独りの道に一方通行の標識
音楽は綺麗だ
詞はときに美しくない
映像は力強い
言葉だけでは非力すぎる
絵画は豊かだ
活字の並びは貧相だ
散文は直線的徒歩だ
詩は螺旋的舞踊だ
創造す ....
時が降りしきっていた
黄昏の公園にはベンチが一つあり
そこにずっと座る
一人の老人の頭の上にも
白く降りつもる
飛んできた蛍が、
燃え尽きてその膝で眠ったときにも
ずっと ....
子供を産むのがそんなにも当たり前で
偉いのか
セックスが出来なくちゃ
いけないんですか
何も知らない当たり前の世界の人へ。
この世界はあらゆる人が生きているんですよ ....
ジャングルジムのてっぺんに俺の子どもがいる
4月から小学生になる
逆光で子供の顔が消える
太陽の向こうにママとは別の女性を俺は想っている
子どもがジャンプして俺の胸に飛び込んでくる
なんて無 ....
初めて現代詩を読んだのは、柏駅のビルにある書店で現代詩手帖を立ち読みしたときだった。当時私は19歳で、漠然と沢山の出会いを受け身で待っている孤独な少年だった。だが現代詩は私のそのような欠落を埋 ....
線路沿いの黄色が日に日に
仲間を呼んで
背伸びをうんとして
集まって
つげる どうにも麗しい春
まるで園児たちの黄色の帽子のよう
元気だけを呼び覚ます
どうし ....
九官鳥の鳴き声知っているかい
真似しすぎて
とうとう自分の声を忘れてしまった
めすをよんでも相手にされない
そんな人も居たな
人まねしていて自分の姿を失った
そんな人になるには
白紙 ....
碧い鉱石を
もう、ずっとながいこと
求めつづけて
彼は
自分が
空に渡っていった
海であることを
憶えていない
※
夕日の熱は
裏切りという罪を ....
ゆっくりと
頁をめくる
それは
何かを
惜しむような
誰かを
見送るような
こころもちで
結末を
知ってしまえば
この手の中の
物語が終わってしまうから
桜は咲いて散る
....
【修羅】
へいわ とか
あい とかが
こわれることは
いとも かんたん だ
三年前の みぞうが
かんたんだ わすれるな と きいてくる
あんなに頻繁に目にした ゛みぞう゛ ....
かつてハムレットは答えた
「元気だ、元気だ、元気だ」
オフィーリアに加減を問われたときに
このときのハムレットが病気であるにせよ、ないにせよ
オフィーリアがどうであるか
オフィーリア ....
ゴジラになってどうするのと
聞かれたけれど応えずに
ゴジラになった
この足がほしかった
この腕力もほしかった
壊れてゆけ
ただそれだけを願い東京を歩く
おもしろいほどにあっけなく潰れてゆ ....
見上げてごらん夜空の星を
蹴っ飛ばしてぼこぼこにしたいそんな
歌がいい具合にぐつぐつと
わたしの鍋のなかで煮えている
そう、ここらあたりでとろ火がいい
確実にかたちを消してしまうんだ
....
窓辺に三月が
腰掛けているのだが
まだあまりにも曖昧にあおいままなので
そのままにしておいた
冷える未明
ヒーターをつけた
あたたかな紅茶もほしいな
マグで、ミルクも一緒に
布 ....
安物のターンテーブルでまわる
ストーンズのLP,BPM,ベイビー
ささくれた爪の付け根みたいなきみのニンマリ,
スクリームを泡立てた
コーヒーの湯気の効果線は
走る稲光
四角い ....
三月の暗雲は過ぎ去り
西から太陽が覗いた
いつからか
ぼやけていた
流れる
立ち止まらない
過ぎ去っていく
瞬き
弾ける
乱れる
ジグザグに
曲がる
まっすぐに
曲がる
....
今朝もお寒いですね
いつものあいさつに笑みが見えかくれ
春に、また一歩
海
山
近寄りすぎると
津波がくる
熊が出る
ベルリンの
壁をどれだけ高くしても
津波がきた
熊がきた
甘い人間社会に憧れて
津波も熊も
街を混乱させたので
人間は壁をより高く ....
熱病のように
浮かされていた時代
走り始めた
いくつもの坂を駆け上がり
知らぬ間に撥条はへたって
ある日突然 切れた
胸を開けて取り出した撥条は
楕円形に歪んで 腐食され
真っ赤な ....
足元に広がるのは私の亡骸だ
あれもこれもそれもどれも私であったものだ
ひどく醜悪でそれでいてなんと切ないものか
打ち寄せる波が見えるかい
あれは血潮だ涙だ脳髄だ
小さくか細い声が聞こえる ....
クルマのハンドルには
遊びが必要
自分のハンドルにも
遊びが必要
螺鈿細工は複雑な表面構造が生んだ
いくつもの光が干渉して美しく輝く
池に落ちるいくつもの雨粒の波紋は複雑に
ぶつかり合い互いに干渉して広がり解け合う
この世は複雑に絡み合い
干渉 ....
蜘蛛は昔から苦手で 何時も逃げていた
トラウマに なったのは
幼い頃に見た 夢だったのかも知れない
眠る私の視界に映る 天井 部屋の隅
一面に掛かる 大きな住処が
いつ ....
玉ねぎを切っていた
パートの時間まであと少ししかなかった
カレーが煮立っている
そこに彼女はさらに玉ねぎをつき足そうとしていた
炊事場の小窓をあけて換気した
出掛けるまえ ....
赤い目をしたうさぎの耳に
月から
はぐれた言葉が落ちる
ので、
偽らざるをえないだろう
いつか
偽らざるをえないだろう
うさぎは白くて赤い目をしている
茶色や黒やまだら模様 ....
昨日までの自分が仰向けに倒れている
わたしを見つめて
ワタシが言う
「踏み拉き進んで行け
過ぎ去ったものは階段だ
額ずくな 口づけするな……」
そっと足をおろす
枯葉を踏む ....
さむらごうち氏の作曲家復帰第一弾が発表された
クリミア半島のおかれた状況をテーマに
戦争の悲惨さと平和の大切さを訴えた意欲作だ
前作までのゴーストライター ガッキー新氏に代わって
ウクライナ人 ....
素直な言葉で 伝えたい
小さな旅の中で気付いた 僅かなこと
置き忘れられた 小さな輝きを
踏み潰されても 起き上がろうとする健気さ
暗闇の中で 小さくつぶやかれた誓いを
....
虹からこぼれた魔法の玉に君の名前を彫っている
1926 1927 1928 1929 1930 1931 1932 1933 1934 1935 1936 1937 1938 1939 1940 1941 1942 1943 1944 1945 1946 1947 1948 1949 1950 1951 1952 1953 1954 1955 1956 1957 1958 1959 1960 1961 1962 1963 1964 1965 1966
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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