奥深く行く生く
意識の明度、
あくまで保たれ保ち
より明るみ明るませ
映るモノ 待つ
沸き立つ
思考という力動
今、静かさに
意識の微睡みの覚醒にて
感情を生き直観に捉えられ ....
貴女の靴紐を結ぶために
僕は走ってやって来た
だけど貴女は逃げちゃった
僕より速く走り去り
貴女はまた逃げちゃった
いよいよ大気は冷たくなり
いよいよ明るみは褪せ始め
刻むリズム ....
春の水蒸気は何処に行つたのか
この空は{ルビ禊=みそ}ぎするものの色
永訣の色
地上は百色さんざめき
めざましくもゆたかである
いちめんの輝かしき生存
疾風は田園の暮色をよ ....
消滅はせずに
只々平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない次元に
後ろ手付いて息を吐く
反復の内にあり変わる明度
記憶はあくまで凍結され
思い出したように不意にま ....
お腹いっぱいになる
幸せいっぱいになりうる
だけど またお腹すく
また幸せ求めちゃう
人間て欲張りね
全然 満足しないの
そもそも なんで 人間て幸せを求めちゃうの ....
本当に
大切な
何かは
こころの奥に
あるのです
私は しまむらに
行きたいと
何度も思った
そして
何度目かの今日
しまむらに行こうと
主人と約束した
しかし
コストと満足度が比例するかといった
観点から考えると
....
スカートの裾を引き裂いて帰りたかった
(泣いたって星を捕まえればいいよ)
実は明日で辞職です 皆さまお世話になりました
行儀よろしくつるんでた 同僚キミともおさらばです
昼餉は弁当派でしたが 最期に社食をつかいます
想像以上に美味でした おごってくれたキミに感謝
....
男が 居た
美しい男だ
あぜ道沿って咲き誇る
紅のみち
彷徨って舞いわたる
男が 居た
彼は蒼白い顔に大きな目を光らせて
おしゃれなスーツで包む
細い し ....
オバハン、オバハン、オバハン、オバハン
口が臭いんじゃ
オバハン、オバハン、オバハン、オバハン
鼻の穴が巨大化しとるんじゃ
オバハン、オバハン、オバハン、オバハン
毛穴が目立っとるんじゃ
....
自称詩人の首に
縄を掛けて
橋の欄干から
吊り下げたい
日本中の自称詩人を
みんなそうしたい
だってお前ら
その姿が一番似合って
いるんだもの
胸にそいつの
代表的な自称詩を貼り付 ....
股が痒いときに
自称詩人の髄液から作った
軟膏を塗ると
爛れて激痛が走るので
痒みを忘れることが出来ます
「嫌なことを忘れたいなら
生き続けること
もっと嫌な目に合って
前の嫌なこ ....
銀の輝き放ち
小さな機体移動して
濃くなる青の高空を
ゆっくりゆっくり
前へ前へ真っ直ぐ
あるもの在りと
力動ツラヌキ
飛行機は行く
世界から来て世界へと
あるもの在らしめ ....
遠い話とほいはなし
ああそんなところだね
いまとなつては
大気は海の継子じみて
地中海色のタイルの
すました青磁のなかに透けてゐる
カラカラした浴場のなかで昼寝してたら
いつのまにやらお ....
ラベンダー絨毯の中、東へ東へ向かうバス。
点在するハーブ園、スィングするカラフルな
文字、流れる。ラジオから「セージ、パ リ、
マリ 、タイム、、、」と聞こえ、「行くの
ですか」と問い掛ける。 ....
細長い札のようなものを入れた袋を閉じるためにセロハンテープを貼る。一緒に指紋も貼る。私の指紋が採取されて、どこかの工場で加工されて、梱包されて、商品として全国流通してしまう。細長い札のようなもののノベ ....
たった一言で夢中になる
そんな
魔法みたいな言葉があったなら・・・
ねぇ 空想したことない?
一気に あなたの方へ転がせられる
そんな ヒミツの言葉があったなら・・・
わた ....
汗が流れて、田畑が散る。
畦によろしく、わさびにもよろしく、全世界によろしく。
人型の充電器で、今日は衛兵として、明日は線条結線として。
マリネに込められた、様子見、豆がつぶれ、雲みたいに平静を ....
人の見ているのは光
その向こうを歩く
サラリーマンは光自体にその肩を照らされている
電車の音がしている
大型トラックが川の前を通り過ぎる
深くため息をついた
川の向こうには彼らの暮 ....
私の中にたくさんある言葉
君のために取り出してみれば
悲しみも希望も一緒になって
一つの流れあふれ出す
涙と笑顔が私の心
どうしたってたどり着けないところ
もしも知っているなら連れて行って ....
必要のない階段がわたしにとって必要なのは
閉鎖(とざ)されたスクラップ工場の壁にひっつく残骸で
時代にとりのこされた孤独の分身そのものだから
この苦々しい感傷をくろい笑いでわたしが踏 ....
社畜会社員
お互い人見知り
初日不安
店でそっと指を掴まれる
昆虫のケージで連れ帰る
ずっと後ろ姿で拒絶
毛に触れたらジャンプして吹っ飛んだ
ヒマワリの種即食い
ご飯で間合いを ....
好い天気だ。
聖地の{ルビ陽光=ひかり}が混じりつ気なく鳴り響く
こんな好い天気だ。
振つ切れたやうな気圏のまつただなかを
透けた{ルビ南風=みなみ}がかるがると翔び
雀の子等はあどけなく驚 ....
天国と地球の狭間に在り
光の響きに注ぎ込まれていく
ヒビキの速度と一体化しながら
巨大な何かの残響足跡残像
反復され前進し反復され
天国と地球の狭間に冷ややか覚醒して生き
ひたすら ....
このペンが
最後に記す言葉はなんだろう
感謝の言葉だろうか
それとも呪いの言葉だろうか
生まれた街の名前とか
(せんだい、とか?)
好物の名前とか
(カレーライス、とか?)
誰かの名前 ....
庭のウッドデッキに
細長い枯れ枝が落ちていた
薄いカーテン越しに見ていると
その先端が微かに動いている
枯れ枝ではない何者か
無機質だと思っていたものが
実は違っていて
ぬめった ....
ここには注意書きをよく読まずに入ってしまった。ここに一度入ってしまったら出られないと知ってから何年が経っただろう。出口がないこの場所も、今では色んな人の言葉で溢れ返っている。中には持ち主に捨てられて、 ....
何かを感じとることは
夕暮れの空に似ている
冬に 太陽の 向かう
一生に一度きりの時間
きっと 誰にとっても
店を出ると街は夜だ
光のロータリーに灯された
どこに彼らは帰るのだ ....
術師たちが部屋に入ってきてしばらくすると、死刑囚たちの頭に被せられていた布袋が、下級役人たちの手でつぎつぎと外されていった。どの死刑囚たちにも、摘出された眼球のあとには綿布が装着され、その唇は、 ....
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