そのポジション こころもち傾いだ肩
だがその奇妙な天秤は正確に示していた
数冊の詩集は巨大なOEDよりも重いと
あるいは野の中の一本の大木
その美しい縞模様の幹と いろとりどりの葉よ
だ ....
白銀の光
冷たい熱を帯び
今
私と月の間には
透明な冬だけがある
はるかに遠いくせに
あっけなく近くなる
こんな風に
てのひらにのってみせるのは
何故?
まるで
弓矢を射れば ....
サラリーマンのコスプレして会社に行っている
家族が起きだす音がしてまた夜が来ない
放射線量を測りに行く足にペディキュア
夕方 スーパーで
買い物をしている途中
金木犀を 感じた
既に タイムアウト
しているだろう?
山側の 黄色い花も
土へと 還ったのだ
其れなのに
此の
香し ....
今日も正月
ぜんざいに餅をいれる
あずきをみている顔で
家族をみる
決まった日に
決まったものを食べて
定位置に
なにもかも座る
あたしの
おなかん中も
かわりなく腹黒 ....
歴史の知識のフィルターで
あたりを見回しながら山を上った
城跡にひとの気配を探していた
何百年か前ここには猛るひともいた
しかしこの城跡にはもう道さえないのだった
私 ....
女子バレーを見ていると
人の冷たい空間は
そこに空間としてある 僕は
さっきまでは警備員だった
きっと彼らは主役だった
楽しいと思った きっと
自分の死んでいる日々が
心の中 ....
高層ビルの屋上は
空にいちばん近い場所
上を見たり
下を向いては
迷いながら
誰かに手渡すはずの
名刺を捨てたら
何が他に残るだろう
破れるのが先か
拾われるのが先か
....
夜になると何度も鳴りだす
その電話にはもう出ないで
そのストーカーは貴方が疲れ果てるのを見て楽しんでいる
無視が一番よ
何かに没頭すれば少しは気も晴れるでしょう
そうね 例えば恋 ....
10年前の僕よ、なんだか憂鬱そうに涙を
浮かべ、夕暮れのベンチに俯いて、一体ど
うしたんだい?君の目に、透明な僕の姿は
映らないだろうけど、心配だから様子を見
に来たんだ。やがて君の涙は(時の ....
切符があるから、電車に乗れた。
食券があるから、ラーメンを食べた。
パスポートがあるから、異国に行けた。
それならば
鏡に映る(わたくし)が
一体何者なのか?という
最も不思議な秘密に ....
雪の綿帽子をかぶり
のっぺらぼうの顔をした
路傍の石が
こんにちは――と、僕を呼ぶ
ぴぃんと糸張る弓張月
北のお空は冴冴と
まるで はなうた
うたうよう
子猫は風邪をひいている
たぶんじょうりくさんのことは
あれなんだけど
でも
なんか
あれだし
とれないし
こみゅにけーしょんてきな
のが
とれないし
ほかの
おとこと
はなしてるとき
たのしそうだし
....
そんな厳粛なものではなかった
壮麗な教会のどこか枯れた香りではなく
天に召されようとする生身の横たわる部屋は
真冬でも蠅が飛び交いそうな腐臭に満ちていた
‘なにかがおかしい’と疑いながら
....
-光-
どこから光が射しても
あなたを照らしますように
-星-
星が世界を埋め尽くす理論を
感情論で解説しよう
....
なに考えているのかちっとも手応えがない仕事人間のようなふたりでも
ささやかな感情のふくらみで満足していたりするのです
したいこと、やるべきことがあるから今の暮らしをしているのだ ....
愛するとは
私の全人格をかけた戦いであり
私の躰のどこを切っても血が流れるように
私の人格のどこを切っても愛が溢れるようでなければならない
それは命の内側から人を愛するということ
ひとりの人 ....
愛されたいなんて 言えやしないや
だって僕は 愛なんて知らないし
愛ってあれだろ?
甘くて 切なくて 苦くて しょっぱくて くどくて どろどろで きらきらで 美味しいんだろ
....
真鍋かをりの
なんとか国大出て
結構学歴高いです
みたいな振る舞いには
鼻汁擦りつけたくなっちゃう一方で
そのニキビ肌にエロスを
感じるわたしは
プロアクティブに
怒りすら覚える
....
ほむら、ほむら、
ほれ、ほれ、ほうれ
こをえがけ
ほれ、ほれ、ほうれ
つみ、あがれ
ほうられ、ほむら
ほうむれ、ほむら
いざ、いざ、くだけよ
くる、 ....
自分の知っている全ての事なんて
この世界から見たら半分もないだろう
僕は今 何を知らずに生きているのか
自分にはわからない
色褪せてしまうまで
崩れ落ちるまで
見届けたかった
遠くなる影を見送り
不在を確かめたなら
踵を返し
歩きだすはずだったのに
あとからついていったのだ
見失う一歩手前の距離を保ち
二 ....
鏡のなかに
とおく落ちていった
ひとつ
ひとつの
香りのあわれさは
なりゆきを待っている
いくつもの
抜け道にあざむかれてしまう
わずかなすき間にひそむ
その
夜の筋書 ....
誰もいない海に雨が降る
黒ずんだ絶望が死んだザリガニの匂い
こちら変態こちら変態応答願います
何処からか 懐かしい 香り
嗚呼 これは 金木犀
一年振りの逢瀬に 笑顔 ふりふり
フリルのシャツでも 着たい期待
誰ですか?
個室の香りだ なんて 言うのは!
★,。・: ....
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