子どものころから知っていた
その今度は
生涯 来ないこともあることは
だから
続きは また今度
と言われたら
諦めるしかない
一瞬を
その身に
耐えうるだけの一瞬を
凍れる花は
抱き締める
その
抱き締める力に比例して
花の強度は
もろさを
高めて
誰、と決めずに
凍れる花は
誰、 ....
奇妙な夢だろうか
<孤独>がネット・オークションに出ていた
存外たくさん出ていたから 驚いた
街に出ればすぐ手に入るだろうに・・・そう思い
電車だって孤独のスシ詰め状態だ・・・そう思い ....
お母さんって
優しくて、ふんわりしてて
なんだか甘い匂いがする
うちのお母さんは
いつもくたびれてて
髪のセットもしないまま
仕事に出ては
アルミの粉の匂いがしてた
ささくれと、ア ....
知らないほどに、人は愚かで
知るほどに、人は悪く
けっきょく救われヘンのやなぁ
はぐれた蟻はかわいい
バッタの死骸に群がった蟻は
雑貨屋やすぃーつ店の
おばさんの大群
それぞれに
精巧なセンサが装備され
超高速なCPUが制御している
夢見がちな戯言を ....
午前零時の開幕のベルは
眠りについた歌声を呼び起こした
まっさらで直撃なエコー
それは肉体が要らなくなったせい
5ピースのバンドと
クラッカーのビートに乗りながら
....
午前2時
風にのって同報無線が聞こえてくる
行方不明の方の情報が明かされる
パジャマ姿 86歳のおばあちゃん
念のため外へ出ると
パジャマではとても耐えられない寒さだ
そん ....
うろおぼえの風景の中を
戻って行く
繋いでいく
抜け出したい
と思った時
光が見えた
根毛を伸ばし
水を吸い上げる
双葉を拡げ
光を浴びる
暖かかった
柔らかかった
....
不確かな骨だけを残して
夕暮れの時間は風に流されていった
きみの膝の上に載せられた 白いパナマ帽
それは何の前触れもなく ただそこにあった
それはまるで ....
ワタシから男を引いたのが女なのかな?
それじゃ、ボクから女を引いたのが男か
あぁ、自分がよく解らないから
どう引いていいか解らないわ
それじゃ、キミにボクの女を足したら?
そうか、アナタ ....
ボクは欠けているらしい
そうだとしても
ボクとしては困っていないのに
みんなは困るらしい
欠けていないボクって
実在しないのだから
みんな困らないと思うんだけどな
夢に疲れて夢で寝る
夏の来た部屋に貼れないカイロ
口笛吹いて蛇が出ない
灯りをつける ままの指影
笑われに 風 戸に止まる
はかれる継ぎ目 キラら酔
のぞく帆三日月 黒河蔵海
折鶴といて 折り痕ぬぐう
灯りを消したままの指守り
さむらごうちの言い分
耳が聴こえるとか
聴こえないとか
しつこく追及しますけどね
この際だから
ハッキリ言いますが
一番の問題は
あんたらの目が利かないって
ことじゃないの、ええ? ....
見知らぬ男が一人
バッターボックスに立って
枯れ葉のような色をした 外套のボタンをはずした
上から三番目、ひどくほつれて、取れかかったボタンだ
透き通っ ....
中学生になって
初めてコーヒーを飲んだ
僕はその3時間後から
コーヒーが大好きになった
コクや酸味の味わいや
鼻から抜ける香りを好きになるのは
それから3年程経ってから
コー ....
久しぶりに
君の声を聞いた。
何年ぶりだろう…
君は今も
僕の親友で
真友で心友で
信友だ。
電話から聞こえてくる
君の声は今もあの頃のままで
いつも君と一緒に居た
あの頃 ....
29歳になりました。
20代最後です。
恋愛経験全然ないけど、結婚願望はあるんです。
だから、今年こそ、気持ちよく動こうって決めました。
出会いは、ない。
だから、婚活パーティだとか ....
こんな日は
決まって風が泣く
弔いはもう済ませたというのに
細い通路に
冬という冬が
我もわれもと押し寄せて
ひゅうう ひゅううと
うなるのだ
夢遊病者のように
あの音を ....
珊瑚礁がわらっている
夕方 潮風のかわりに
わたしは、
爪を剥がされた猫と 体毛の薄くなった猫とを
膝のうえに半分ずつ抱いて 雨を受けた、
あなた ....
昨日の二月八日に
関東では大雪が降りました
そのせいで、僕のバイトは休みになったのですが
店長が僕に連絡くれなかったんで
僕は雪の中を歩いて
店まで行きました
店に ....
久しぶりに田村隆一詩集を開いて
そこにある言葉を一つ一つ拾ってみる
「文学」なんて名がついて
「詩」というジャンルに分類されて
まるでそんな事を笑うかのように
....
広島出身でパチンコ好きの
両親の影響は特になく
中学生のときに
理科室でメチルアルコールを
飲み続けたために
ある日突然光を失った
画家佐村小路守忠相
(どっからどこまでが苗字なんだ?) ....
夜中の2時に玄関前で
猫がニャーニャー鳴いている
外では雪が降っていて
染み込んでくる冷気のために
僕は布団にくるまっている
古い時計の秒針だけが
静かにこだまし続ける夜中に
ニャーニ ....
あの子あの子あの子はいまどこ
ああ雪が屋根から落ちる音
二月、東京に降った雪
あの子あの子あの子が泣いてる
行かなくちゃ助けるために
行かなくちゃ早く
遡って行かなくちゃ
靴下を ....
長針が短針を抱くカチリ、という音
瞬間に{ルビ羽包=はぐく}まれる世界の潮騒
すべて洗い落とした裸の鼓膜が
時の生誕に身震いする
今は何も知らなくて良いと
優しく目を覆う慈悲の手は
記 ....
いつもより赤い夕陽が レンズのかかった 目に映る
煙突からの かすんだ煙が風にさらわれる
家路へ急ぐ 人々の影が消えそうになる
この日常の風景の中にも 答えはない
自分自身を 分断している ....
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