきが ....
水星
{引用=みんなより泣き虫な私ですが
もしものときは貴方の熱い涙も、全部
私のそれに溶かして差し上げます。
その代わりといっては何ですが
私からいつもより
少しばかり濃い塩の匂いがして ....
歩き続けてもうだいぶ経つ。
目の前で扉が閉まる音がして
思わず立ち止まって振り向いて
気づくんだ。
あれ、あれ、僕は一人ですね。と。
誰もいないよ、誰かいないの?
煙草の吸殻と、掠 ....
なにが欲しいから
この星に来たんだろう
こころは乾いた風に
コートやマスクやマフラーに
水色の影はおとなしくて
今宵メリークリスマス、街にすれ違っていよう
いま ....
彼女は巡礼の足をとめ
胸のクロスを外し
川に沈める
人は一度目の奇跡で生まれて
二度目の奇跡で死ぬのよ
その血が流れる場所に
十字架を置いておきましょう
そう言って娘に
そ ....
とおくからデッサンしていた。いつも。
▽
減ってく音にまもられてた。はいいろにぬりたくったせかい。りょうてとりょうあしを伸ばしたらなにかにあたった。これがぎりぎり。 ....
駅を降りた時から
熟れた紙の匂いがしていた
一歩踏み出した時から
文字がバラけて押し寄せてきた
(ここは本の街です)
このあたり一帯が
巨大な書庫になっていて
その事実だけで
....
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