真夜中の草深い町はづれを
莫進する列車に
ふと吸いこまれる 優しい魂
詩友よ
貴方のやさしい魂が はがゆくなって
流るるにまかせよとは思えども
私の愛情が足りず
疲れ ....
人が行動を起こす理由は、
事実ではなく認識だと思っている。
あの人があーであっても、この人がこーっであっても、
それが事実であったとしても、なかったとしても、
僕が早く退会したい理由はそれらの ....
初めての運動会の始まり
開会式の話はぼうとした頭にははいらず
年長さんのマーチングは堂々としていて
父母も慣れた様子でベストポジションから
カメラを向ける
渡された紙の、一番最後
年少 ....
ここへ。私の上の明転の、金糸雀の鍵は
まるく羽織っている うやうやしく蝶々で
その四季は 焚き火には 目隠しばかり
またその大部分はとがり 違えていた
ブロンドの星が監禁される 玻璃のない ....
ひとつひとつ
背中が消えていく
街は少し
そのようなところ
空っぽのエンジンを載せて
車がいつまでも
変わらない信号を待っている
きっと
そのようなところ
駅前で酔った
....
生活に行き詰まり
孤独に苛まれて
生きていたって仕方ない
と泣いているあなた
夢に破れ
自分の存在価値を疑い
立ち直れないと
自暴自棄になっているあなた
あなたの隣をご覧なさい
....
灼熱の慈悲 方位を変えた意識に映り込み
灼熱の許に 一点の曇りなく澄む響き震え
肉体を超え生命体の表象力、
凝縮し
わたしは
生命の息吹きの巨大を生き、
灼熱の慈悲 殻を破りダラ ....
椅子が「座って」と言った
椅子は昔の私だった
あの時座ってあげられなくて
ごめんねと返事して
腰を下ろした
テーブルが「果物を置いて」と言った
私は温かなストロガノフが食べたかった
....
40、50、60
何歳になっても
寂しいという気持ちになったら
僕を思い出して下さい
一人きりということがあったら
僕を呼んで下さい
何時でも待っています
何時までも待っています
僕は ....
えも言えぬまま輝いていた
へへへへへへへっへへへへへへえへへへへへへへっへ
えをも言えぬまま輝いていた
へへへへっへへへへへへへへへっへへへへへへへへ
えをも言えぬまま輝いていた
うへうへへ ....
その人の人生を
私は生きられないので、
私は私の人生を
生きるしかない
一度限りの人生
*
さまざまな人や物事に
さまざまに支えられている私
これも
みんなのおかげ
ありが ....
昼間の夢と云つたら海の色した童話ばかり。
流線形を解いて身を楽にすると
このかがやきは永遠の答案のやうに姿を消して
はかながる薔薇を秘めた僕らの仲らひに
束の間の雨滴は ....
君の言葉と沈黙をたどる
僕の言葉と沈黙とで
その感触をさぐりながら
そうすることだけで
行ける場所があると
いつからか――
記憶の海より深く
予感の空より遠く
その道のりで ....
海岸通りで
バイクの隊列とすれ違う
マグロは泳いでいないと死んでしまう
ライダーも走っていないと死んでしまう
のかもしれない
マグロの旨い店に着くと
黒いバイクがたくさん並んでいた
....
こけ色のシャツを着
こけ風のズボン履き
こけ臭がするジャケツを羽織る朝
私はひろがる ちいさなタマシイ
苔の多様に思いを馳せる
新鮮な舌のようなむらさき
朝つゆにあつまる金
うまれる ....
雲の上で味わうトマトジュースは すっきりとして濃く
何だかいつもと違うみたいで
どちらが本当のわたしなのか 急に難しく感じた
生きているのだろうか
なんて、変なこと考えだして
あなたと向 ....
公園で何本かの吸殻をひろいながら
ここにどんな唇が触れ吐きすてたのか
といったようなことは
あまり考えないようにしている
救えなかったいのちより
救わなかったいのちを大切にしているのも
....
我妻へのラブレター
初恋のデートで訪れた竹下通り
あの日に入った喫茶店は
何処だったのだろうか
季はゆっくりと移り変わり
刹那にもがき苦しむ人達も
入れ替わり立ち替わり
....
もうじき目を閉じるわ
ちょうどいい頃合い見計らって
覚え切れなかったステップ
まだあるけど続きはあちらで
幸せよりも幾分鮮やかに
回る走馬灯の薄明かり
聞こえてくるよ、産声が
歌って ....
誘うように、それは語り始めた。意識のうえに上るものが、必ずしも真実ではないと、それは告げているかのようだった。物質に満たされたこの世界において、心とはいかにもはかなげなものであり、今にも消え入りそう ....
切迫する境界の脅迫に
崩れ去った家族の向こう、
虹の七色 鮮やか冷ややか
天空に輝き渡り跳躍する意識、
集め到来する光充ちる視界に委ねる。
書きたいなぁ~
みんなが
あまりに びっくりして
吹き飛ばされそうになるくらいの
詩が書きたいなぁ
間違って踏んづけられちゃったみたいな
悔しさと羨望に
まみれたいなぁ
....
太陽の深紅に眩まり
球体の輪郭くっきり定め
無音訪れる滑らかな静かさに
掛け渡す虹の鮮明な意識を歌う
宇宙は今 透明な雨降り
人間は今 哀しい雪降り
真紅に明るむ太陽の
くっ ....
僕のさみしい夢を
獏は食べててくれたのかな
獏のさみしい夢を
僕は食べてたのかな
今日
どうしてここにいるのかな
今日は風が強い
全てを吹き飛ばし
音を撒き散らす
このままずっと風が吹けばいいのに
私の嫌いな大人達を
どこか遠くへ吹き飛ばして
私の目から消してほしい
そして風の音で
大人達の人間を ....
かつて私は
小鬼だった。
銀河の岸でありがとうと
私に手をふる小鬼も
元気である
ねえ、まゆさん、そこは寒いですか?
この世界の終わりは、僕には懐かしい
世界には鏡のような川や、一万年も時を経た石造りの建物があるといいます
それでも僕には、まっすぐに張り詰めた白い凧糸の方が美 ....
野外フェスに出演した時のこと
歌い終わってステージを降りると
ケルト音楽を演奏したバンドの
アイリッシュ・フルート奏者に
流ちょうな日本語で話し掛けられた
私の国はアイルランドです。
....
友達や知り合いが集まり
楽しくて賑やかな飲みの席
少し飲んだだけで
顔が赤くなったり
同じ話を繰り返したり
飲めないと言っているのに
飲め飲めと何度も言う友達
あまり喋らない ....
自分のために、自分のためだけに
この海を行け
その声をよすがに航海に出た
凪いでいる海は退屈でしかなく
荒れ狂う海に対峙している季節こそ
わたしの命は踊っていた
そうやっていくつもの年 ....
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